逡巡

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 158
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103319214

作品紹介・あらすじ

「実は私、あの時あなたに助けられた…」思いもよらぬ囁き。ということは、一連の行動は恩返しだったわけか/『バカ』。私の半生はこの一語に出会うまでの長い前振りだったのか/干上がる涙、空まわりする思い、神のご褒美、そして雪国の奇蹟…。自由律俳句、108文字の煩脳小説等で文藝の地平を広げる鬼才が紡ぐ日常と非日常、今昔と北の大地の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 動物が笑わない、というのはきっと、
    面白い事が無くても、つまらなくないから。だと思う。

    人だけが笑う、と言われているのはきっと、
    面白い事が無ければ、つまらないのだ。
    と、悟ってしまったからだ、と思う。

    何も無いところから
    (面白み)を発見するせきしろさんはすごいっ!

    これも、人の成せる偉業のひとつだと思った。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ごく自然ないつもの風景の中に」
      芸人さんって観察眼が鋭く、それを上手く活用(誇張して笑いに結び付ける)されていますが、日常の中に埋没してし...
      「ごく自然ないつもの風景の中に」
      芸人さんって観察眼が鋭く、それを上手く活用(誇張して笑いに結び付ける)されていますが、日常の中に埋没してしまいそうなコトに、意味を見出せるって良いですね。
      2012/07/03
    • MOTOさん
      nyancomaruさんへ

      「野球チームを作りたいのだが、あと8人足りない」には笑っちゃいました。

      結局ひとり…を絶望から笑いにかえちゃ...
      nyancomaruさんへ

      「野球チームを作りたいのだが、あと8人足りない」には笑っちゃいました。

      結局ひとり…を絶望から笑いにかえちゃった。
      スゴイな~と思います!
      2012/07/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「絶望から笑いにかえちゃった。」
      自らを笑える者が一番強いって言うのは、まさにコレなんですね!
      「絶望から笑いにかえちゃった。」
      自らを笑える者が一番強いって言うのは、まさにコレなんですね!
      2012/07/05
  • 郷愁と諧謔、思いもよらない儘ならない人生の落とし穴。。。ブラックなオチにすらユーモアを感じる破天荒な面白さ。『逡巡』躊躇うことなかれ。せきしろ氏の面白さは淀みない。

  • もちろんすべてからユニークさを感じることができるのだけど、感傷的になるポイントも多くあって、そこにせきしろさんのすごさを感じた。短編の内容どころか、タイトルだけで胸を締め付けることすらできる才能。せきしろさんすごい。

  • 期待していた面白さと少し違った。

  • だらだらとした日常や考えが言語化され、どこか親しみを感じる独特な世界。脱力していながら自意識が過剰に鋭い文章たちが散りばめられています。
    面白いのだけどインパクトに欠けるためか飽きてきてしまった。妄想が行き過ぎているのか、置いてけぼりにあうような感じ。共書で書かれている本のほうが面白いような・・・。機会があったらまた他の著書も読もうとは思います。

  • そういやせきしろさん元気かなと調べたらとぅいったーが賑やかで安心した。

  • ユーモアの源泉は歓びにあるのではなく悲しみにある。天国にはユーモアはない〜マーク・トゥエイン〜
    「カキフライが無いなら来なかった」で斬れ味鋭い自由律俳句を披露してくれたせきしろ氏に興味が湧き新たな作品を読んでみた。
    これがなかなかそういうわけで玉石混淆下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる的な創作のオンパレード、狙いは何処だ?何が言いたい?ひょっとしてシュールのつもりか?根底にはレトロに神田川流れてんじゃん!などなどと言いつつも68%くらいは笑わせてもらった。
    しかしそこまでしてもらって言うのも申し訳ないのだが私には鶴など助けた覚えはない

  • 同郷の、同じ高校出身の方、ということで、1年越し?で「出会った」のは、大阪の市民図書館だった。
    心に響いた、というか、子供の頃を思い出させてくれたのは、「グラウンドを通る」と「通学路」だ。
    たぶん、同じ床屋に行っているな。

  • 「去年ルノアールで」が面白かったので今作も読んでみました…いやぁ、ひっじょおに良い出来でしたね! 大きな感動とかはないんですけれども、なんでしょう、読み終わった後、ちょっぴしセンチメンタルになるところとか…かなり気に入りましたね!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    短い短編みたいなのが多々入っています。今回は笑いの要素は少なめなんですけれども、個々の短編にやっぱし「ルノアール」を書いた著者ならではでしょうか、オチをつけたがっているような…そんな終わり方をしてみせますね♪

    ヽ(・ω・)/ズコー

    こうなったらせきしろ氏の著書全部読んでしまおうか! そんなことを思わせてくれた著書でした…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • ☆☆☆☆☆「グラウンドを通る」「万引き」「走馬灯」

  • 淡く景色がうつろう郷愁あふれる物語かと思いきや突然予想だにしないオチだったり。世界は自分の意思とは関係なく動いていく。

    妄想道みたいな小説も良かったが、こうしたショートショートの方がいかんなく才能が発揮されている。 素晴らしい。

  • 星新一のショートショート集なのか。読み始めて直ぐに感じたのはそんなことだった。しかし、その諧謔があまりに唐突なものであることがもう少し読み進めると見えてくる。唐突過ぎて読むものを置き去りにしてしまうような。

    逡巡は書き手の内に濃密に練られている。そしてそれは嫌悪感を伴いそうになる一瞬手前でさらりと打ち捨てられる。自己を嫌悪することなく、開き直りのように肯定することで、空腹は辛うじて耐えられるものとなる。諄々と吐露される思いは殺風景な四畳半の部屋の中でどこまでも深みを増してはいくが、しかし、その埃臭い深い穴の淵を覗き込もうという気には中々なることができない。

    どこかしら、ネットカフェに巣食うものが持て余した時間と思いをキーボードに向かってぶつけて出来上がった文章のようにも見える。そのことが悪いという訳ではないけれど、ここからどこへその思いは出ていくのか、それは見えてこない。はっきりとしない思いが、違和感としていつまでの拭い去れずに残る。ばっさりと切り捨ててしまえばよいのかとも思ってみるが、それはそれで間違っているようにも思える。逡巡は書き手の側にあった筈のものであったのに、いつの間にか読むものの胸に巣食ってしまっている。

  • 狙って書いているのだろうが文体にとても品がある.
    お笑いで落としていない、まじめに書いた文章を読んでみたい.

  • 「留学」という作品のなんとも言えないあのオチが、大変好きである。

  • せきしろ文学に、はまりました!
    「くだらない」と「まじめ」のバランス感覚が素晴らしい。
    こんな風に文章が書けたらきっと楽しいだろうなぁと思わせる短編集。

    「時限爆弾処理班」「神について」「過保護」「線」「押収」が好き。

    読書好きの友達に薦めたい本!!

  • 脱力感。

  • コントでありそうなのもいくつか。短いけど世界があって、毎月読む雑誌に載ってたらちょうどよく楽しめそう。押収、神について、罰金、留学、恩返し、放火がすきかな。

  • 144ページから

  • 超短編集。
    短編なんだけど物語とエッセイの間みたいな作品集。

    又吉くんとの共著を読んだので免疫?があって独特の作風も楽しめたけど、かなり好き嫌いが別れると思う。

  •  40編ものショートショートを収めた短編集。涙腺ゆるむいい話が最後の1行で一気にアホ小説へと叩き落としたり、その逆であったり、ホラー化したりと、その「オチ」の素晴らしさは感動的であります。
     それを支えているのは、最後の1行まで引っ張る前振りの筆力。いやぁ、面白かったです。

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著者プロフィール

作家、俳人。1970年、北海道生まれ。A型。北海道北見北斗高校卒。主な著書に『去年ルノアールで』『海辺の週刊大衆』『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』『たとえる技術』『その落とし物は誰かの形見かもしれない』など。また、又吉直樹との共著に『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』などがある。

「2022年 『放哉の本を読まずに孤独』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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