はだかの太陽 (ハヤカワ文庫 SF 558)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150105587

感想・レビュー・書評

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  • のちにファウンデーションシリーズにも登場する、すべてがロボットによって管理されている惑星ソラリアを舞台に地球人の刑事ベイリが事件を追う。


    ソラリアでは徹底した人口管理の元、各個人が自分の領地で多くのロボットを使役して優雅に暮らす。他人との接触は映像通信のみで、直接相手を見ることはひどく社会常識に反した、恥ずべきものとされている。言うなればコミュ障の楽園。


    貴族的無関心さでもって刑事ベイリをあしらうソラリア人社会学者のせりふ。


    ◯どうか、お許しを願いたいのだが、ミスタ・ベイリ、現実に人間がそばに近づいてくるとですな、わたしは無性になにかねばねばしたものが、自分に触れようとしているような気がして仕方がない。そこでこう、必死にうち払おうとし続けるわけですりこれがなにより不愉快ですな。

  • 『鋼鉄都市』引きこまれ、続編に進もうとしたら絶版…読むのを諦めかけていたところ、偶然にも図書館で発見!そのときの喜びようといったら、今にも館内でスキップを始めそうな勢いだった。

    …と余計な話はここまでにして、やはりイライジャとダニールのコンビは最高だ!今回ダニールの出番は少なめ(イライジャがそう仕組んだため)だが、登場するときにはしっかり行動を起こしてくれる。素晴らしい過保護振り。

    「ロボット三原則」という一見完璧な原則を作り、その穴を自ら突いていくアシモフの手腕には毎回驚かされる。キャンベルと共に三原則を考案したときから、これらの抜け穴があることを見抜いていたのだろうか?

  • ロボットであるダニールに対して抱くベイリの細々した苛立ちは健在だが、こう言ってやったらどういう反応をするだろう、と言うような、まるで人間相手に反応を楽しみたいとでも言うような描写も入っている。無論、ベイリはダニールがロボットだからこそ、ロボットが一体どういう反応を示すのか、と言う興味から、そう言う事を考えたりしているのだろうけれども、相手の反応を
    伺いたい、と言う時点で、ダニールに対して興味が湧いている、と言う事だろうなぁ。ロボットと言うものがどう言うものなのか、ある程度は理解した上で、ロボットの特徴を逆手にとって裏をかいてそれが成功すれば面白い、と言うような…新しい機械の玩具を手に入れて、その性能を測る、と言うような感覚に近いかもしれないが、エアカーに乗って運ばれる間、ダニールの裏をかいて、ルーフを開けさせ肉眼で広い空間である外気を自分の目で見てみたい、と強引な手を使う辺りは、ダニールと言う存在を知った上で、ベイリがやんちゃな我ままを言っている
    様にしか見えなかったりする。

  • 「鋼鉄都市」で出てきたダニールとベイリのコンビ!らしいですが、順番を間違えてしまいました。
    それでもだいたい内容はつかめたので大丈夫でした。

    SF推理ものですね。やはりロボット三原則の穴、というか実はこれってできちゃうんだよ~っていうのが目からうろこです。
    ああ盲点だったなぁと思わされた。

  • 古本でやっと読めた。
    面白かったけど、前作と比べて推理よりSFよりかなーと感じた。
    ソラリア社会の描写やベイリの考えの変化に重点が置かれているような。もちろん前者はそこが推理のポイントなんだけども
    ここまで来ると夜明けのロボットもなんとしても読みたい・・・!

  • 前作「鋼鉄都市」で活躍したベイリとダニールのコンビが復活します。
    本書の舞台は惑星ソラリアです。
    ソラリア人はお互いの三次元映像をリアルタイムに眺めることで人と交流し、滅多なことでは人と接触しないのです。
    直接に会うことは忌避される世界なのです。
    そんな世界で1人のソラリア人が殺害されたのです。
    会わなければ殺せない、しかし、会うことがありえない世界なのです。
    これはそんな特殊な殺人です。
    ロボット工学三原則により、ロボットは人間に直接危害を加えることができないので、犯人が遠隔地からロボットに殺害を命じることはできません。
    また、殺害現場にいた唯一の目撃者はロボットで殺人を目撃したことで陽電子頭脳が損傷し、まともな証言もできないまま壊されてしまいます。
    ミステリとしてもおもしろいのですが、本書の魅力は謎解きだけではありません。
    SFとしても傑作だと思います。

  • とにかく読みやすい!ソラリアの設定がおもしろく、ベイリの推理も楽しめた。ダニールがもう少し関わってきたらよかったなあ

  • ずっと読みたかったのに絶版で、
    セカンドハンドショップでようやく入手しました。
    良かった。
    それだけで満足。

    相変わらずベイリは主人公のくせにあまり好きになれないけれど、
    でもそれはキャラがちゃんとしているってことかもしれない。
    ただオリヴォーが好きなんです。

  •  ファウンデーション以来の久しぶりのアシモフ作品。単に地球人とロボットの2人(?)の探偵が、別の星の殺人事件を解明すると言うだけの話だが、これが面白い。実はこれは続編で、この2人のペアによる探偵ものは「鋼鉄都市」という作品で実現しているが、それを読もうが読むまいが面白い。

     地球人は非常に忌み嫌われる対象として描かれているが、ロボットは今回は(前作と違ってと言う意味)わき役での登場。なにがおもしろいかというと、アシモフが好きな人は知っていると思うロボット三原則が底辺にあるから
    だ。

     「ロボットは人を殺さない」という彼が作ったSF世界の原則の中で、 実は「ロボットは人を殺すことが出来る」というテーマというか可能性を扱ったものといえば、興味をそそられるでしょう?

     さらに殺人事件の真相もかなり面白い。面白いというか、シャーロック・ホームズとは違った面白さ。犯人が解ってそれで物語は終わるかと思うと実はそうではない。最後になって、俗に言うところのどんでん返しが待っている。しかも、翻訳ものに良くあるように、側点を売った表現が正にぴったり来るほどのなるほどと思わせる返し方だ。もっとも殺人の動機はかなり希薄だが、それが許せるくらい。

     タイトルの意味が最後にようやく出てくるラストもきりっとしまっている。うるさいほどの解説付きでその意味が出くる。SFというよりも。ミステリーとしてもっともっと楽しめる作品だ。

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著者プロフィール

Isaac Asimov (1920―1992 )。アメリカの作家、生化学者。著書に『われはロボット』『ファウンデーション』『黒後家蜘蛛の会』等のSF,ミステリーのほか、『化学の歴史』『宇宙の測り方』等の科学啓蒙書やエッセイが多数ある。

「2014年 『生物学の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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