- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163914688
感想・レビュー・書評
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家庭や仕事、体調の事などそれぞれ問題を抱え、普通という枠組みから離れていくが、それでも前に進んで行く話。今を大切に生きようと思う。大切にしたい友人がいる人に。
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近年、こういうテイストの連作短編集が多すぎて、オリジナリティをあまり感じられなかった。なにか一波乱起き、それを乗り越えて終わりというお決まりのパターンに、正直食傷気味。
とはいえ、読後感はとっても良く、作品の評価が高かったり、直木賞に選出されるのも理解はできる。 -
思い違い
「闇雲に頑張りたくない」「もう無理したくない」などそれぞれの悩みを抱えた4人の仕事が家庭が変わる。卓馬が離婚、茅乃が高校生の一人娘を遺して亡くなる。遺された娘の誤解は「母は私を嫌っていた、いつも怒っていた」で、約束した事を何も実現してくれなかったと、だが真意はとても思いやりをもって真剣に大切にしていた事を知ることになる。家族の絆と友達との絆の違いが見える、話せる世界が多くの誤解もあることを知る。娘にとって母の想いは新たな人生を強く歩める事を悟る。一人じゃない素晴らしい人生はちょっとしたことで変えられる事を。 -
今は亡き親友を思い出して泣けた。
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「新しい星に落ちる」
理解者に出会えない、もしくはそう思い込んで不安な気持ちをよく代弁していると思う。
大人になっても、人と向き合わないと生きていけない。自分のこともコントロールできないのに。
そんな気持ちに寄り添ってくれる本。 -
悲しくやるせないけど、静かで美しい…彩瀬作品の中でもかなり好きだなと思えた一冊。
大学時代、合気道部に属していた4人の男女の連作短編小説。子供の死、突然の病、パワハラによる引きこもり、コロナ禍きっかけの家庭不和…理不尽な出来事になす術もなく、歩き出すこともままならずうずくまる。傷付いた心身へのダメ押しで、周囲のよかれと思った言動に更に傷付いてしまう。そんな負のスパイラルに陥った仲間への手のさしのべ方が自然で、でも理に適っていて、不必要に踏み込まない。その関係性に読む側も救われる。
4人のそれぞれの家族間の軋みは、互いを思いやるからこその齟齬で、双方の気持ちもわかるだけに辛いところもある。一歩間違えればどこまでも暗く落ち込んでしまいそうな心に丁寧に寄り添い、少し気持ちがほぐれるユーモアも挟んでくれる。その流れが自然で、安心して息がつける。
連作短編なので読みやすく、旅の描写や生き物の描写(タコがかわいい!)もすごくよい。何かがきっかけで深く沈みこんだとき、少しでも浮上できるよう…そっと見守ってくれるような物語。 -
最後のページを読み終えた時、じんわりとした気持ちになるとともに涙が溢れてきました。
大切な友人が心を病んで会社を辞めました。
新卒で入社して1年と持たず、うつ病と判断されて会社に行けない日々が続いてると相談されたのは昨年末でした。
私の方が精神的に不安定なところがあると思っていたので彼女の話にとても驚き、動揺したことを覚えています。
今新しい仕事を前向きに考え始めてはいるものの、動き出けない友人にどう寄り添ったら良いか悩んでいました。
この本は私にたくさんのヒントをくれたと思います。
誰の人生もうまく行くことばかりじゃない。
どんな絶望的な状況でも毎日は過ぎていく。
友人は人生においてかけがえのない存在ですね。
This novel is arguably my best this year.
I want to recommend it to someone I care a lot about.