調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫 SF ウ 6-6 新しい太陽の書 2)

  • 早川書房
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本棚登録 : 190
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150116644

作品紹介・あらすじ

「拷問者組合」の掟に背いて城塞を追われたセヴェリアンは、新たな任地へ向かう途上、拉致され、深い森の奥へと連れていかれる。そこに設えられた玉座で待っていたのは、反逆者ヴォダルスだった!謎の宮殿「絶対の家」で果たすべき密命を受けて、セヴェリアンは斜陽の惑星を旅しつづける。人知を超えた魔石「調停者の鉤爪」を携えて…。若き拷問者の魂の遍歴を綴るSF/ファンタジイ史上最高のシリーズ、第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • セヴェリアンが仕事上のこと以外はただの男の子なのがよくわかる巻。ジョナスがいなかったらあっという間に野垂れ死にしそうな危うさ。そして一部の読者が自己投影しやすい、クセのない(悪く言えば空虚な)性格。表紙が小畑健なのがよく似合う、少年漫画らしさがある。

    一巻に現れた人物たちの再登場のしかたが心憎い。後半で彼らがどのように動き回るか、期待が高まる。

  • 1週間かかって、2巻目を読んだ(笑)

    あぁ、誰かこのお話を理解できる頭を私に下さい!
    何か凄いものを読んでいるという感覚だけはある。

    如何せん、次々と舞台が移り変わる(ように私には思える)ので、
    前のお話との繋がりを理解する事が大変です~。
    全てが断片、断片で、ある壮大なお話の沢山のワンシーンを
    一旦バラバラにして、再び繋ぎ合わせたような、、、

    このシリーズには、沢山の魅力的な女性が登場します。
    囚人だったセクラをはじめ、アギア、ドルカス、ジョレンタ…
    そしてモテモテの拷問者セヴェリアン君(笑)

    彼のどこに女性達は惹かれるのか…
    端正な顔か、煤色のマントか、どこか哀しさを秘めた危険な香りなのか…

  • 読んでいる間ずっとセヴェリアンと迷宮を彷徨っている様な感覚に陥る。ジョナスの体が金属で人間の部分が継ぎ足されていたとか、川に浮かぶバルダンダースの背より大きな顔の水の精の出現とか、断片、断片で驚く。それは何を意味しているのか?ファンタジーでありSFである物語との事なので物語と現実が交差する瞬間がやってくるの違いない(SF的な現実という意味だけど)。ただ放浪しているように見えるけれど目的地に近づいているのだろう。タロス博士、ジョレンタへの仕打ちは酷くないか・・・・

  • 原書名:The Claw of the Conciliator

    ネビュラ賞長篇小説部門、ローカス賞ファンタジイ長篇部門
    著者:ジーン・ウルフ(Wolfe, Gene, 1931-、アメリカ・ニューヨーク、作家)
    訳者:岡部宏之(1931-、翻訳家)

  • 相変わらず物語の焦点が不明瞭なので、読み進むのがしんどい。訳のせいなのかな。それとも、この分かりづらさも意図された演出なのかな。後者のような気はするけど。とりあえず続刊も読みます。

  • 名作と誉れ高い「新しい太陽の書」の1作目。
    中世をイメージした世界かと思いきや、実は遠い未来の話。
    主人公は、拷問組合の若者。永遠の記憶を持ち、回顧録のカタチをとっている。

    女性に縁のない世界に育った若者が、女性に惹かれ、愛し、愛し合い、そして行動していく姿。
    まだ見ぬ世界へと旅立ち、困難に立ち向かい、切り抜けていく姿。
    そんな姿が生き生きと描かれている。

    世界観の説明はあまりないが、それでも風景がみえてくるほどの筆力がある。
    主人公のセヴェリアンとの冒険の始まりだ。

    わたしが買ったのはこんな表紙じゃなかったけど。いつのまにやら、ハヤカワ一押し文庫にでもなっているのだろうか。
    これは、かなり読む人を選ぶと思うがなあ。

  • 『新しい太陽の書』第2巻。
    第1巻はハイ・ファンタジーだったが、第2巻からは徐々にSFっぽい要素が見え隠れし始める。
    主人公を取り巻く状況はなかなか複雑だが、ひとつひとつ読み解いて行くとけっして難解ではない。やはり、ジーン・ウルフのSFの中では解りやすいほうだと思われる……。
    こういう物語ではお約束とはいえ、主人公はなかなか目的地に着けんなぁw

    何処で読んだのだったが、『ゴーメンガースト』三部作と比較したレビューがあったように思う。肝心のところに届かず、周辺部をぐるぐると回り続けるような印象は確かに似ているなぁ……と2巻を読んだあとで思った次第。

  • 徐々に、っていうか唐突にSF要素が姿を現してきたぞ。それでいてファンタジー要素も依然強いし。ロボットが出てきたと思ったら水の精が出てくるし……。次からもっとSFが強くなると誰かに聞いたので、がんばって次も読みます。

  • ファンタジーとして最高の評価を受けていると言う「新しい太陽の書」の第二巻。
    作者が最後に「たとえあなたがこれ以上わたしと一緒に歩きたくないと思っても、恨むつもりはない。」と書いてみたり、解説者がやたら「ここで読むのを止めないで」とか「最後まで読むと達成感があるよ」とか「わかりにくければ何度も読みなおそう!」とか書いているので、だいたいどんな本かはわかるでしょう(笑)
    1つの話が終わる前に場面転換し過ぎ。

  • この巻からSF的要素が段々と顔を現してくる。しかし未来から来た緑人といい、<壁>の謎の人型生物といい、転移装置といい、突然出てきては、大した言及も無くあっさりと舞台から姿を消してしまう。なんか勿体ないような気がするのだけど、後々全てがわかるようになってるのかなあ。
    とにかく、そういう用語や人物がフラッと何気なく出てくるので、これは再読必至かもしれん。

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著者プロフィール

1931年、アメリカ・ニューヨーク生まれ。兵役に従事後、ヒューストン大学の機械工学科を卒業。1972年から「Plant Engineering」誌の編集に携わり、1984年にフルタイムの作家業に専心するまで勤務。1965年、短篇「The Dead Man」でデビュー。以後、「デス博士の島その他の物語」(1970)「アメリカの七夜」(1978)などの傑作中短篇を次々と発表、70年代最重要・最高のSF作家として活躍する。その華麗な文体、完璧に構築され尽くした物語構成は定評がある。80年代に入り〈新しい太陽の書〉シリーズ(全5部作)を発表、80年代において最も重要なSFファンタジイと賞される。現在まで20冊を越える長篇・10冊以上の短篇集を刊行している。

「2015年 『ウィザードⅡ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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