- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101312811
感想・レビュー・書評
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話題の芥川賞作家、異色な経歴を持つ西村賢太氏、
石原慎太郎氏が熱心に激賞していたこともあって初めて読んでみた。
自身の経験を礎とした私小説を、
大正から昭和初期のような古風な文体で描いていく。
変哲も無い話は文体によって引力を持つので、
これが結構読める。思わず微笑もこぼれるような内容で嫌いではない。
しかし、辛口に評価すると、私小説としては内容が空疎だし、
文体、雰囲気を求めるならば過去の小説の方が優れており、
且つ、車谷長吉のような情念の凄みもないので
美点が解り辛く物足りなさを感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書いてある事のほとんどは2chにスレ立てされてるような内容だし
やってる事はダメ人間、ダメ男の典型なんだけど
なぜか藤澤清造に関しては真摯に向き合ってるのが不思議
ただ、藤澤清造を知らないこちらとしてはその長ったらしい説明に辟易 -
過去の作家に傾倒する碌でなしの、貧困の暮らし
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受賞作の「苦役列車」「どうで死ぬ身の一踊り」に続いてこれで3冊読み終えた。
典型的な私小説らしく、相変わらず主人公の貫多は、貧困、酒、女、暴力・・・
そして藤沢清造に異常なまでの傾倒・・・と内容はよく似通っていて
今思い出そうとしてもこの三作の印象が混ざり合ってしまっている。
この人はずっとこのまま書き続けて行くのだろうか?
手元に残る一冊「二度はゆけぬ町の地図」を読み終えたらこの作家のものに休止符をうつことにしよう。
インドは好き嫌いが両極端に分かれる国といわれる。
旅するリピターも一番多いとか。
この西村賢太氏ももしかしたら、両極端に分かれるのかも知れない。