わたし、定時で帰ります。 ハイパー

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103516422

感想・レビュー・書評

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  • 以前働いていた会社の上司が押田みたいな人だったなあと思い出し、身につまされる思いがした。威圧感を武器した人にはどうしても萎縮しますね。戦って倒すのではなく、いろいろな問題がうまく解決に導けてスッキリした(夏海公司『なれる!SE』にもちょっと通じるものが)。良い小説に出会えた。今回、一番ヒットしたキャラは甘露寺(笑)。こういう人はほんとどこに行っても強い。次回作(があったらぜひ読みたい)八神がキーマンになるのか? 読了後ググると「24時間戦えますか」はもともと「24時間働けという意味ではなかった」という情報もあり、言葉が独り歩きしてしまった例なのかもしれないと思った。

  • ゆいや後輩来栖の逃げてもいいという姿勢これからの時代大切だと思う。逃げるかは別として、そういう気持ちがないとぽきっと折れてしまう。でもコウタロウの逃げない!という気持ちもとてもよくわかる。両者の苦しさにとても共感した。個人的には、パワハラ会社がいろいろと攻めてくるが、人は攻めてくるところは実は自分がコンプレックスに思っていて攻められたくないところ!というのにハッとさせられた。

  • 前作よりもパワーアップしてる感じがあって良かったです。
    2作目ってだいたいパワーダウンするのが普通なんだけど、新鮮に読めました。

    行き当たりばったりで考えるのってよくありますよね。
    重要な案件にも関わらず。
    あるあるネタで面白かったです。

  • ドラマ原作の続編。
    ドラマに登場しない展開が原作にある。
    それにしてもこんなキテレツな新人はドラマでは出てこなかったはずだし、中国も絡まなかった。これはこれで
    それにドラマでは主人公はこんなに派手に倒れなかったはずだ。
    残業だけでなく、ハラスメントも絡んで原作の方がアクが強い。

  • 職業✖️歴史物小説第二弾。
    毎日定時で帰るがモットーの東山結衣と超体育会系残業仕事こなしまくりの種田晃太郎。
    自分たちの働き方を守るという軸は変えずに、今作では管理職となった結衣の奮闘が描かれている。
    超体育会系の会社フォースから契約をとるためにとにかくもがく。 主人公の東山結衣が強すぎず、ヘッドハンティングに揺らぎそうになったり、男性からのハラスメントがトラウマになったりと人間らしくもがいているのがいい。 管理職として悩んでいるのもいい。 きっと管理職には管理職としての悩みがあるのだ。それでも新人と真正面から向き合っているのは素敵。全員の働き方を守ろうとしている姿はよかった。

    ただ、働き方を守るのに働きすぎ感。いくらなんでもフォースや種田の働き方はブラックすぎやしないか?今どきこんな会社はあるのか?感。 終盤の詰め込み&大団円感は否めなかったため星マイナス1。

  • サラサラ読めるし、面白い割合が多いです。
    また幸せになりそうで良かった。
    続きも楽しみです。

  • 絶対に残業しない東山結衣。
    しかし管理職になり、新人教育をまかされる。
    クセの強すぎる新人たちにあまりリアリティは感じられないが(特に甘露寺)、一見女を売りにしているように見える桜宮の、必死の戦いに胸が熱く…というよりも胸が苦しくなってしまった。
    一人で戦わざるを得なかった桜宮の孤独と苦しみ。

    ”なぜ勇気を持って戦った側ばかりが大きな傷を負わなければならないのだろう。”

    時代錯誤のセクハラパワハラ親父が君臨するスポーツメーカーでのやりとり。
    頭を押さえつけられるように支配され、反論すれば左遷され、物言わぬ集団に成り下がる会社という組織。
    身を守る術といえば、決して目立たず、矢面に立たず、何も考えずに上司の言うがままに動くこと。
    それは身を守っていることになるのかしら。

    そんな会社の役員からみたら、定時に帰ることを前提に仕事をする結衣などは唾棄すべき存在。
    大勢の前で辱められ、脅される恐怖を結衣は味わう。
    だけど新人たちを守らなければ。
    でもどうやって?

    結衣が頑なに定時に帰ることにこだわるのには、会社人間で、たまに帰ってきても機嫌が悪く、家族に八つ当たりをする父親の影があったんだな。
    そういうモーレツ社員が良いとされていた時代が確かにあったのだろう。
    だけど今はそんな時代ではない。
    精神論を振りかざして高度経済社会を築いたのは昔の話。
    中国の経済を回している若い世代の働き方なども紹介しつつ、テンポよく話が進むので、一気に読み終えてしまった。

    私は元婚約者の晃太郎でも、前婚約者の巧でもなく、ツンデレの栗栖くんがいいなあ。
    押しつけがましくなくて、料理が上手で、ツンで、デレ…かな?で、真っ正直で。
    もう出ないのかなあ。

  • 「定時で帰る」物語というより、企業における「パワハラ」や「セクハラ」などのハラスメントに対抗する内容になっています。あたかも「定時」がハラスメントの元凶であるかのようです。

    本来、”定時で帰る”ことは、結果であって、目的ではないハズだと思う。それを”目的”にすることで、歪みがでて無理が通る(無理を通す?)ような気にさせられます。そして、目的が目標になり、会社のイメージになり、広告塔としての役割があてがわれる。これが求める姿でしょうか? 考えさせられます。

    セクハラ・パワハラも酷いものです。極端なパターンかもしれないけど、実際はどうなんでしょう、気になります。
    社員をコンパニオンや接待係に使う。社員じゃなくても使った時点でアウトではないの。仕事をとることはそういうことなのですか。

    きっと、一人ひとりが、過去の成功体験に捕われ過ぎている、ようです。スポ根(精神論・根性論至上主義)、滅私奉公、愛社精神、裁量労働制など。ただ、平成・令和と日本の成功は過去のものになってしまったことを自覚すべき、かな。売るべきもの・誇るべきものを考え直す時期かもしれない。忘れよう、過去は。売るのは”時間”ではない、かな。そんなことを考えてしまいました。

    人事制度について:①特殊技能があるなら新人でも高額年収、時短勤務。②新人にモーニングコール。 令和の今、人材を確保するためにこんなことになっているのでしょうか。私の周りでは聞いたことがないけど、なんか、変な世の中です。考えてしまいます。

  • 2作目のテーマはパワハラ、セクハラ。さすがにここまで酷いのは目の当たりにしたことないから「あるある」とはならないけど、結衣と一緒に腹を立てながら読んだ。1作目と違って解決方法の後味も悪くなく、多少のモヤつきはありつつも幸せそうな結末でよかった。
    嫌々だとしても役職がついたなりに責任を果たそうとする結衣は偉いな。そして来栖くんの成長は目を見張るものがある。新入社員たちもなかなか面白い。これだけ層が厚くなってるのに今さら諏訪巧を絡める必要はないんじゃ?と思った。
    晃太郎はあいかわらず有能で、でも色んな意味で想像以上にやばい人だった。なんとか変われるといいけれど。
    福永のことをいまだ引きずっていたり、解決したらそこで終わり、とならないところに作者の誠意を感じる。

  • 前作1巻は対社内だったのに大して
    今作は対社外の体育会系男性優位のブラック企業。

    前作もそうだが、面白いけど読んでいると
    社会の男尊女卑や女性の生きづらさを感じて
    苦しくもなった。
    男女共にそうなんだろうが、みんな大変な想いをしながら働き生きてるんだよなーと改めて思う。

    でもその中で、主人公は逞しく一生懸命に
    働いていて応援したくなるキャラクター。
    東山結衣には働く女性のお手本になり
    幸せになってもらいたい‼︎

    3巻目も楽しみ‼︎

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著者プロフィール

東京都中野区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2009年、『マタタビ潔子の猫魂』(「ゴボウ潔子の猫魂」を改題)でメディアファクトリーが主催する第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し、作家デビュー。13年、『駅物語』が大ヒットに。15年、『海に降る』が連続ドラマ化された。現代の働く女性、子育て中の女性たちの支持をうける。主な作品に『賢者の石、売ります』『超聴覚者 七川小春 真実への潜入』『真壁家の相続』『わたし、定時で帰ります。』など。

「2022年 『くらやみガールズトーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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