都会の鳥の生態学-カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書 2759)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121027597

作品紹介・あらすじ

都市を舞台に繰り広げられるカラスと猛禽類(オオタカやハヤブサ)のバトル、人と共存してきたスズメやツバメの栄枯盛衰、都市進出の著しいイソヒヨドリ――本書は、これら都会に生きる鳥たちの生態を通して、都市とは何か、都会人とは何か、変化する鳥と人との関係などを紹介する。都市環境に適応して生きる鳥たちのしたたかな生態を解説するとともに、巨大都市東京の変貌をひもとく、都市の自然誌でもある。

感想・レビュー・書評

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  • まなざし変える愛情のこもった記録「都会の鳥の生態学」 杉田俊介が選ぶ新書2点 |好書好日
    https://book.asahi.com/article/14959306

    ◆「お目こぼし」が命育む[評]杉本真維子(詩人)
    <書評>『都会の鳥の生態学』唐沢孝一 著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/266380?rct=shohyo

    唐沢孝一のページ
    http://www.zkk.ne.jp/~karasawa/u-bird.html

    都会の鳥の生態学 -唐沢孝一 著|新書|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/shinsho/2023/06/102759.html

    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    自宅から最寄り駅までにあったツバメの巣に、今年は還って来なかった。
    スズメも減っている気がする、、、悲しいね。。。

  • 街中で子育てを終えたツバメは、秋に南国に戻るまでの間、どこにいるのか、というと、本書によれば、川中州のヨシ原など、とのこと。ネコやイタチやヘビが近づきにくくてよいらしい。

  • 都市部に住むバードウオッチング愛好者にとって、珍鳥出現情報を追いかけるだけが野鳥観察の面白さではないことを教えてくれる&思い出させてくれる好著。都市鳥たちの栄枯盛衰状況や生態に関する知識を補って観察すると、これまた非常に興味深いものがありますよね。

  • 第1章 人と鳥のソーシャルディスタンス/第2章 ツバメの「栄枯盛衰」/第3章 人類に随伴するスズメ/第4章 水鳥たちの楽園、「都市の水域」/第5章 都市生態系の頂点「カラス」/第6章 カラスと猛禽

  • <目次>
    第1章  人と鳥のソーシャルディスタンス
    第2章  ツバメの「栄枯盛衰」
    第3章  人類に随伴するスズメ
    第4章  水鳥たちの楽園、「都市の水域」
    第5章  都市生態系の頂点「カラス」
    第6章  カラスと猛禽

    <内容>
    もう傘寿になられた唐沢先生の本。都会にいる鳥について、2000年代後半あたりからのデータを基に詳述されている。そして意外な話が多々載っている。ツバメやスズメの様子。最近はカワセミはもちろん、猛禽類(オオタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、フクロウ類)も都市の庭園や高層ビルに営巣していること。これは見てみたい。カラスが減っていることも驚きだ。でもその分、自分の住んでいるあたりに移住しているのかもしれない。

  • 高層ビルで子育てするハヤブサ、都心の川で繁殖するカワセミ…人が作った環境である都市に適応して生きる鳥たちのしたたかな生態

  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD02622787

  • 郡司ペギオ幸夫さんの本で苦しんだ(笑)ので、鳥つながりの本書で少し気分を変えてみた。
    (噂によれば郡司さんはペンギン好きが高じて、息子さんに「ペギオ」と命名しようとしたというが反対され、ご自身のペンネームにしたというのは本当だろうか?)

    タイトルのごとく、本書は都市(主として東京、千葉周辺)の鳥を取り上げる。
    そのため、さして鳥類ファンでもない(というか鶏は怖いと思う程度の)自分にもおなじみの面々が次々に登場する。
    ツバメ、カラス、スズメは章立てして、しっかり論じられる。
    カワウ、カイツブリ、コアジサシ、コブハクチョウ、カモメらの水鳥も、ハヤブサ、チョウゲンボウ、オオタカ、ツミ、フクロウの猛禽類も登場する。

    著者は長年都市鳥の観察を続け、都市鳥研究会の代表も務める方だけに、データもネットワークも幅広い。
    そうした豊富な事例を通して、経年変化も描き出される。
    人間の生活の変化に合わせて、鳥たちも大きく暮らし方を変えている様子が見て取れるのが興味深かった。

    バブル経済崩壊後しばらくまでは、とにかく東京にカラス(ハシブトガラス)が増えていた。
    それは彼らの餌となる生ごみが多く、しかもあまりうまく処理されずに廃棄されていたため、繁殖が進んだからだったそうだ。
    それが、経済の変化で餌が減ったこと、ごみが荒せないように捨てられるようになったこと、そしてカラス駆除の成果で、東京のハシブトカラスが激減する。
    それと入れ替わりに、里山に住むとされるハシボソガラスが都心近くに進出してきたり、カラスを餌とする猛禽類が都心に住むようになったり。
    わずか数十年でそんなにも変わるのだと驚いた。

    渡りの時期、巣の位置や、出入りする時間、親鳥の給餌方法などが紹介されていく。
    これだけの観察を続けていくのは、本当にすごいことだと思う。
    しかし、筆者は、観察中に近所の人に怪しまれた、という笑い話も加え、全体のトーンとして、鳥が大好きな先生の楽しい話を聞いているかのような雰囲気がある。

    2023年の読書納めとして、なかなかよかった。

  • 都会に暮らす鳥たちの生態についての長年の研究の成果がまとめられている。私は、さすがに猛禽類と会うことはないけれども、ツバメやスズメ、カラスなどはよく目にするなじみのある鳥だ。しかしその生態については意外に知らないことが多い、そう実感させられる本であった。特にツバメは、思い返してみれば巣で雛に餌を与えるあの場面しか目にしたことがなく、何も知らないも同然、巣立ちの後の渡りに向けた行動や、営巣のあれこれ、渡りの時期が早くなってきていることなど、興味深い話が多く書かれていた。さてこれから人と鳥の関わり合いはどのように変化していくのであろうか。ああ、故郷の空にはトビが当たり前のように旋回していたなぁ。

  • はー、こりゃ面白いわ。知らなかっことばかり。みんなも読みなさい。

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著者プロフィール

唐沢孝一
NPO法人自然観察大学学長。1943年群馬県生。1966年、東京教育大学理学部卒業。都立高校の生物教師のかたわら都市鳥研究会代表、日本鳥学会評議員・幹事等を歴任。現在、NPO法人自然観察大学学長。野鳥をはじめ昆虫や植物の生態を研究するほか、自然観察会を主宰し講師をつとめる。都市鳥関係の著書に『カラスはどれほど賢いか』(中公新書、1988)、『スズメのお宿は街のなか』(中公新書、1989)、『カラー版 身近な鳥のすごい食生活』(イースト新書Q、2020)、自然観察の著書として、『カラー版 目からウロコの自然観察』(中公新書、2018)、『唐沢流 自然観察の愉しみ方』(地人書館、2014)。東京の自然誌に関する著書として、『江戸東京の自然を歩く』(中央公論新社、1999)、『よみがえった黒こげのイチョウ』(大日本図書)などがある。

「2023年 『都会の鳥の生態学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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