- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150703707
感想・レビュー・書評
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「部屋の壁の中に消えた婦人の謎」では、トリック自体は大したことはないものの、犯人によるミスリードが巧妙でした。
「密室から忽然と消えた死体の謎」も、一連の怪奇現象を用いて不自然さを消すことに成功しています。何れもトリックというより、「ないように隠す手法」が非常に上手いなと思いました。
最後のオチは好みではありませんが、不思議な余韻を残すことに成功しているので良く出来ていると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
死んだ当主の寝室で目撃された謎の女はどこへ消えたのか?
霊廟の死体はどこに消えたのか?
さらに魔女裁判、毒殺魔とオカルトチックなネタ満載でありながら、それを理論的に解決してしまうと言う展開。
そして最後のあの5ページ!
なるほど、これは名作だ。 -
確かに面白い。不朽の名作とはまさにこんな作品を指すのだろう。
でもね、あのエピローグ読んですっきりする解を導き出せる人がいったいどれほどいるのだろうか。現実的解釈をしようにも、矛盾点多すぎて挫折。んじゃーオカルトでいってみようとパラパラ再読してみたが、壁すり抜けはそのままとしても、死体消失は誰がどうやったんだろう?霊廟への壁もすり抜けたんならもうお手上げ(笑)
まぁ、この最高に気味悪いラストへの伏線も十分すぎるほど張られていて、些末なことは大概どうでもよくなるわけだが。
90点(100点満点)。 -
推理とオカルトの見事な融合。さすがカーの代表作!
物語が二転三転し最後の最後まで結末が見えない。
これ程推理小説で感動したのは久しぶり。 -
古典ゆえトリックに斬新さはないものの、怪奇的な要素と推理的な要素がどこで出会い読み手を納得させるのか気になります。最終的に形容し難い余韻を残してページは終わります。新訳だったので読み易かった。
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これは面白い!
読むまで法廷ものなのかと思ってました。汗。
壁を通り抜ける幽霊、死体の消失、伝説の毒殺魔…。要素がてんこ盛りで、登場人物はどの人も怪しいオーラ満点。雰囲気たっぷり!
そして、すべての謎を回収していく後半部と、ラストの素晴らしさよ。めちゃくちゃかっこいいミステリです。 -
最後ほんとどういうことなの
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ミステリ史上に残る傑作。
この作品最大の魅力は、人間消失などの複雑怪奇な謎の論理的解決と同時に、相反する非論理的なオカルティズムを融合させ、見事に成立させてしまったところにある。
エピローグを読み終え、ゾッとする悪寒を覚える読者を想像してほくそ笑むカーのしてやったりの表情が浮かぶようだ。
この力技は、カー以外では成し得なかったであろうし、ずば抜けたストーリーテーリングがあってこそのプロットだ。最初から最後まで強烈なサスペンスに満ち、登場人物の優れた造形が物語に深みを増し、天才カーの迷宮世界が妖しくも絢爛と形作られている。 -
「火刑法廷」ディクスン・カー◆デスパート家の当主が急死した夜、彼の部屋では一人の女性が目撃されており、彼女は壁を通り抜けて消えたという。毒殺を疑うマークは遺体の発掘を試みるが、遺体が入っているはずの棺は空だった。ミステリアスな事件に「不死者」伝説も絡んで、良い具合に不気味です。