- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122053397
感想・レビュー・書評
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詩を読んでいるような、
切り取った音のない風景を見ているような、
そんな不思議な、ちょっと非日常な感じの短編集だった。
どれも同じ温度でいい感じのお話だったけど、
雨の匂いのする「雨を聴いた家」と
自由の匂いがする「水晶万年筆」は特に好きな感じ。 -
黒砂糖が一番すき。
やはり吉田さんの言葉のチョイスがいい。
チリチリと心に残る。
街を歩きたくなる一冊。 -
本日読了。
短編集のような連作のような。
十字路の街が主人公。
「胸が高鳴る」ような熱狂とは無縁だけれど、
「低鳴る」「中鳴る」ドキドキが各編に積み重なっている。 -
短篇集。
どれも捨てがたいが、どれか選ぶなら表題作にもなっている『水晶萬年筆』かなぁ。『雨を聴いた家』と『アシャとピストル』も捨てがたい……。
『ティファニーまで』のコミカルなテイストも良かった。 -
水・音・銀・流れ・影・濁音・遊び
感覚・夜・月・森・音・カタカナ
紙と文字と印刷の風景。 -
静謐な文章。
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「十字路のあるところ」改題・文庫化作品。
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とてもすてきなお話たちだった。
冒頭一行目から、心をもっていかれる。
言葉のセンスや、作品に相応しいアイテム、固有名詞の使い方が絶妙で、お話の世界観に必要なぴったりなものを、吉田さんは熟知してるなあと、改めて思った。
どこかにありそうで、どこにも見つからない、吉田さんの描くそういう世界のお話たちがだいすきです。 -
作者はクラフト・エヴィング商會の人なんですね。「クラフト・エヴィング」は人物を知らずに足穂の文章中からとった名前だそうですが、なるほど、足穂好きなんだろうなとよくわかる短編集でした。個人的に好きだったのは、勝手な造語を作る先生と助手の「ティファニーまで」。引退した怪盗ルパンを師匠と仰ぐ弟子の話や、真夜中にファンファーレを鳴らし種を蒔く、これまた師匠と弟子の話なども面白かったです。
※収録
雨を聴いた家/水晶萬年筆/ティファニーまで/黒砂糖/アシャとピストル/ルパンの片眼鏡