おめでとう (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292328

感想・レビュー・書評

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  • 2013 1/1

  • 川上弘美さんを初めて読みました。他のも読んでみようと思いました。

  • 池田澄子語る解説にあった『川上節』である。
    川上節である。
    解説で全て、すっかり語り尽くされてしまったので何もかくことがないようだが、気に入った解説の一部分を抜粋する。


    川上弘美の小説やエッセーを読むと、必ず何度か笑ってしまう、ふふゝ。しかし、アハハと笑ったことはない。そういえば川上弘美は目を細めてふふふゝとよく笑う。その笑いは、おかしいなぁではなく、おもしろいなぁというふふふゝに聞こえる。見える。(略)それなのに私は何回も笑った。笑いながら、やがてつくづくとかなしくなっていた。

  • 短編集。
    川上さんの作品には独特の世界がある。
    何やらホンワカしたような、不思議な気分になる。
    たまにその独特の世界に浸ってみたくなる。
    好きだったのは『どうにもこうにも』。

    2012.10.17

  • そうそう、川上弘美ってこんなんだった、という感じ。しみわたる文章。ありえない世界。
    それでも、愛さずにはいられない、という現実。

  • 路地から空を見上げるような恩寵のきざす瞬間のこと。

  • 作品のほとんどが不倫の恋愛を扱っているにも関わらず、生臭さがない。細部ではとてもリアリティのある話なのに、登場人物たちが皆、匿名めいてるせいかもしれないですが、どこか夢の断片のような非現実感があります。生々しすぎず、かといってキレイゴトでもない現実、その距離感が心地よい。

    「いまだ覚めず」「どうにもこうにも」「春の虫」「夜の子供」「天上大風」「冬一日」「ぼたん」「川」「冷たいのがすき」「ばか」「運命の恋人」「おめでとう」

  • 「冬一日」がだいすき。
    初めて読んだ川上弘美の本で、一番すきな川上弘美の本。

  • 表題作ほか、12の物語による短編集。
    川上弘美さんの本に出てくる登場人物は少し年齢層が高い。

    みんな、すごく恋をして、愛をしている感じがして、大好き。
    年を取ってもこういう風に好きなひとに対して一生懸命でありたいと思う。
    あんまり外見に関する描写はないけれども、好きなひとはたぶんおなかがぽっこりしていたり、髪の毛がすこーし薄くなっていたり、するのかなとか思いながら。
    自然の速さで年を重ねていて、恋をして。

    川上さんの本はほんわかしていて好きだ。
    少しほろっとして、好きだ。
    現実離れしていそうで、現実的で好きだ。
    ひとをすごく愛しくなる気持ちにさせてくれる作家さん。

    「あのさ、俺さ、百五十年生きることにした」
    「百五十年?」
    「そのくらい生きていればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうし」
    (『冬一日』より)

  • 12の短編集。
    求めては離れ、離れては求め。
    愛しいけれど疎ましくて、疎ましくても愛しくて。

    世間的にはイケナイ関係だけれど、気持ちは止まらないのかなと。

    頭では細かく分析するけれど、結局何をやってもうまくいかない「天上大風」と
    日曜のよく晴れた休日を思い浮かぶような背景の中での
    ちょっとした切ない気持ちの「川」が好きかな、と。

    全体的に川上ワールド炸裂)^o^(

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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