- Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122043053
感想・レビュー・書評
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再読。奥底まで沈みこむほどに深い読書だった。時間つぶしのカフェで読み終えて、全然戻ってこれなくて暫くボーッとして約束の時間を遅れてしまったほど。どうしようもなく絶望なのになぜだろう、生きる力がわいてくる。何度も読み返したい。
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セリーヌの半自伝的小説なのだという。
この世の全てを毒づき、あらゆる人間に唾を吐きかけるような文体で書かれてあるのだけれど、読み終わって感じるのはこれは作家の照れ隠しであって実際、貧しい家で生まれながら兵役を経て医学を志し作家となった彼の書くものに、醜い人間どもをそれでも慈しむ視点が見え隠れしているような気がしてならない。文体に目くらまされるが、ひょっとすると出発点は山本周五郎となんら変わるところがないのかもしれない。 -
セリーヌの自伝的小説。
上巻の殆どは戦争に振り回され、立ち向かい狂い行く描写。上下巻通して私は序盤が一番しんどかった。
軽快な文体で世の中への悪罵と呪詛が延々と続いて行く小説なんだけど、主人公と出会う人々はほぼ例外なく「夜の果て」へ辿り着く。主人公は作中では辿り着かない。
夜は果てしない。夜の果てが死であるものもそうでないものも、辿り着いたシーンを読むとすっとする。
セリーヌが描く「夜の果て」に比べると堕落のなんとぬるいことかと。 -
あってほしかったのに、
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旅をせずに滞留しはじめたのでp.90で頓挫。
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感想は上巻に。
『夜の果てへの旅』から連想する作家についてちょっとメモ。
セリーヌというと村上龍さんというイメージが昔からあって、今回読めたことで「ああなるほど」と思うところがあった。これを読んでいる間に、絲山秋子さんのインタビュー記事を読み直していたところ、絲山さんはセリーヌが好きで、全集を少しずつ買っているとのこと。あとこれもたまたま目にしたのだけど小川洋子さんが本屋大賞の賞金で本を買う、みたいな企画があって、買った中にこれが入っていた。それぞれどんな風によんだのだろう、というのを想像するのも楽しい。-
いしいしんじが、セリーヌ作品の推薦文を書いてる。
国書刊行会40周年サイト
http://kokusho40th.info/index.ht...いしいしんじが、セリーヌ作品の推薦文を書いてる。
国書刊行会40周年サイト
http://kokusho40th.info/index.html2012/07/13 -
おお、情報ありがとうございます!
早速チェックしましたが推薦者が充実してますね~
いしいしんじさんは『ぶらんこ乗り』しか読んだことないの...おお、情報ありがとうございます!
早速チェックしましたが推薦者が充実してますね~
いしいしんじさんは『ぶらんこ乗り』しか読んだことないのですが、セリーヌとはなかなか意外なセレクト…
そして『今日の早川さん』が気になる…2012/07/14
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長かった…。本作が発表された当時の衝撃をそのまま翻訳するために作られた文章はかなり複雑で、はっきりいって読みにくい。それに適応できるかどうかが本作に対する評価の分水嶺になると思う。私は上下巻併せて読むのに1ヶ月以上かかってしまった。
個人的に好きなシーンは、下巻のロバンソンが失明するシーン。
それと、解説でも取り上げられているが、フェルディナンがニューヨークの駅でモリーに旅立ちの別れを告げるシーン。 -
物語は続く。
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これだけ希望の無い話、かつ原文フランス語だというのに飽きずに読ませるのは凄い。 -
戦場という名の地獄から通り一遍の日常へ帰ってきたけれど、気づけばそれもまた地獄だったのだ。
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俯瞰して読まないと病みそう。
翻訳を更新するとどうなるか楽しみ。