夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102020081

感想・レビュー・書評

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  • (レビュー・感想というより、読むに至った経緯)
    夏の夜の夢
    一言でいうと、ハチャメチャ喜劇的ラブストーリー

    あらし
    一言でいうと、人間同士の和解にいたる物語

    どっちも妖精が出てくるにも関わらず、
    それほどファンタジー要素を感じないような。
    ・・・
    本格的にシェイクスピアも学べば良かったと、
    今更後悔している。

  • 新国立劇場で「テンペスト」いままさに上演してますね。

    プロスペロー
    「吾らは夢と同じ糸で織られているのだ、ささやかな一生は眠りによってその輪を閉じる」

  • シェイクスピアといえば悲劇だが『夏の夜の夢』のようなファンタジックな喜劇も好き。翻訳の過程でシェイクスピアの巧さは減少してしまうのだけれど、それでも三つの筋が交差しあっていて、他愛ないけれど夢幻的で面白い。にしても愛に振り回される人間って。ヘレナとデメトリアスはそれでいいのだろうか。『あらし』はシェイクスピアの最後の作品とされる悲喜劇。植民地的アプローチで読んでもプロスペローと作者を重ねて読んでも興味深い。この作品が最後だからこそ作者の不思議な魅力が高まる気がする。アントーニオが不安ではあるが。

  • フルート シスビーっていうのは、なんだ? 武者修行の騎士か?
    クィンス お姫様だ、ピラマスが恋する相手だ。
    フルート いやだよ、女形はごめんだ、ひげが生えかかっているのでな。
    2014/03/24-04/03

  • 『開かせていただき光栄です』http://booklog.jp/item/1/4152092270のでオベロンとタイターニアがみたくなったので、「夏の夜の夢」目当てで読んだ。
    「あらし」がテンペストだということに読み始めるまで気づかなかった。
    テンペストも『少女たちの19世紀』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4000259423で読みたかったんだ。

    共感しない読み方を覚えてから、楽しめる範囲が格段に広がった。
    これも昔読んだら面白くなかっただろうと思う。

    馬鹿げたドタバタコメディだと理解したら夏の夜の夢は面白い。
    殿方はどうよと思うし、女子ズはそいつらでいいのかとも思うけれど。
    ハーミアとヘレナの、元仲良しという関係あってこその罵り合いが好き。
    サロメを読んだ後だから、あんなに仲良しだったのにという嘆きに、ヘロディアの近習と若いシリア人みたいなのを期待してしまった。
    タイターニアと小姓の母親にも感情があるし、女子同士に関係性があるのが意外だった。

    劇中劇は『ギリシア神話』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4061943014で読んだ覚えがある。
    この本では「ピラマスとシスビー」だけど「ピュラモスとティスベ」のほうが通りがいいんじゃないかな。
    ロミジュリの元ネタがえらいことになってて笑った。
    タイターニアの小姓をほしがるオベロンは、ゼウスとガニュメデスだろうか。


    テンペストは、解説でべたぼめだったけれど正直よくわからない。
    キャリバンかわいそうとかプロスペロー自業自得じゃね?とかエアリアルの奴隷根性はどうなのとか、そんな感想しか湧かない。
    解説いわく、テンペストは翻訳不可能なほどの美文で、しかも説明したら消えてしまうような魅力の作品らしい。
    だから今のところ筋しか読めなかった私には、良さも理解できてないんだろうな。
    良し悪しを語れるほど理解できないのがもどかしい。


    私が読んだのは鶯色(より薄いか)に飾り枠と文字だけの表紙の。
    文庫本は主張の少ないデザインのほうが好きだ。

  • この2作を読むと、シェイクスピアにおける喜劇とは何だろうかと思う。ことに、「あらし」がそうだ。喜劇の定義がよくわからないが、どうも悲劇でないものとしか言いようがないようにも思えるのだ。さて、篇中前半の「夏の夜の夢」は、戯曲として読むよりは、舞台で見る作品だ。ここでは、3つの世界が劇を構成するが、何といっても妖精の世界をいかに見せるかに演出の妙があるように思う。人間技を超えた軽やかさが求められるだろう。一方の「あらし」は、なんだか悲痛ささえ漂う。エピローグは、あたかもシェイクスピアの辞世の言葉のように響く。

  • 喜劇で、ページ数もすくないのでサラッと読めます。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • シェイクスピアの最後の作品「あらし」に加え、メンデルスゾーンの結婚行進曲でお馴染みの「真夏の夜の夢」
    あえて夏の夜の夢と訳した理由もキリスト教の文化圏から考えると納得できる。
    どちらの作品も妖精が物語に重要な役割を果たしていて、物語性がより一層増している。また、下地になる作品がなく、ほぼシェイクスピアの想像の世界でできている。
    どちらの作品にもこれまでの悲劇作品のような愛憎劇が多分に盛り込まれているのにも関わらず、それを超越した力で喜劇にまとめ上げているところに、シェイクスピアのひとつの終着点がみえる。
    だが、どうしても作品が短いためか、その転換が煮詰まらないまま成されているような気がしてしまった。

  • 初シェイクスピアです。夏の夜の夢はセリフが派手で、登場人物も思い込みがはげしくていろんな意味ですごかった。よくあんなセリフがすらすらでてくるなー。
    あらしは挫折しました…(^^)

  •  夏の夜の夢のほうは、「ガラスの仮面」でも演目に選ばれたよく知られる喜劇。ただこれは台本を読んでるようなものなので、洋の東西を問わず様々な例を情緒たっぷりに出しながら愛を語りまくるという眩暈がしそうな文が続き、眠くて仕方ない。パックのキャラクターといたずらが清涼剤になるのがよくわかった。
     「あらし」のほうはざっくりいえば復讐物語なのだが、主人公プロスペローはなるほどたしかに名君だったのだろうなと思わせる言動が多く、彼を助けた人物も劇中で推察することができるし、傑作と呼ばれるのもうなづける。特にエーリアルに語りかけるプロスペローが好きだなあ。面白かった。

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著者プロフィール

1564-1616。イギリスの劇作家・詩人。悲劇喜劇史劇をふくむ36編の脚本と154編からなる14行詩(ソネット)を書いた。その作品の言語的豊かさ、演劇的世界観・人間像は現代においてもなお、魅力を放ち続けている。

「2019年 『ヘンリー五世 シェイクスピア全集30巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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