ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534051

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な世界で、ワクワクがハンパなかったなあ。とはいえ読み手の力不足で中だるみ感が多少。読後は不思議な気分がしばらく続いた。

  • (2013年5月31日読了)
    シリーズ三部作の最終作。とっても読み応えがあった。
    主人公、岡田亨の“奇妙”な人生。時代を超え“奇妙”な繋がりをもつ人達から彼を含めての年代記。
    第1部、2部に比べ、窮地に至った人間の生々しい性が苦しい位に書かれていた。
    無機質な感じだった岡田亨も、クミコへの愛情や、メイやシナモンとの関わり、綿谷ノボルへの憎しみなど、前作から想像できない位にとても人間的だった。
    綿谷ノボルの不思議な力とは?肉体的ではなく汚すとは?
    岡田亨の方がずっと不思議な力を持っているように思う。それはあざや井戸のせいではなく、知らず知らずのうちに、周りの人たちを救っているということ。自分の事は救えないのに。(最後には命をシナモンに、心をメイに救われている)
    ねじまき鳥は世界のねじを巻いたのか。泥棒かささぎ、予言する鳥、鳥刺し男とは。なぜこのタイトルなのか。村上さんの感性は私には不思議。でもこういう世界は嫌いじゃない。

  • 「僕」は少しずつ核心に近づいていく。
    奪われたものを取り返すため、ねじまき鳥に導かれた謎の迷宮への旅に、ついに終結の時。
    「ねじまき鳥クロニクル」第三部!

    ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/NP09527270

  • 並行で読んでいる1Q84にも牛河が、出てきて少し混乱しました。

  • よくわからなかった

  • 出て行った妻を取り戻そうとする話。
    ありきたりな設定にも関わらず、想像もつかない展開。
    ノモンハンでのエピソード、ディテールの細かさには村上春樹の知識の広さを感じる。
    村上春樹の作品は一貫して、自分を取り戻すっていうイメージ。
    編集するこのレビューを掲載する

  • 井戸

  • 終わってしもうた(つД`)ノ
    やっぱりハードカバーはよかね(=゚ω゚)ノ

    クロニクルって年代記なんやね

    シナモンとナツメグ親子良かった
    特にシナモンは、海辺のカフカの
    大島さんのような感じがして
    小綺麗な感じが良い

    牛河がいたのも良かった
    1Q84でもいたな〜
    村上さんお気に入りキャラやろか

  • 回転ドアーの入るタイミングによって時空が分かれるというような事が書かれていたけれども、最後同じ時空に戻れてホッ。 戦時に置ける恐怖心の埋め込み方、クミコ兄はどのようにクミコをコントロールしたかは解からないが、ノモハン事件、シベリヤ抑留時代の話によって、己の意思や判断ができない状況が生まれていく恐ろしさを感じ、クミコを想像する。
     モーツワルトの「魔笛」が昼と夜の国の間でお姫様を争う話と描かれあているが、太陽と月、光と影といった二極にこの小説が収まらないところが、春樹らしい。 鳥のように世界を行き来する僕。肝心かなめの時に現れる助け手、ナツメグ、シナモン私の側にもいて欲しい。

  • 今読書中ですが、内容について、ある程度まとめときたいので、書きます。
    完結編となる第3部は、様々な断片的なエピソードから始まっています。
    少年の目撃した、木の根元に穴を掘って何かを埋める男の話、笠原メイの手紙、週刊誌の「首つり屋敷」の記事、そして新たな登場人物「赤坂ナツメグとシナモン」、醜い中年男牛河との物語・・・
    最終章に入ってさらに物語は細分化したうえに登場人物が新たに加わって複雑化していきます。
    これらがどうやって収束していくのか、妻を「僕」は取り戻せるのか、綿谷ノボルとの対決はどうなるのか、とても楽しみです。


    今読了しました。

    最終章は非常に複雑な物語でした。

    まず、色々な断片を整理しなくてはなりません。

    ①少年の話
     これは赤坂シナモンがなぜしゃべることができなくなったのかという話。

    ②赤坂ナツメグの戦争の話

    ③牛河とのやりとり、綿谷ノボルとの対決

    ④笠原メイの手紙

    ⑤間宮中尉の手紙

    ⑥週刊誌の記事

    これらを結びつけるのが「ねじまき鳥」。
    この鳥の鳴き声がどこからか響き渡るとき、奇妙な物語が起こるのです。

    「僕」は愛する人を取り戻すため、戦います。これは今までの村上作品にないものであると思います。

     村上さんは河合隼雄さんとの対談で、この作品について、自分でもどう評価すればよいのか分からない、自分がなぜこんな物語を書いたのかわからないといった趣旨のことを話されていました。

    小説を書くという行為(他の芸術もそうかもしれませんが)はおそらくそういうものではないでしょうか。つまり、自分の深層にあるものを表現するということは、論理では説明できないものを表現することであり、自分自身のいわば魂ともいうべきものを表現するという事ではないかと思います。

    この詳細については、甲野善紀、茂木健一郎の対談集「響きあう脳と身体」であらためてまとめたいと思います。

    読了後の感想「やれやれ、こんな複雑な物語とは・・・もう一度読み直すしかなさそうだ」

    ねじまき鳥の年代記はまだまだ僕を楽しませてくれそうです。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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