新しい星

著者 :
  • 文藝春秋
4.04
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感想 : 295
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914688

感想・レビュー・書評

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  • 本当に人生には「いろいろ」あるよなぁと思わされた。自分の事はもちろん、他の人も見えていないだけで、実はみんな重たいものを一つや二つ抱えて生きているんだろう。分かっていたつもりたけど、どうしても他の人は軽やかに暮らしているように見えてしまう。この年になっても自分の幼稚さを軽く再確認させられたが、読後感は明るい。

  • 共通テストの国語の模擬演習で読んで一読惚れ?して買うという特殊な出会い方をした本です笑

    ちょうどその時の自分の精神状態をお話ししますと
    どうしても行きたい大学の学部があって
    それを実現するために高校3年間の青春を捨てて
    それでもなかなか伸びなくて
    それでもまだ行きたくて
    でもなんかどうしても頑張れなくて
    弱くてもどうしようもない自分を責め続けてるような状態でした

    そんな自分は玄弥の気持ちが痛いほどわかりましたし、その分卓馬のセリフがブッ刺さりました

    もともと人間は合理的な生き物でもないし、
    辛かったら辛いままで、立ち上がれないなら立ち上がれないままでいい
    そう思えました


    また成人間近の自分は最近「大人って大人のふりしてるだけで意外と中身は子どもと変われてないのかな」と思っていたこともあり、30〜40の大人の苦難に焦点を当てていることもタイムリーでした


    卓馬の「つらいことだから、4人で耐えた方がいい」
    というセリフにもある通り、唯一なんのレッテルもなく接することができる友達という関係は素晴らしいのだなと作品を通して思いました

    自分は高校で初めてそういう関係になれる友達と出会えたので、ただただそいつらに感謝ですね笑

    彩瀬さんの作品は初めてだったのですが、人情表現が素晴らしく、悲しみの中に一貫して温かみを感じる彩瀬さんの作品に完全に虜になりました笑

    にしてもこの解像度は異常じゃないか?と読めば読むほど疑問に感じてたのですが、なるほど、どうやら彩瀬さん自身が思春期に母親を癌で亡くされ、その母親と同じ年齢になったこと、自身が難産だったことがこの作品の元になっているようです


    何か大きな出来事に見舞われ
    思考の大きな揺らぎや変化があるとき
    世界は主観であるから
    主観が一変すれば世界も変化する

    それがタイトル「新しい星」という意味なのかなって勝手に思ってるですけど、、、
    そこもすごい好きですね笑笑


    自語りが多くなってしまったこと、アホ高校生の文章力を晒していること、申し訳ないですが
    とにかく彩瀬さんにハマったのでこれから読み漁っていきます笑

  • 良書。

    それなりの年になるとそれなりに辛いこと、別れ、不調、など人生のつまづき、しかもけっこう大きめ、にあうことがある。

    それを友達と支え合って乗り越える、ではなく、共に生きていけるようになる人たちの物語。

    最後の娘さんと玄のお話が好き。
    甘い匂いなのに全然甘くない詐欺みたいなお茶、を飲んだ時の娘さんの反応が最高です

    2022.6.30
    89

  • 連作短編集。サクサク読めた。
    友人関係って、長い期間で少しずつ変わっていく。
    立場や状況が変化しても、お互いを思いやる関係性が築けてる4人が羨ましかった。

  • 2022.37

    4人のどの人生も、もしかしたら自分の身近に起こるかもしれない内容で多少の親しみを持ちながら読み進めれたが、
    全体的に見どころシーンに欠ける作品でハマらなかったです。

  • 誰もが一人じゃない。家族と衝突したり、人生うまくいかない時に支えてくれる誰かがいれば、乗り越えられるのかもしれない。学生時代の友人っていいなと思った。

  • 途中から涙が止まらなくなった。誰でもない「私」についてよく考えていた。これを読み終えて、誰かにとっての「私」も悪いことばかりではないように思えた。何でもない誰かにも家族がいて悩みや葛藤があって、そんな当たり前のことを強く思い知ってまた泣いた。

  • 大学時代の友人4人の関わりから、誰もが抱える生きづらさを描く。

    お互いを想い、かける言葉のあたたかさ。
    どの言葉も、胸にじんと来て沁みわたる。
    心が洗われるというのか、
    自分の中の生きづらさと向き合い、受け入れるというのか。
    4人の言葉が自分を包み込んでくれる、心地よい感覚。

    自分を満たし、慈しむ。
    問題に向き合い、話し合う。
    そういう当たり前のことを思い出させてくれる作品。

  • 先日の直木賞候補作で読んでみたいと思った作品。学生時代の仲間4人のそれぞれが、4人の語りで描かれる。全編優しさにあふれていてよかった。大人になってからの友人をつくることへ不安を覚えるゲンゲンに共感。

  • いつか私も親も死ぬんだなと思ったし、
    そしたら携帯なんてつつきながらご飯食べないで
    一緒にいられるこの時間大事にしようって思った。
    人と一緒にいられる時間って有限なのに
    過ぎてみないとその時間の大切さがわからない
    人間って馬鹿だ
    終わってからじゃ取り返せんのにね
    茅乃が亡くなったシーン、あ、、ってなった。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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