- Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101296227
作品紹介・あらすじ
キリスト教伝道のため来日し、近江兄弟社を設立したW・メレル・ヴォーリーズは、関西学院、軽井沢ユニオン教会などを手掛けた建築家としても知られる。留学から帰国した満喜子は、メレルと出会い、周囲の猛反対を押し切って、結婚する。近江八幡に居を構え、幼児教育に邁進する彼女と日本に帰化した夫の前に、様々な逆境が襲い掛かる――。二人の愛に満ちた生涯を描く感動の長編。
感想・レビュー・書評
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2016,5読了
どんなに尽くしても土地の人々の理解が得られず、でも負けないで生きて行く姿・・夫のメレルと、お互いを敬い思いやる姿には感動します。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おマキさまは本当にこれで幸せだったんだ…というのが率直な感想。私は佑之進の胸の内がせつなくて、佑之進への気持ちを超えるメレルへのおマキさまの思いがつかみかねた。絹代さえ気づいていた思いに、当の本人が気づかないはずはないのでは…?それを押し殺してもなお余りある幸せをメレルは与えたというのか?国籍を奪われ、日本人でありながらメレルの妻となれたにもかかわらず近江八幡の民に受け入れられず、最後は兄弟と信じた者たちからも追放され、逃れた軽井沢で結局病を得たメレルの看病に明け暮れた…苦難に向かえば向かうほど、負けんときと自分を奮い立たせて自分の気持ちで乗り越えていきながら、これが望んだ幸せだと言う。共感できない…それが心残り。。。
それと、絶対避けられない『戦争』の悲惨さ。なんで日本はあんな戦争をしたんだと、しかも戦前にヴォーリズ夫妻はそれを阻止するために渡米して講演して回っていたなんて…知らなかった。悲しすぎる。 -
明治に生まれ、戦後まで、真っしぐらに生き抜いた女性・一柳満喜子。今とは比べ物にならないくらい女性の地位が低かった時代に、海外留学し、帰国後、宣教師として日本に来ていたアメリカ人・ヴォーリズ氏と結婚。ヴォーリズ氏は、近江兄弟社を起こし、関西学院大学や京都の中華料理店「東華菜館」などを建築。満喜子さんの生き方やヴォーリズ氏の建築物、ふたりの愛に満ちた人生、また今秋から始まる朝の連ドラ「あさが来た」の主人公・広岡浅子さんも出て来たりと、いろんな点で興味深く読めました。
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自分の人生の1冊とも言えるほど大切な本になった。自分もこうありたい、こんな風に考え生きたいと思える人が主人公のみならず出てきて、自分の生き方に反映していきたいと思った。
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上巻に記載
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素晴らしかった。介護まで槍ながら、晩年も駆け抜けられた様子に感銘を受けた。
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苦難に次ぐ苦難の日々。
彼らの人生にどんな幕切れがまちうけるのかハラハラし通しだった。
一柳満喜子、ヴォーリズ、メレルどの名前も聞いいたことがなかったけれど
関学のチャペルは知ってる!?
彼女のように、強く信念を持って生きれたならいいのだけれど、きっと私は長い方に巻かれつづける人生だろう・・・
でもせめて、負けんとき!の言葉は胸に秘めよう! -
単なる有名な米国人建築家と、華族のお嬢様の国際結婚のお話と思うなかれ。長年日本に暮らし、日本や日本人の精神を熟知したアメリカ人として、終戦後、マッカーサー副官のバーレット少佐に、「天皇陛下は国民の象徴である」と進言したのが、メレル・ヴォーリズその人である。その後、日本は天皇陛下を現人神ではなく象徴として、奇跡の復興を遂げ、先進国へと躍進する。昔からよく使っていたメンソレータムや出身校のカレッジソングにメレル・ヴォーリズが関わっていたと知り、とても身近な人物に感じたが、小説後半でこのヴォーリズ・ファイルと呼ばれる会談のことを知り、日本に多大な貢献をした人物だと驚きと感銘を受けた。
メレルのパートナーである満喜子も、華族のお嬢様として生まれながらも、新たな時代を切り拓くさまざまな挑戦をし続ける。その満喜子を、満喜子の兄の義母にあたる廣岡浅子が、良き理解者として支える。廣岡浅子が満喜子に伝える言葉もとても印象的である。
メレルも満喜子もすごい。そして、浅子も。
私は浅子のように若い人を励ますことができる人になりたい。 -
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