シャーロック・ホームズの思い出 (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 155
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102134030

感想・レビュー・書評

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  • 最後の事件は手に汗をにぎりながら、一瞬で読んでしまいました。シャーロック・ホームズの復活を願います!

  • 既読本

  • ホームズとワトソンの関係が円熟してきて、ホームズにどんどんかわいさが増しているのが愛おしくてかなわない。これまでの4作ではこれが一番好き。

  • どれも面白い事件がいっぱいでワクワク楽しめました。作者はシリーズを終わらせるつもりだったらしく、最後の作品でシャーロック・ホームズが退場してしまうのは衝撃的だった。

  • シャーロック・ホームズの思い出
    久しぶりに読みたくなったので手に取る。以前読んだ筈だが、記憶が曖昧だ。
     白銀号事件
     厩舎からいなくなった馬「白銀号」とその調教師が殺害された事件。怪しい来訪者が前日に訪れており、単純な事件と思われたが進展しない。
     ホームズ作品では動物が・・・という構図はよくあり、今回もそれが一因。解決してみれば何の事は無い事件だが、ホームズが見つけたマッチや足跡、蹄跡からの組み立ては彼らしいやり方だ。
     黄いろい顔
     留守の際に久しぶりの依頼人が忘れていったパイプから人間像を推理するホームズ。パイプ観察だけで得た情報をさももの凄い事の様にワトソンに披露する。そこに依頼人が戻り、隣に越してきた不思議な家族と妻の謎について相談する。
     この当時の作品では今では驚く様な差別描写に溢れているが、時代背景が読み取れる。特に黒人の娘に対する母親の心配は当然であり、マンローが最後、妻を許し娘を受け入れた事はホームズシリーズにおいて数少ない人間性の作品だ。
     ホームズの汚点という事だが、確かにホームズは何もしていないなぁ(笑)
     株式仲介店員
     何故被害者は騙されたのか。単純な詐欺事件などではなく、騙されたあ理由が入れ替わる為だった事は秀逸。現代ミステリーでは実行されにくい犯罪ではあるが、当時ではこの様な替え玉でも気付きにくいという事は納得してしまう。
     ワトソンの開業、妻の話など、彼らの生活の一部を垣間見る事ができた様な作品。
     グロリア・スコット号 
     ホームズが探偵を始めるきっかけになった事件。数少ない旧友ヴィクターと彼の父親に届いた謎の手紙。彼の父親の元にハドスンという人物が訪ねるようになり、問題が発生していく。
     父親の元に届いた手紙。暗号になっているが、翻訳を暗号に合わせて意味が通づるようになっているのは単純に凄い事だ。
     後半、父親がなぜそれ程恐れているのかが回収される。過去にグロリア・スコット号で起きた悲劇の話であり、父親がその該当者だった事。
     マスグレーヴ家の儀式
     ホームズが初期に対応した事件。まだ本格的に有名になっていなかったホームズだが、学友やその紹介により事件を請け負っていた。
     今回は学友のいうの賢い執事が失踪し、続けて女中も行方不明になった事件。数日前に執事が屋敷の図書室でマスグレーヴ家の記録等を勝手に漁っており、それをきっかけに一週間の期限付きで解雇されるが、2日後に居なくなってしまう。警察などと捜査しても見つからず、女中の件もありホームズに依頼がくる。
     暗号と冒険がホームズの人気の理由だと思うが、今作でもとても面白い構成になっていた。
     背の曲がった男
     戦争の傷跡が残る時代だからこその物語。誰も幸せになる事は無いが当事者間だけでも真実が詳らかになったのは救いだろうか。
     大佐は結局卒倒して頭を打ち死亡したというのが事実だが、当時の作品には動物を作用させる事が摩訶不思議な、読者が驚く仕掛けだったのだろう。腰の曲がった男が手品様に引き連れていたマングースなど、SNSなど無かった当時にはひどく目新しく作用したのだろう。
     入院患者
     ホームズ、ワトソンの元に依頼にきた神経科医トリヴェリアン。彼に投資した人物が何かを恐れており、それに対する調査の依頼。該当人物は殺害され、結末として過去に起きた銀行強盗の一味だったと判明する。ホームズの活躍は少ないが、全体としてまとまった内容だ。
     ギリシャ語通訳
     ホームズの兄、マイクロフトが登場する話。ギリシャ語通訳の男が経験した恐ろしい事件を引き受けるホームズ。兄は機動力は全く無いが観察力や推理力はホームズを凌ぐ。誘拐された男と女の正体は。最後、容疑者二人が仲違いし死んだとあるが、もしホームズが期待するような結末であればかなり良くできた物語だ。ミステリーとして、犯人当てでは無いか物語全体に謎をはらませるのは面白い。また、ずっとそうだが警察がホームズと一緒に行動することが多い事に驚いている。
     海軍条約文書事件
     ホームズシリーズの面白い所は彼の行動力とワトソンの記述の地理的な幅がある部分で、今回の様に別行動になるとさもホームズが突飛な能力を駆使し、人間離れした能力にて事件を解決したかの様に見えてしまう。
     ワトソンの旧友の依頼による窃盗事件だが、最後ホームズが機密文書を取り返し、依頼人に返す方法について、のちに奇術家の様な探偵が増えた要因かもしれないサプライズ演出だ(笑)
     ホームズの行動力が凄まじく、兄のマイクロフトが頭脳だけで太刀打ち出来ない理由がわかる。
     最後の事件
     ホームズ史に残る、最も有名な犯罪者モリアーティ教授との対決。ドイルがホームズシリーズを終わらせるために書いたと言われているが、とても面白い物語だ。ページ数は少ないが、描写はわかりやすく、ホームズシリーズの魅力が詰まっている。現代風に読み解くとホームズとモリアーティの組織とのやり取りが数編あれば、この事件をもっと深く楽しめただろう。ただし、当時は恐らく犯罪組織、犯罪王との対決は読者を昂らせるものだったのだろう。

     久しぶりにホームズを読んだがやはり面白い。訳が古いので、読むのが難しい場面もあるが、熱が戻ってきた。近々、残りシリーズの再読(殆ど読んでいるが、レビューをまとめたい。)し、ホロヴィッツ二作も手に入れたので読んでいきたい。

  • 『黄いろい顔』が優しい話でほっこり。愛に溢れてて心温まりました。
    『株式仲買店員』は展開が予想外すぎてどんどん読み進めてしまった。パイクロフトさん...勝手に名前使われて本当にただの被害者。
    ホームズ兄の登場する『ギリシャ語通訳』ではなんだかホームズが二人いるみたいでワクワクしました。
    『最後の事件』ホームズがワトスンへどんな事があったのか話してるだけなのに、ドアの前にモリアティ教授が立ってたと聞いた瞬間ドキリと私も怖くなった。モリアティ教授がどんどん迫ってくるスリルさもあり、結末が有名で先を読み進めたいような読みたくないようななんとも言えない葛藤に苛まらながら読みました。こんなピンチに頼るのが兄マイクロフトなのがまた人間らしくて...。こんなにも有名な話なのに最後が呆気なさすぎて、それがまたホームズらしくてかっこよかった...。

  • ワトスン先生の気持ちを思えば思うほどに切ない。シャーロックシリーズの見どころの部分でもある。ベネディクトカンバーバッチのドラマシリーズを観た後なのもよかった。時系列がとんでる?他のシリーズも読んで穴埋めしたい。後半分!

  • 最後の事件面白かったな、これを読んで見るタイトル名、響く、、、
    大事なことは兄に頼るってホームズめちゃくちゃいいなと思った、

  • 白金号事件
    馬逃走、調教師死亡、競馬

    黄いろい顔
    こっそり近所の家を訪問する妻、窓から覗く黄いろい顔の男、先夫との娘、黒人、仮面、推理失敗、ノーバリ

    株式仲買店員
    転職、ヘッドハンティング、金歯、なりすまし、強盗

    グロリア・スコット号
    ホームズ最初の事件、ホームズの旧友の父の死、手紙、暗号、偽名、過去の罪

    マスグレーヴ家の儀式
    女たらしの執事と女中失踪、儀式文、穴蔵、チャールズ1世→2世、王冠

    背の曲がった男
    男死亡、同じ部屋で女気絶、恋敵罠に嵌め結婚、死んだはずの男にばったり、過去の夫の行動知り激怒

    入院患者
    収入4/3与える条件で開業手伝ってもらう、類癇患者、強盗グループの1人、残り2人による復讐、受付係グル

    ギリシャ語通訳
    兄マイクロフト登場、監禁している娘の兄、一方話し一方石板に書くのを通訳、新聞広告犯人にバレ通訳者中毒死寸前

    海軍条約文書事件
    ワトソン旧友パーシーフェルプス、重要書類、写し、ベル、小使

    最後の事件
    モリアーティ、ライヘンバッハ

  • シャーロックホームズシリーズにおいて重要な事件と人物が登場する短編集。
    コナン・ドイルがワトソン博士の視点からホームズの活躍を伝記の如く書いているのは今までのシリーズもと同じであるが、あたかも実在したかのような強いリアリティを感じる。
    シャーロッキンアンと呼べるほどでは無いが、熱中してしまうことがよくわかる。
    映画を観て、モリアーティ教授なるホームズ負けず劣らずの知力を有するキャラクターがいることは承知していた。
    映画は映画の面白さ、小説は小説の面白さを感じられる1話であり、文芸の面白みを理解させられるストーリーになった。

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著者プロフィール

アーサー・コナン・ドイル(1859—1930)
イギリスの作家、医師、政治活動家。
推理小説、歴史小説、SF小説など多数の著作がある。
「シャーロック・ホームズ」シリーズの著者として世界的人気を博し、今なお熱狂的ファンが後を絶たない。

「2024年 『コナン・ドイル⑥緋色の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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