善人長屋

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 402
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003144

感想・レビュー・書評

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  • いやぁ、西條さんの人情もの時代小説はいいですね!ゴメスシリーズのような派手さはないけど、ほっこり和めてちょっと泣ける、いい塩梅の短編集だと思います。長屋の住人みなキャラが立ってていいですが、私は特に文さんが好き^^あの兄弟の苦労話とか、お縫ちゃんとのその後なんかも読んでみたいです。

  • 西條さん得意の時代人情もの最新刊。設定は
    小悪党ばかりが集って暮らす長屋。その小悪党達は
    裏の稼業を知られない為に、日常と表の稼業に
    勤しみ、結果周囲からは善人の集まり...「善人長屋」
    と呼ばれる皮肉な事に...w。
    その長屋にひょんなキッカケと勘違いから新たな
    住人となった根っからの善人「加助」が次々と
    やっかい事を持ち込んでくる...。
    というなかなか面白く鉄板的な設定。

    なんだが、読んでいて意外と熱くならない。むー。
    なんでだろ?長屋住人達のピカレスク的な活躍を
    期待していたのですが、思った程派手じゃないから?
    でも時代ものだしね...。と自分を言い聞かせて読んで
    いました。こういったものは長編の方が、
    思い入れ出来ていいのかも?

    最後の書き下ろしの連作2編はストーリーを
    締めくくるに相応しいド人情なほっこり感を
    与えてくれます。加助の異常なまでの
    お人好しっぷりの謎もきっちり証して大円団。
    この展開で一冊にしても良かったのにねー。

  • 善人長屋の住人たち、実はみんな訳ありで…
    これはドラマも観てみたい。

    お縫と文吉のやりとりも好きなのだけど、騙り夫婦の菊松とお竹さんがいいキャラです。
    こんな楽しそうに悪行をする人たちがいるだろうか。

    みんな裏稼業だけれど、心意気が善人。
    物語だからっていうのもあるけど,とんとん拍子に進んでいくのが楽しい。

  • これはいい。
    ファンタジーと呼べるほどに上手く事が進んでいくけど、そんなものは気にならないくらい設定と登場人物が魅力的。そして裏家業を持つ人たちの心意気というか、矜持というか、そこに心を打たれる。

  • ドラマで見て、原作が西條さんなのか!と思って読んでみましたら、とても良かったです。
    ドラマとちょいと違う部分もあったし。それがまた読んでいて楽しかったし、読んでみるとまた良いドラマ化だったんだなぁとしみじみ思う本でした。

    お縫ちゃん可愛い。文さんとどうにかなって欲しい(←


    この調子でまるまるの毬シリーズも実写化したら楽しいのになぁ…なんてね。

  • 話の流れがするすると繋がっていく。短編が書くのが上手い人の文章で、若い人が書いてるのかな?と思ったけれど、1964年生まれの人で驚いた。読みやすい。

  • 裏稼業を持つ長屋の面々。そこに入ってきた善人の加助さん。必殺仕事人の様に格好良くないけれど、頼もしい。人情の厚さが重くならずにさらりと清々しい。

  • 面白かった!裏稼業を行う人々が集う長屋が中心の笑いあり涙ありの人情時代小説。長屋のたった一人の善人である加助の、過剰とも思える人助けぶりには少し思うところがあったのですが、ラストで明かされた事情で腑に落ちました。

  • 世を忍ぶ悪党の巣「善人長屋」に、
    うぶなお人好しの加助が迷い込んだ。
    加助が持ち込む厄介ごとで長屋は
    いつも大騒動。裏の手管と人情が、
    堅気を泣かす悪を討つ!

  • 「善人長屋」と評判だけど、実は皆裏稼業(小商い)を持っている長屋に、「善人」がやってきた!なんと江戸時代が舞台のコン・ゲーム。
    おもしろー。さすが西條奈加さんや。「善人」な話で終わるわけがないと思った。ちょっとしたラブコメが展開するかと思ったら、そこまではいかなかった(笑)。でもおすすめです。人情すぎない、とても私好みな作品でした。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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