マイクロバス

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 58
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103090717

感想・レビュー・書評

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  • 星が2なのは、内容評価でなく、私自身がこの話をきちんと理解できたと思えないため。

    非常に難解な物語だった。
    現実と夢想が行き来し、語られる言葉はこれという意味を成していないようで、実は物凄く重要なことを表現しているような、そんな掴みどころのない小説だった。
    考えよう、追おうとしても簡単にはそうさせてくれない。
    特に表題作では、細やかな表現が主人公の心情を逐一描写しているのだということに気を配っていないと、見事に置いて行かれる。
    しかし、それがきっと口のきけない信男という青年をよく表しているのだろうと思う。たぶん……。

    こういったタイプの小説を読んだことがなかったので、面食らってしまった。
    しかし信男の体験した幼い頃のヨシノ婆との触れあいや、彼の感じた親をも含む周囲の人間とのズレ、そしてそんな彼を取り巻く”集落”という閉じた世界の様子は、ぼんやりだけれど確実に私の中で大きくなったり、揺れたりしている。

    また何年か経ってから読もうかな、と思うそんな小説だった。

  • 障害のある主人公の視点からの風景が地味に凄い。マイクロバスにのってどこに連れてかれるのかと不安になるような。
    (200809)

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著者プロフィール

1970年大分生まれ。東京大学大学院単位取得退学。パリ第8大学文学博士、現在、明治学院大学文学部フランス文学科専任講師(現代フランス語圏文学)
著書に『水に埋もれる墓』(朝日新聞社、2001年、第12回朝日新文学賞)
『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日新聞社、2002年、第15回三島由紀夫賞)

「2007年 『多様なるものの詩学序説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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