おめでとう (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292328

感想・レビュー・書評

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  • 短編集だが、それぞれの物語からそこはかとなく立ち上る「気配」がある。「運命の恋人」は秀逸。

  • 会社近くのカフェで残作業を終えた後、気分転換にページを開き、目についた小編。
    家庭を持つ2人のイレギュラーな、でもおだやかなある日を描いた『冬一日』。
    土曜の夜、楽しげな会話がさざめくカフェの一角でひとりうっかり涙ぐんでしまった。

    2人の関係がとてもたおやかで確からしいのだ。
    諦感とは全く違う淡々さは、この恋の確かさと切なさを強調して胸をしめつける。

    節度と思いやりに満ちた関係にふっともたらされたある一日。
    二度と訪れない日を過ごす二人の高揚が静かに、でもすごく情熱的に描かれた小編。


    現実のままならなさとつい比べてしまい悲しくなってしまうという副作用つき(笑)

  • ほっこりする本

  • こういう本読んでつくづく思う。おぼえてねぇ---読後約2ヶ月目くらいの感想でした。

  • 恋愛についての短編集。

    どれも短い作品で、登場人物は自分と相手、くらいの感じでした。
    「おめでとう」というタイトルに似合わず、別れを感じさせたり、という作品が多かったような気がします。

    読んでて、登場人物の気持ちの変化とか心情がいま一つ掴めず、首をひねったりすることが3回くらい。

  • いろんな恋の短編集。
    川上節がたまらなくなってきた。不思議な味わいで止まらないと言うか。

    事情や状況だけで判断したら、ダメな恋愛ばっかりなんやけど、登場人物は幸せそうでいとおかし。
    表題作は、いまいち良く分からなかった。

  • 文章が読みたい、
    文章で癒されたい、

    そうおもったときに川上さんの物語を読むようになった。
    あたたかくて、ゆったりとしていて、それでいていつも切ない。そんな物語に、わたしは毎回癒されている。

  • 一篇はとても短く、凝った表現に感じないのに、登場人物ふたりの関係やその場の雰囲気がよく伝わってきた。

    日常、誰かとふたりだけで交した会話の楽しさを、周りにも同じように伝えようと思ってもなかなか難しいものだが、この本に出てくる"ふたりの世界"は十分一緒に楽しませてもらえる。

    他の長編なども読んでみたい。

  • 何を思って作者はこの作品にこのタイトルをつけたのかが気になるな、と。
    たぶん川上弘美という作家を知る以前に一度読んだことがある。ので再読という形になるのだろうかな。なんだか人間の好きになれない部分を砂糖をかけてごまかした、そんな雰囲気を楽しむための作品であるように感じた。直視できない、でものぞき見てしまう、怖いもの見たさとかを刺激される。

  • 春の虫 がすきだった。
    いっぱい着替えるショウコさん。

    あと、夜の子供。
    竹雄の雰囲気がたまりません。
    イチゴミルク。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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