- Amazon.co.jp ・本 (77ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163114507
感想・レビュー・書評
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とても繊細なお話。クリスマスの思い出も続けて読みたくなりました。
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年末の図書館の「なぜか一度も借りられたことがない本」特集コーナーに、村上春樹訳の、クリスマスを舞台にした、綺麗な表紙の本があったとすれば、そりゃ借りますよ。
村上春樹さん御用達の正当派アメリカ文学。
クリスマスに対するアメリカ社会の特別な思い入れが伝わってくる。
ディケンズの「クリスマスキャロル」(英国だけど)や、映画「ホームアローン」にも共通するように、クリスマスは「慈悲と寛容」を思い起こす日だ。
一人一人のちょっとした優しさが、ちょっとした奇跡を起こす。
本作でそれを如実に表しているのが、主人公バディに、(サンタからではなく)父からプレゼントされる「おもちゃの飛行機」だ。当初、バディは自分のためにその飛行機を操縦(イメージ)する。
でも、最後にその飛行機が向かった行き先は、父だけじゃなくて、バディ自身にも奇跡を起こす。
言ってしまえば、すごくベタなクリスマスストーリー。
だが、王道ゆえ、多くの人に読んで欲しい作品になってる。
挿し絵もすごく綺麗だし、クリスマスプレゼントとしてもかなりおすすめの一冊。
(図書館で借りた本は贈れません) -
2014.7.30市立図書館
赤木かん子『今こそ読みたい児童文学100』(ちくまプリマーブックス)で興味を持って。
著者=主人公の少年の体験したあるクリスマスの、とても切ない話だった。カポーティーがこの物語を父親の死後になってやっと書き、それを遺作として半年で亡くなったときくと、これを読んだ「大人」としてはいろいろと襟を正さずにはいられない気持ちになる。
文庫にも入っている短編なのだと思うけれど、山本容子さんの銅版画がたっぷりはいったきれいな装丁のハードカバーで、余韻もたっぷり楽しめた。もうひとつのクリスマスストーリーの方も、いつか読んでみよう。 -
【贈り物】
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何年ものあいだ、僕はアラバマの母の実家に預けられ、父とも母ともほとんど会わなかったけれど、そこでの生活を楽しんでいた。
とりわけ年の離れたおばあちゃんいとこのスックが僕の最高の親友だった。サンタクロースのことを教えてくれたのも彼女だった。
ある年、父からの手紙が舞い込んだ。僕と一緒にクリスマスを過ごしたいので、ニュー・オーリンズまで来ないかと言ってきたのだ――。
僕は泣いた。
『クリスマスの思い出』の前年、6歳のバディーが、アラバマの家、スックのもとを離れて父親とニュー・オーリンズで過ごしたクリスマスの物語。
愛が何かを知らず、傷つくことも、痛みもまだ知らない孤独で幸せな少年の前に巡りくる、いくつものクリスマスのひとつを描く。
クリスマスを主題とすると、胸躍るような、幸せな、満たされるような物語が多いと思うが、カポーティの描くクリスマス(それは彼の少年期の思い出そのものでもある)は愛情に満ちて美しいが、同時に切なく物悲しい。 -
大人の童話ともいうべき美しい短編。父母に捨てられた7歳の孤独な少年のクリスマス。少年と無垢なおばあちゃん従姉妹スック、そして愛犬の3人組。サンタクロースの存在しないことを初めて知る幼心の美しさをもう一度振り返ることができます。村上春樹の翻訳本です。
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大人の目線も子供の目線も、大人だけど子供の目線に立っても、ほろ苦い。
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毎年、クリスマス近くになると読んでました。
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父や母に・・そしてクリスマスに幻想を抱く年頃の主人公が、醜い現実を突きつけられてしまう子ども心にとっては残酷なものがたり。
20分ぐらいで読めちゃうような短さ。
個人的には挿絵がいまいちだと思うんだけど・・。