私たちはAIを信頼できるか

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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163915944

作品紹介・あらすじ

ゲーム、言語、哲学の最新知見から、最先端の5人が集まりました。「信頼」をテーマに、2022年の「AIと人類」の現在地に迫ります。AIは世界を再構築できるか。「意味がわかる」とは何か。人間の無意識は、AIに奪われているのか。もっともわかりやすく、もっとも刺激的な、2022年のAI論です。

目次
はじめに 生活と社会のなかの人工知能 山本貴光
TALK1
三宅陽一郎「世界と知能を再構築する」
エッセイ 人と人工知能の拡張――メタバースとスマートシティ、リアルと仮想を越えて
TALK2 
川添愛「意味がわかるとは何か」
エッセイ 〝信頼できるAI〟に向けての課題 
TALK3 
大澤真幸「無意識が奪われている」
エッセイ 〈無為〉という能力
TALK4
座談会「私たちはAIを信頼できるか」
大澤真幸、川添愛、三宅陽一郎、山本貴光、吉川浩満
BOOKS
AIと人類の36冊  山本貴光&吉川浩満
おわりに 吉川浩満

感想・レビュー・書評

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  • AIとは、人間には不可能な全知に近い領域から、その対象にとって最も合理的な最適解を導く事の出来るツールと言える。桁数の多い暗算は人間には難しいが、計算機は即答だ。同様に、数字による規則性ではなく、言語による記号接地、つまり現物と言葉を対にして紐付け、概念にも言葉を当てはめ、自然言語をマスターした上で、それらの動きや関係性を考慮できるなら、圧倒的に人間を凌駕する。大企業の社長が企業全体のリソースや活用策を把握する事は難しいが、AIは可能だ。

    「押すなよ、絶対に押すなよ」
    この文脈は最後までAIには分からないが、分かる必要はない。ここが人間とAIの境目であり、皮肉や嫌味、ギャグや曖昧な表現は、不要だ。
    「もう死にたい」と漏らす人間の言葉を文字通り受け止め回答するAIも危険だ。人間側も意図せぬ感情表現を排してAIと付き合うように、インプット側を制御する必要がある。

    本著はこうした問題を真剣に語り合う本だ。

    ユヴァルの著作から。お金からデータに宗教が変わる、所謂、〝データ教“の話。お金ではなく、データを信じ、データを目的に、データを神として動き始める人類。マウスの脳に電極をつないで右や左にリモコン操作できる技術は既に開発されている。イーロンマスクが立ち上げたニューラリンクと言う会社では、人間の脳と機械を直接つなげる研究開発を進めている。いずれ人間も身体拡張される日が来るだろうか。

    AIの怖さなんて微塵も感じない。寧ろ、ここからの時代の変化は非常に楽しみである。

  • AIについてのいろいろなお話

  • GPT3についても言及されている(多分この本が出た時はまだネットニュースとかに掲載されていなかったと思う)。ゲームでは味方のAIにユーザーは厳しいとか各界からの意見が面白い。
    インタビュー中も様々な本が出てくるが巻末でも要約した感じでお勧め本が紹介されているのはありがたい。
    人工知能におけるフレーム問題は中田敦彦のYouTube動画でも取り上げられていたが正式に初出が分かったのが良かった。

  • あとがきにあるとおり、「信頼」という概念を軸として、「AIを作る」「AIを使う」「AIと生きる」という観点からAIと人間社会の未来を考察した本。根本に立ち返った議論が多く、AIの何が問題なのか、頭の整理ができる。また、36冊の読書ガイドがついており、さらに学びたいときの道しるべにもなってくれる。中でもユヴァル・ノア・ハラリは必読となっている。

  • 今まで読んだAI本で1番面白かった。
    AI研究が進むと人間の研究も進むと。「信頼」が肝なのか…

  • 専門分野も立場も異なる方々が、それぞれの観点でAIについて考える。
    AIについて考えることは人間について考えることであり、人類の未来について考えることでもある。
    かなり易しく書かれているので、AI・神・人間・信頼といった単語にビビッと来た方は読んでもらいたい。

    巻末におすすめの本が紹介されており、読みたい本がさらに増えてしまった。

  • 【もっともわかりやすくて刺激的な2022年のAI論】意味がわかるとは何か? 人間の無意識は奪われているか? 世界を再構築できるか? 最先端の知性が見ている、AIと人類の現在地。

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著者プロフィール

大澤真幸(おおさわ・まさち):1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。思想誌『THINKING 「O」』(左右社)主宰。2007年『ナショナリズムの由来』( 講談社)で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』(岩波現代文庫)で河合隼雄学芸賞をそれぞれ受賞。他の著書に『不可能性の時代』『夢よりも深い覚醒へ』(以上、岩波新書)、『〈自由〉の条件』(講談社文芸文庫)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)、『日本史のなぞ』(朝日新書)、『社会学史』(講談社現代新書)、『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『増補 虚構の時代の果て』(ちくま学芸文庫)など多数。共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』(以上、講談社現代新書)、『資本主義という謎』(NHK出版新書)などがある。

「2023年 『資本主義の〈その先〉へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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