- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152099389
感想・レビュー・書評
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敏腕弁護士のソレーヌは、敗訴したクライアントが見の前で飛び降り自殺をしたことから神経を病んてましまい、弁護士事務所を休職している。医師の勧めで、女性の保護施設でボワンティアとして代書人をすることになる。エリートとして自信満々だったソレーヌからは想像もしていなかった最下層の女性たち。それぞれの辛い過去からの自立を目指す彼女たちと触れ合うことで、ソレーヌ自身も自分を取り戻していく。
この施設を1925年に女性の保護施設にした救世軍の女性の顛末が、現代のストーリーの間に挟まれているが、二つの物語を並べる効果があまり感じられない。現代の彼女たちだけでも良かったのではないか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三つ編みと同じ温度感。
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稀に出会う、信念とか感情とかにモロに響く作品。
生き方はなかなか変えれんくても、考え方はいつでも変えれるしな。 -
身につまされた。文体が簡潔だから余計に内容の深さや重みが際立った。男性、権力者にこそよんでほしい。
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前作同様に一気に読めた。ただ、現在と過去のパリが抱える問題の理解が自分に足りず消化不足の感は残った。
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デビュー作『三つ編み』で心を深く揺さぶられた作者の長編第2作。女性保護施設でボランティアをする女性弁護士と、その施設を創設した実在の救世軍夫妻の姿を交互に描く。現代編の想像を超えた悲惨さに絶句するが、1920年代にこの施設を作ったペイロン組にも驚かされる。彼らを動かす“他者のために”という強い気持ちはすごいなと思う。自分には何ができるだろうかと考えさせられた。
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読んでいるうちに、ブランシュやソレーヌまでにはなれなくても、困窮した女性を助ける人になりたいと思った。日本にも困窮している女性がいて、そのことを知っているのに、何もしないというのは違うような気がするから。ささやかでも自分のできることを考え、実行したい。
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みつあみ、私たちの教室につづく今作。
どれが好きかな?と思ったけど、どの作品もすき。何故なら、どの作品も主人公、とりまく女性たちの苦悩、体験、生き様、選択した生きる道、選択するまでの葛藤や出会い、自分と向き合わなければならない環境があったりして、、
くるしい描写もあるが最後に一筋の光が見えて、その光はキラキラしてるというよりも、透き通った光であり、空気。
そして 繋がり が強い、どの作品も。
独りのようで一人じゃないって、思える優しい感触がある。
それを感じられるラストがどれもあって、希望なんだ。私はこの作風は好きである。
いつか日本を舞台に、作ってほしいな。 -
まるで映画を見てるみたい、と思ったら作者は女優さんで脚本書いて監督もする才女でした。
100年前の弱者救済のために生きるブランシュと、彼女を人として尊重するパートナーのアルパン。(実在の人物)救世軍の彼ら彼女らの一途な働きにより作られた女性会館。
100年後、その女性会館で挫折したエリート弁護士のソレーヌの物語が、ブランシュの物語と交互に進行します。
鬱になったソレーヌが、代書のボランティアを通じて周りも彼女も変わっていくのは、読みながら癒やされ励まされます。
移民問題がリアルに描かれていて、フランスならではと。