- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101467252
感想・レビュー・書評
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「おれはしょうきにもどった」でお馴染みのカインである。
カインの意味は、生きること自体が苦痛である人間のことである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
身につまされすぎて、スラスラ読み進められない。少し読んでは、自分の中で言葉を落ち着けるために、本を閉じ、時間をおかなくてはいけなくなる。
自分の中でくすぶっていた悩みを、綺麗に言語化してくれる本です。 -
「何故生きる」それを知るために。
安心したがる。納得したがる。マジョリティーの側にいることの不気味な強さ、自分の中にある、善意というものの醜悪さを知る。 -
テーマについて言えば、村上春樹の『海辺のカフカ』と全く同じ。そして、結論的に不幸そのものを受容する決断を下して生きる選択をする点も共通している。ディテールが全く異なるのは当然だが、内容的な差異を指摘するなら、村上春樹が究極的に不幸を受容していくカフカ少年をわざと僅かながらの希望をもたせる様な描写をし、奇妙というより姑息というべきレトリックを用いた(僕自身はこういう書き方をしたところに春樹の人間に対する諦念が表れていると思うが、多くの読者に誤解をされかねない)のに対し、中島義道は飽くまで不幸というものに誠実に向き合ったという点に尽きると思う。ここまで誠実に不幸を直視し、それをわかりやすい言葉で、余計な修辞を用いずに描いた作品はないと思う。
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06095
若い頃の苦悩や挫折を解決できないまま、けして幸福ではないまま生きてきてしまったが、そういう半生を半面受け入れ肯定できる心境にもあるのかもしれない。 -
本書は、著者である中島義道氏が、その繊細さ故に人生に悩み苦しみ死にたいとさえ思ったT君という若者に向けて語られる手紙のような内容である。内容を読んで自分自身のことを言われているようで心が痛くなった。半分うつっぽくなった。中島義道という中毒にかかったような感じがした。この本から汲み取れたことは次の二つ。一つ目は自分自身について。一度きりの人生なんだから、自分に正直に、自分らしく生きたいと思った。世間はそれを認めないだろうけど、自分のやりたいことを我慢して、自分を殺して人生を過ごすなんて、なんのために生きてるのかわからないじゃないか。二つ目は他人について。普段から無駄に粗野、粗暴にふるまって他人に迷惑とか嫌な思いをさせてる人は、実は自分の弱さを否定したくて、それであの不自然な体裁をとっているのかなと思ったりする。他人の心はわからない。この本を読んではっきりわかった。世界でわかるこころは自分のこころだけ。だから、他人の常日頃からの振る舞いがそのままその人の性格だとかこころだと決めつけてしまわないようにしたい。
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いい子から抜け出せなくてもがき苦しんでいた自分を変えてくれた大事な一冊。
自分のことを言われているようだったのと、読んでいて作者が作者自身の言葉で話しているので入ってきやすかった。
この本を読んでも救われないとあったけど、私はカインを読んでから息をするのが楽になったという意味で救われたのかもしれない。 -
極端な視点から書かれていると思う。が、誰しも自分の心の深くまでたどると、程度の差はあっても理解できるところはあると思う。
著者が悩ましい苦しみから得たことがこの本に凝縮されていると思う。だからこそ哲学者の道が開けたような、、、。一風変わった本として読むなら面白いと思う。 -
「いい子」から逃れられない苦しみ。「理解」してくれた鈍感な偽善者への復讐。「他人」を(精神的)に殺す方法。怒る、迷惑をかける、自己中心的になる、期待に背く、幸福を諦める、など。T君にあてた手紙として記述。
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彼の著書の中でも、特に読みやすい。
専門用語は使われていないし、語りかける口調だし。
正直内容は、彼の他の本と重なるところが多いなぁ、と感じた(・ω・;)(;・ω・)
ただやっぱり自分の言動で、他人に迷惑かけたかな?って気にしすぎても仕方ないな、とは思った。
他人の気持ちなんて『わかる』んじゃなくて、意味付けしかできない。
あと人間は迷惑をかけずに生きることは不可能っていうのも納得。
親にとって『いい子』であることについての話が興味深かった!いわゆるアダルトチルドレンか?
『いい子』なのかは知らんが、実は私には反抗期っていうのがなくて。喧嘩はするけど(笑)
『反抗期』と呼ばれる時期に、祖父母と対立していたおかげで、母親とは仲良くなっちゃった(笑)
…のはいいかもしれないけど。
面倒くさくていちいち反抗する気になれないっていうのもあるよね。
なんつーかこれはよくないね。
反抗期っていう成長に必要なプロセスをふんでいないままきちゃって、未熟な気がする。
そんなわけで、ちょっぴり自分と重ねちゃったf(^ー^;