- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103003526
感想・レビュー・書評
-
2017.2.12-14
その都度何人もの男を手玉にとり保険金殺人をも企ててきた噂の女 糸井美幸。ここまでやったらむしろ天晴れかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
桂望実さんの『嫌な女』を彷彿とさせるのですが…
”噂の女”は”嫌な女”よりもっと嫌な女だった~!! -
噂の女、糸井美幸。
ヒールだけど憎めないのは、彼女の視点で何も語られてないし、主人公の一人一人は特に彼女に何もやられてないからだろうか。あくまでも噂の女だから。
やっぱりこの岐阜弁に親しみがわく。 -
周囲の男どもを手玉に取ってのし上がっていく、一人の女性を巡る連作短編集風の長編。
各編の主人公となるのは、その都度女性の周囲にいる人たち。財を成していくためには非合法的なことも厭わない女性の姿が、彼らの視点から浮かび上がってくる、という手法だ。
徐々に女の行動は明らかになるが、動機につながる過去や心のつぶやきは一切明かされない。さらに煙に巻くような終わり方も悪くはないが、やはり全体的に少しもの足りないと感じた。
直接的に当人を描かなくても、例えば桜木紫乃の作品のように、もっと生々しく人物像を浮かび上がらせることもできたはず。人間ドラマとしてもっと厚みがあると、おもしろかった。
それにしても、肉感的な容姿を武器に男性を次々と絡めとっていく悪女振りもなかなかだが、その一方で周囲に登場する人たちもことごとく情けない。
地方の悪習やコネがはびこる腐敗した狭い世界、とくに男どもは徹底的に下劣に描かれていて、うんざりするほど。でも、現実として多かれ少なかれ、こういう一面があちこちに存在しているんだろうな。 -
(2015.06.20読了)
最近時間がなくて、読み終わるまで3週間もかかってしまった(・_・;
中途半端なエンディングに納得いきませんが、気分転換というか娯楽としてはまあまあ楽しめました。
でも、「感動」とか「読んで良かった」とかはありません(^_^;)
この本、各章ごとに主人公が違うので短編小説みたいな感じですが、それぞれの話で毎回「糸井美幸」という女が噂に上り、この女の長編物語を構成しています。
この女がとにかくひどい‼️とんでもない悪女です囧rz
「良心の呵責」というものがありません。
まぁ、こういう女が相手では大抵の男に勝ち目はないですね(;´Д`A -
奥田英朗は人間のドロッとした面をユーモアで描く作家だと思っている。
この作品では、物足りなかった。
魔性の女?「糸井美幸」という女性を軸に展開していくストーリーだけど、彼女に何があったのかは描かれていない。「噂」だけで「糸井美幸」像が出来ている。「噂」を語る人物は、閉そく感を感じている人ばかり。だからといって「糸井美幸」に魅力を感じれなかった。 -
色気を武器に、男を次々と手玉にとり のし上がっていく
「噂の女」糸井美幸。
器量は十人並みなれど、豊満な肉体と必殺の流し目で
狙った男はいとも簡単に手中に収めてしまいます。
まぁ・・・その結果男たちは
莫大な保険金を美幸に残し、
次々とお風呂場で謎の死を遂げてるんですけどね。。。(怖っ!)
最後まで読んで印象に残るのは
美幸の狡猾さよりも、
男たちのアホさ加減。
美幸のボン・キュッ・ボンのナイスバディでシナを作られるやいなや
男は揃いも揃って鼻の下を伸ばし、
『デヘヘヘ・・・』 となってしまうのです。
こいつら、馬鹿じゃなかろか・・・と、なんだか妙にむかつくのは
ワタシがとことん色気とナイスバディに縁遠いための嫉妬かと思われます(笑)
男性陣に評判の良い小説のようですよ♪ -
主人公の女性はしたたかな人。こんな人にはなりたくないし、なれないな。
-
女は強い。女には勝てない。
-
男好きのする一人の女性の噂話を、色んな形で展開。内容から言えば実にくだらない話!
それが結構ミステリアスな要素を含み、最後はついに・・・、と期待させるも作者の憎らしい結び方に奥田さんらしさを感じました。
正直に言えば内容そのものよりも思いっきり岐阜が舞台の小説は珍しく、岐阜弁丸出しで地元人ならではの笑えるネタがあるのが星の数を増やしてます。 -
魔性の女
-
奥田さんお得意(?)の地方の田舎が舞台。
奥田さん節で、魔性の女が描かれている。
短編集風なので、痛快な話もいくつかある。
最後、噂の女がどうなったのか気になる。 -
決してつまらないわけではないのに、空気がなんとなく今の気分と合わなくて読み進まず。
-
面白く読ませてもらいました。
-
一人の人の人生を関わった人の視点から描き進められる。
男性とお金トラブルが多々ある女性の生き方、周囲の気持ちが書かれている。短編集風になっていたのが、少し残念。 -
主人公である「噂の女」糸井美幸は輪郭しか描かれていない。連作短編でそれぞれの作品の中では主人公としては表現されず、それぞれの作品にはちゃんと主人公は存在している。しかしキーパーソンとしてこの糸井美幸は常に登場し、そして物語が動いていく。第1作から最後の第10作まで徐々にその真の姿があらわになっていく。なんと凝った作品か!
地方都市を舞台に第1,2作あたりではまだ糸井美幸は単なる派手な若い、そして男性を蠱惑する女性としか感じられないのだが、物語がすすむにつれ、読者に謎と疑問を与える存在となっていく。しかし筆致はあくまで軽快でユーモラスなタッチである。彼女を取り巻く男性たちの「おばか」加減にも笑える。
物語の終わり方もある意味、痛快。 -
著者と同郷である岐阜の訛りと街並みを思い出す懐かしい一冊でした。
-
噂の女は、最初から最後まで、その女を取り巻く人物からの視点から描かれる。構成は面白くって、これからどうなるのだろうと読み進めたのだが、なんだかしまるのない終わり方。作者は、何も考えずに、連載を始めて、何も考えないまま終えてしまったのだろうか? せめて単行本にする前に最終話だけでも体裁を整えればいいのに。