- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163289502
感想・レビュー・書評
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【推薦文】
物語を通じて「昭和」という時代を体感できます。
大きな時代に流されて生きていく一家の物語です。
個人的には戦争や戦後復興を美化して書かれていない点が気に入っています。
【配架場所】
大岡山: B1F-一般図書 913.6/Ka -
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2013.09.10
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第3章まで読みましたが、もうこれ以上は
頑張れません。
最近は初めにつかまれなければ本を脇に
置けるようになりました。
まだまだ読みたい本はいくらでもありますから。 -
読みごたえあり。おばあちゃんの言霊がすごい。
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祖父の死をきっかけに、不思議に「根っこ」のない我が家のルーツをたどり始める主人公。作中では、現代に生きる主人公が見聞きする物語と平行して、戦時中に大陸で出会った祖父母の物語、安保闘争時代に青春を過ごした両親世代の物語が綴られ、3世代に渡る家族の戦時中~現代までの歩みが時代を交錯させながら描かれていく。祖母視点、父視点、そして主人公視点と語り手の目線も交錯しているが、そこに混乱はなく、どの時代の物語もとてもリアルに迫って来る。死と隣り合わせの時代も、政治も経済も熱に浮かされていた時代も、平坦で退屈な平和に包まれた時代も、その中で生きている人間にとっては当たり前の日常の繰り返しが作る日々で。そんな日々の中で、求めた場所にたどり着けず、それでもたどり着いたどこかを新天地として、ツリーハウスのような根のないものでも、家を建てる。そこには根っこはない、けれど「希望」があった、というささやかな結論が、時代に揉まれた家族の物語の果てに待っているところが、心地よい。偶然だが、終戦記念日の近いこの時期に読むには良い本だったと思う。
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満州国開拓引き揚げ者の親子三代に渡る物語。
角田光代は長編のほうがまだマシだな!と再確認しましたw
最近たまたまNHKのドラマ「開拓者たち」を見たところだったので、開拓者の三世の視点から見るとこうも趣が違ってくるのか、と思いました。
立場が違えば何もかもが違ってくるのはわかっていたことだけど、つい「満州開拓団」と一括りにして見てしまっていた自分がいた。
ドラマの主役満島ひかりが素晴らしい女優さんなので、どうしても開拓者の視点でしか考えられないし見られない状態になってました。
が、三世からしてみれば、まず自分のルーツが祖父祖母で途切れている。
思い返してみればお墓参りに行ったことがない。
親戚と呼ばれる存在が異様に少ない。
ドラマのように「開拓」へまっしぐらだったならまだしも、この作品のように兵役から逃れ、責任から逃れ、家族からも逃れ、崩壊する満州からも逃れ、何もかもから逃げて逃げて逃げ続け誰の所有地とも知れない土地に勝手にバラックを建て食堂を開き、過去から逃げることによって積み上げたモノしか持たない祖父母にとって「現在」とはふわふわと頼りない足場でしか無かっただろう。
相変わらず読後感は悪いですが、金嬉老の「私には祖国がない」じゃないですがこの視点は私には無かったので、物事にはすべからく色んな側面があるのだということを再確認出来たことは収穫です。
こんな哀しく情けなく恥ずかしく拠り所の無い側面もあるのだと。
読めば読むほどもやっとして少し辛くなってちょっとしんどくなるお話でした。