- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101397290
作品紹介・あらすじ
蕎麦切りの名人だったおそのは 不貞を疑われ追い出されて(「蕎麦切りおその」)。陶芸に目覚めた中年男の選んだ余生とは(「柴の家」)。女太夫が惚れた乞食侍はやがて花火造りに勤しむが(「火術師」)。想いを寄せる下駄屋の倅は彼女の気持ちに気づいてくれず(「下駄屋おけい」)。葛藤の末、己の作った草鞋が朗報を運んできた(「武家草鞋」)。日本一の刀鍛冶になるべく全てを捨てた男を待っていた悲劇(「名人」)。職人の技輝る、珠玉の落涙小説全六編。
感想・レビュー・書評
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新潮文庫での人情時代小説シリーズの第四弾「がんこ長屋」。池波正太郎、五味康祐、山本周五郎、柴田錬三郎らが書き上げる、絶品揃いの一冊です。落涙小説を読みませんか?
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【感想】
・一挙に読もうとすると意外に疲れる。それぞれの作品に重みのある人生が描かれているからだろう。
・なんで『がんこ長屋』って題名なの? と思ったが、たぶん、職人たち(がんこものたち)が描かれた作品が長屋のように並んでいるからだろう。
・気に入ったのは乙川優三郎の「柴の家」。《彼は一枚の凡庸な皿を作ることに没頭した。》p.52
【内容】
・ラインナップは、池波正太郎、乙川優三郎、五味康祐、宇江佐真理、山本周五郎、柴田錬三郎。 -
2017-3/16池波正太郎のみ読了
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2013年10月刊。 再読。池波正太郎「蕎麦切おその」、乙川優三郎「芝の家」、五味康祐「火術師」、宇江佐真理「下駄屋おけい」、山本周五郎「武家草履」、柴田錬三郎「名人」の6編。がんこな職人気質をテーマにした良質な人情もの。全て良く、心に残ります。
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時代小説の短編集。
それもいろいろな作家さんが書いている、アンソロシーである。
池波正太郎。乙川優三郎・五味康祐・宇江佐真理・山本周五郎・柴田錬三郎とそうそうたる執筆陣。
内容も特殊で、ふつうの市井の人々の話ではなくて、技術を極める、というテーマのようだ。たとえば陶芸だとか刀作りとかの道を究める人が主人公となって、一編の話になっている。
今回初めての作家さんもあったが、短編なので気軽に取り付けたように思う。 -
山本周五郎「武家草鞋」が秀逸。
廉直、正真は人に求めるものではない。世間というものが人間の集まりである以上、己の責任でないと言える人間は1人もないはずだ、世間の卑賤を上げる前にこなたはまず自分の頭を下げなければなるまい。すべてはそこから始まるのだ。 -
ブッククラブ
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長屋シリーズ第四弾。宇江佐真理は初めて読んだが、平易なストーリーだが、小気味好かった。山本周五郎は何度読んでも良い。13.11.30