- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103022510
感想・レビュー・書評
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古道具店のフラココ屋の2階に住む主人公と、近所の人たちの日常。
期待せずに手にした本でしたが、思いの外好みでした。
世界観がとても好きでした。
実際に身近にいたらどうかなとは思いますが、物語の主人公としては好きなタイプ。
彼の名前や、何故そこで暮らしているのか、どこに帰るのかなど、主人公については何もわからないまま。
でも、彼のことはとても良くわかった気がしています。
周りの人たちもとても魅力的。いい出逢いでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こういう空気の本、好きだなぁ。
結局、主人公の名前もどこに帰ったのかもわからないけど、なんか、いいなーって思う。
フラココ屋、近くにあるといいのに。
みんなの仲間に入りたいなぁ。
一緒にぐだぐだしたい。 -
期待した以上の良さだった。あんなおっさんがこんなせんさいな(あ、ちょっとちゃうかも)話をかくなんて惚れるわ。
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すき。何度も読んでます。
人物のキャラクタがみんな個性的でありながら俗っぽくて愛すべき存在です。
いつもと違う時間・いつもと違う路地を歩くと、ステキな発見があるのだ。 -
何とも言えないふわっとした時間が流れるような印象に引き込まれた。
語り手のことはほとんど語られていないのだけど、何となく、自分が考えたことがあったり考えていたりすることと重なるようなことを言っていたりして、この語り手に一番感情移入して読んでいたような気がする。 -
人との距離感ではなく距離を書きたかった、というこの本についての著者の意見を他の著書の中でみました。
距離感と距離の違いは私には難しいけれど、そのようなものが伝わってきました。
初めて読んだのは数年前。その時、同僚の退職が相次ぎました。寂しいけれど、事前に相談されるほどの関係でも無いし、辞めないでと相手の環境を変えられるだけの力が自分にあるわけでも無いし、私も誰かにいう時は自分で決めた後に言うだろうなあ、ということが、「僕の顔」のラストを読んだときにスッと心に落ちてきました。
ゆるく束ねられた関係が巧みに描かれていると思いました。
瑞枝さんは余貴美子さんで、と書かれている方がいらっしゃいましたが、激しく賛同します!「ちゅらさん」での彼女のイメージが似ているのか、私も頭から離れませんでした。 -
深入りしないけど、必要としていて
向かう方向はバラバラだけど、まとまっている。
なんか好きだな~このゆるい人間関係が。 -
「ねたあとに」で改めて大好きになったけど、長嶋先生の漂わせている空気は淡々としていて人を寄せ付けなさそうだけど、それでいてちゃんと抱き寄せてくれるというような懐の深さが感じられます。
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久しぶりにびびっときました。
本当に面白い。 -
なんだろうこの得体の知れない心地よさは。
焦らずに答えをまってくれるような優しさがある。
きっと、自分ができることを必死に探してあがくことと同じくらい、なにもない日常をなんの意図もなくみつめるということが大切な気がする。意図なんてなくても、そこにあとから意味ができるのだとも思う。
なにが言いたいのか、自分でもよくわからないけど、
とにかく、今年読んだ本の中で、一番心にしみてくる作品だったということだ。
1年前ぐらいに買った本なのに、
今このときに読んだということが、すごく惜しいことのような気もするし、すごく幸せなことであったような気もする。
きっと1年前に読んでいたら、こんな感動しなかったんじゃないかとも思う。
やっぱり物事にはタイミングというものが重要なのだ。 -
古道具屋 とか 古本屋 とかが舞台の小説が好きだ。フラココ屋というなんとも商売っ気のない古道具屋の二階に居候する不思議な雰囲気の「僕」と、そこになんとなく集まってくる人々の連作短編集。「僕」がどうしてここに転がり込んできたのか、どういう生い立ちなのか 分かりそうで分からないまま話が進む。20年位前に流行った「モラトリアム青年」なんだな「僕」は。何かが動き出すための“貯め”の時間を古いものに囲まれて過ごしているんだね。『めいめいが勝手に、めいめいの勝手を生きている』そう、勝手に生きているんだけど、少しずつ重なって動きあってそしてそれぞれがそれぞれの1歩を踏み出す。あぁ いいな。長島さん。好きだよ。この水色っぽさ。
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いつもの日常がたんたんと流れていく。時には、妊娠騒動もあったりするけれど、大げさにならずに、なるようになるところへおさまっていく。ふらりと来た主人公はまたふらりと家をでていく。主人公には帰る場所があるのだ。旅は戻る所があるからできるのだと知る。
『その時不意に、自分が旅をしていると思った。昨日から旅をしていたのだが、そうではなくて、もっと前、フラココ屋の二階に転がり込んだときから、旅というものがずっとずっと途切れずに続いているように思って、一瞬立ち止まった。』 -
夕子ちゃんと朝子ちゃんがかわいい。愛おしい話。