新しい星

著者 :
  • 文藝春秋
4.04
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感想 : 295
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914688

感想・レビュー・書評

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  • よかった。
    4人のそれぞれの思い、考え、生き方。
    青子、茅乃、卓馬、げんげん。
    生後2ヶ月で死んでしまった青子の子供なぎ
    乳がんが再発して、13歳の子供を残しながら死んでしまった茅乃
    妻と、離婚した卓馬、
    システムエンジニアだったのに上司の叱責にあい、引きこもりになってから2年のげんげん

    合気道のサークル仲間がふたたび出会う。普通とはなんなのか?考えさせられた。

  • 大学の同期生4人の男女の物語。
    それぞれが悩みや痛みを抱えている。
    とても優しい物語で、綺麗な文章に引き込まれました。

  • 登場人物それぞれが苦悩を抱えてる。だけど、仲間の前だけは、ありのままの自分でいれる。

    人生は辛いけど、1人じゃないって心強い。

  • 普通に就職して、普通に結婚して家庭を持つ、そんな世間では「普通」とされていることって実はすごく難しいんだなと思った。
    この小説のメインキャラクター4人には、それぞれ辛い出来事があって、でも痛みを知っているからこそ彼らは人に優しくすることができる。
    こうやって人が誰かを少しずつ思いやることができたなら、きっと優しい世界になるのになあと思った。
    彼ら彼女らの思いやりとまっすぐな強さに何度も泣いた。
    とても大好きな小説です。

  • まっすぐ普通に歩くことがどれだけ難しく、ありがたいか。

    大人になって、夢はないけど、希望はある。


    大きな出来事があって、そこから自分が変化してしまい、わかってもらえないだろうという、その気持ちがまるで別の星に来たという比喩ではなかろうか。


    自分の機嫌は自分でとれ!

  • 直木賞の候補作。初めて読む作家。

    優しくて誠実な小説だと思った。
    大変なことがたくさんあって、それはそれぞれの話の中でなにか劇的に好転したりしない。むしろ悪くなったこともある。
    そんなどうしようもなさをとりあえず連れて歩かなきゃいけない30代、グサグサ刺さる。
    年齢を重ねて得た諦めと、諦めきれなさが揺らいでる。

    玄也が菜穂に「おれやかやのんにおこってください」と言うのは大人としてすごく好きだった。
    それぞれのしんどさがあっても、親や大人としてやるべきではないという行為はある。子どもにそれを赦してくれと請うのではなく、ちゃんと怒れ、と言うことは大切よね。

  • 大学の合気道部でつながった男女四人、再び交流が始まって行く。一人は胎児の成長に問題のある体質で嬰児は産後間もなく死亡し、離婚され、実家にも理解されない悲しみ。一人は乳癌。一人は会社でのパワハラめいたイジメで極度の引きこもり。一人は…。
    再び交流し始めてから少しずつ時間が経過していく様が淡々と綴られていく。後半、人前では読めないです。突然涙腺壊れました。
    少し自慰などの描写あるのと、年齢・経験高めの考察多いので中学以上から。

  • 第166回直木賞候補作だったので、読んでみた。
    不幸が直撃。辛い。
    娘の死、乳癌、パワハラによるイジメが原因の引きこもり、コロナ別居の末の離婚。
    弱っている4人。
    でも前を向く。
    自分をケアする方法を探る。
    誰にでも悩みはあると思う。
    私にもある。誰にも言わないけどある。
    4人のうちの、1人、茅乃さん。
    大学時代の部活の仲間。
    合気道では1番強い茅乃さんは、
    癌が骨に転移して、亡くなった。
    青子、茅乃、玄也、卓馬の4人の友情が温かい。
    4人それぞれの物語だけど、1人だったら辛かった。
    助け合えて良い仲間がいて、心の救いになった。
    お墓の前での、娘さんとげんげんの会話にグッときた。
    絶対に1人じゃない。
    生涯を通じて決して1人にはならない。と、
    母が残した言葉が染みる。
    タコを飼えると知った。可愛いかも。
    絵のような写真、表紙も素敵。

  • それぞれリンクしつつ4人の物語が進んでいきました。道がまっすぐならどれだけ楽だろうって思う。まっすぐなんて面白くないよ、って思っていた頃もあったけど、今はまっすぐがありがたい。ただ、こんな風に少し逸れてしまっても、確実に進めるというのは有難いことだし強いなと思います。悲しい事もあったけれど、それもこれも含めて皆また次の新しいステージに進めると思えた読後でした。

  • 静かで悲しくてでも温かな話。
    一人ひとりの人生があって、それは山あり谷あり。辛いのは自分だけではないんだなと勇気がもらえる。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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