深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 270
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094247

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに一気に読みました。ザフィールのパートが読んでいて面白い。青澄理事長、切ないです。

  • 「華竜の宮」の続編。上下巻の大作。
    世界の終わりが近づいているという閉塞感。そこで必死にもがき続ける、様々な登場人物たち。善だとか悪だとか単純なことではない。頑張ったから報われるわけでもない。でも生きるためには与えられた環境で戦い続ける以外にないんだ。
    リーダーシップ、組織運営・・・SFではあるが、いろいろな要素が詰まっていて、ビジネスマンでも楽しめる本だと思う。

  • 組織の内側視点の話が、とても興味深く面白く語られます。
    詰め込み過ぎで未消化な感じもしましたが、楽しめました。
    話は、まだ終わって無いのではないかという楽しみもあります。
    厳密な繋がりは求めないので、書き継いで欲しい世界設定です。

  • 「華竜の宮」の続編。そら是非とも読まなアカンという期待を裏切らない大傑作。SFのキャンバスに描く一大人絵巻の素晴らしさ。縦糸横糸がつむぐ圧倒的な画に心打たれるばかり。

    どんな状況であっても、例え間近に絶滅規模の大異変が迫っていても、人間誰しも、信じるべきものがあり、進みたい未来があり、それに向かって突き進む自由があるんだけど、その道に他人の道が干渉した時、力づくで道を奪い合うのか?話し合って妥協点を見つけるのか?…なんぼ教えを受けても悟ったつもりでも結局血を洗う方を選んでしまう俺たち。

    結局争う事が本能となっている俺たち、でも本能の赴くままに生きて行けばいずれ死ぬと分かっているから、欲求を抑えて共存を模索してかんとアカン。

    根源的かつ重たいテーマを考えさせる作品としても、このシリーズは素晴らしい。重たいテーマを背負わせるくせに物語として面白いのも素晴らしい。

    次こそ「ブルームの冬」遭遇時の人間を描くのか?それとも宇宙に飛び立ったオリジナルマキ達を描くのか?まさかルーシィが主人公?

    いずれにしても非常に楽しみである

  • 上・下巻の感想を併せて。

    世界観がすごい。スケールが大きい上に緻密。登場人物も魅力的である。
    SFの醍醐味が存分に詰まった大作。

  • 「華竜の宮」その後。前作に引き続いて王道SF路線まっしぐら。惜しむらくは、「大異変」等の用語解説がないところ。3年も間が開いてるんだから、簡単な説明はあってもよかったのでは?。

  • 「華竜の宮」の続編。

    面白かったー!!!
    やっぱり上田さんの作品はスケールが大きくて良いなぁ。
    あまりの濃厚さに、読み終えた後はどっと疲れるんだけど(笑)
    一度読むとその後何年間も忘れられないような作品です。

    近未来、未曽有の環境変化に人間はどう対応するのか?
    SFではあるんだけど、全面に押し出されているのは、
    政治、利害関係、駆け引き、そして人と人との繋がりですね。
    前作にも登場した青澄とアシスタント知性体マキが再登場。
    ただマキ君がマキさんに……(笑)まぁこっちはこっちで良いけど。

    海上民と陸上民。同じ人間なのに相容れない存在。
    どちらの言い分も決して間違いではなく、妥協点は見つからない。
    大異変を前に、人間同士で殺し合いをしている場合ではない、、、
    けれど目先の事しか見えないのは、現実の世界でも同じですね。

    次々と船を襲う<ラブカ>のリーダー、ザフィール。
    彼が元医師という背景が興味深かったです。

    読み終えた後はしばらく放心状態…
    色々な思いが去来して、胸が苦しくなるほどでした。
    個人的には「華竜の宮」以上の傑作!!

  • 上から一気に。とは言いつつももったいなくて少しずつ。
    「大異変」を迎えようとする人類の生きることへの足掻き、そして希望。立場は異にしていながらも人間ひとりひとりは生命力に溢れ、したたかでしなやかで、悲しいほどに崇高です。
    「華竜の宮」での驚愕した記憶が蘇ってきましたが、事象なり進化した人間の姿などの用語解説みたいなのがあった方がこれから読む人のためには良かったのでは?

  • 宇宙もので続編があるといいね。

  • 14/05/05読了
    世界観の把握に時間のかかった前作に比べて、すっと入りこんで一気に読み通せた

    青澄とザフィールとユイの生き方。それぞれの信念に功罪はあり、誰にも善悪は判断できない。描かれているのは、理念なき金儲けは悪というくらい?

    青澄の、歳を経て変わる部分があるところが好ましく、読みやすかったのかも。少女趣味としては、もういちど、司祭と会ってほしかった。
    ユイとDSRDの傲岸ともとれる宇宙への思いは、プラネテスを思い出した。宇宙モノて、そうなるのかな笑

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。11年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。18年『破滅の王』で第159回直木賞の候補となる。SF以外のジャンルも執筆し、幅広い創作活動を行っている。『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』『深紅の碑文』『薫香のカナピウム』『夢みる葦笛』『ヘーゼルの密書』『播磨国妖綺譚』など著書多数。

「2022年 『リラと戦禍の風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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