後妻業

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900889

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  • 面白かった。イッキ読み。さすが黒川先生。後妻業。高齢化社会で本当に起こりそうな話。表紙の写真は怖い。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    金が欲しいんやったら爺を紹介したる。一千万でも二千万でも、おまえの手練手管で稼げや。妻に先立たれ、結婚相談所で出会った二十二歳歳下の小夜子と同居を始めた老人・中瀬耕造は、脳梗塞で倒れ一命を取り留めたものの意識不明の重体に。だが、その裏で、実は小夜子と結婚相談所を経営する柏木は結託、耕造の財産を手に入れるべく、周到な計画を立てていた。病院に駆けつけた耕造の娘・尚子と朋美は、次第に牙をむく小夜子の本性を知り…。

  • 最近の黒川本で1番面白い。『破門』が駄目でも、こっちで直木賞を取れたかも。登場人物は多いが役割が明確なので混乱せず、それぞれの人生を感じる。開始三分の一は、ちと重い(後妻業の手口ですから)が、そこから先はいつもの黒川節が炸裂。安心して読める。

  • 「思てたんとちゃう!」の連続で息つく暇もなくのめり込んで読めた。
    初出を見たり、調べたりしたところ、関西青酸カリ連続事件に影響を受けてないようだ。でも、今読んだ人間としては序盤は特にその事件が思い出された。作中に何度か木嶋の事件は触れていたり、軽妙な関西弁や緻密な描写から(序盤は特に)リアル感があって背筋が凍った。

  • 身近な地名ばかりで、どこで何が起こっているのか想像しやすい 街ですれ違う人、たまたま見かけた人にも、こういうことで生計を立てているのかもしれないと思うほど臨場感がある 小夜子と柏木の関西弁の会話が、イントネーションを伴って聞こえてきそう
    調査役の本多、過去には切れる警察官だったのだろう 違法な職権濫用で小夜子・柏木の犯行を執念深く突き止めた まさか一発逆転を考えていたとは…この人は、善人なのかと思っていたのに、私も読みが甘いな
    悪い人しか出てこない ある意味、気楽に読める
    人生、真面目にこつこつ、真っ当に働いて暮らさなくてはならないという教訓

  • 怖い内容。
    男はいくつになっても
    バカなんだろうか?

  • 直木賞受賞後初作品。
    金持ち老人から金を掠め取る後妻業の話。

    中瀬耕造の後妻に入った小夜子は、中瀬の娘たちには内緒で公正証書を取り、遺産を奪う計画が進められていた。

    耕造が死去し、その事実が判明した娘たちは、弁護士に相談し、探偵で元マル暴担の刑事・本多によって、小夜子が結婚相談所の柏木と金持ち老人を次々にターゲットにした後妻業の実態が明らかになっていく。

    後妻業のプロ小夜子と柏木対探偵・本多達の戦いは、お互いの金に対する欲望によってシーソーゲームを繰り返す。

    騙される方が悪いのか、騙す方が悪いのか!?


    金を巡る人間模様の描写が秀逸。

    ほぼまともな人間が出てこないのも良いです。

    これだから黒川作品はやめられない。

  • 2016.08.14 映画館で『後妻業の女』を見つける。
    2016.08.23 電車内広告で原作を見つける。予約

  • 初めての作家。関西弁過ぎてやや感情移入しづらい&ハードボイルド系書いてるというのでちょっとどうだろーと先入観を抱いてたけど、後妻業の実態的なところとドンドン追い詰めて行く過程が面白くて、スルスル読めた。

  • 老い先短い金持ち老人をたぶらかして入籍→殺害を繰り返し、遺産を奪い取っていく「後妻業」を描いたサスペンス。
    小夜子がふてぶてしい婆で、なんとまぁ憎たらしいことか。小夜子と柏木の悪事を探偵の本多が徐々に追い詰めていくところが面白くて一気読みでした。舞台が関西なのもなじみがあってよかった。本多もなかなか食えない奴で、結局は悪人同士が食い潰し合って終わってしまったけど、欲を言えば小夜子が断罪されるシーンが見たかった。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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