おめでとう (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292328

感想・レビュー・書評

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  • 川上さんの感性は、一般人に近い気がするんだけど、それをすごく文学的な雰囲気で包んで表現するから、なんかうれしくなる。自分の生活も平凡なんかじゃないんじゃないかな!って見つめなおしたくなる。
    これはエッセイではなくって、短編集。色々な関係性の二人を描いている。
    多分、ちゃんとした関係じゃない二人なんだけど
    それを嘆くでもなく淡々と過ごす情景が目に浮かんですごくいい気分になる。

    好き!!!

  • ほっこり
    好きなタッチだった

  • この中の、川という作品は色んな影響を受けました。

  • 淡々とした人物描写と情景描写が溶け合って、60年代の白黒映画が映し出されたような錯覚に陥りました。

  • 違和感があって変てこな可笑しい話なんだけど、読み終えると寂しくなる話ばかり。

  • 2010. 3.31 図書館

  • 女性的で、美しくて、とりとめもなくて、
    そして、わがままで、理不尽。
    そんな邦画みたいな短編集でした。
    柔らかいのに芯があって。

    いじらしく、そしてうとましい。

    この人の書く女の人と同じような本でした。

  • 「おめでとう」短い話なので早速書き残す

  • 何気ない ふとした ある時間を過ごす、ある二人の
    それぞれの短編集。

    不思議な文章。ひらがなが多い感じに見えるよ。
    特にこれと言って、大きな衝撃はないけれど
    なんとなく読んだあと、あったかい気持ちになれる本だと思う。

    『夜の子供』で
    朝子が竹雄と一緒にいるときに
    ふと自分はやがていなくなる、宇宙もなくなる、と漏らす場面が
    すんごく素敵だと思う。
    それに対して いちごみるく を朝子にあげようとする竹雄も好き。

  • 平易な文章でどうしてこれほどまでに切なさを表現できるのだろう。
    涙がこぼれそうになるくらい、鼻の奥がツンとするくらい、素敵だ。

    寒いです。こんにちは。あなたに会えました。
    あなたに会うのがすきです。あなたと喋るのがすきです。
    干し魚はおいしいね。きのう大きな入り日を見ました。
    入り日は、赤い。冬のはじめの葉よりも赤いです。

    おめでとう、とあなたは言いました。おめでとう。
    まねして言いました。それからまた少しぎゅっとしました。

    寒いです。おめでとう。あなたがすきです。
    つぎに会えるのは、いつでしょうか。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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