枯葉色グッドバイ (文春文庫 ひ 7-4)

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  • 文藝春秋
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (502ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167531041

感想・レビュー・書評

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  • ホームレスという設定に心惹かれて読みました。
    私はこの元刑事さん好きだな~。
    コレを読んでこの世界には(ホームレス)いろいろわけありな人々がいるんだな…と思いました。

  • 犯人は意外だが、狙い過ぎ、論理に欠ける。キャラクターが良いのはさすが。

  • かつて辣腕の刑事として
    順風満帆の人生を送っていた椎葉。
    ある不幸な事件をキッカケに
    警察を辞めホームレスに身を落とす。

    半年前の惨殺事件捜査が息詰まっていた頃、
    新人刑事の夕子はかつて尊敬していた刑事の姿を
    ホームレスの中に見つける。

    新たな視点からの捜査を行うために、
    夕子は椎葉に日当2000円で救いの手を求める。

    セリフ回しやキャラクターの描写が
    コミカルに描かれていて面白かったです。
    小説的と言うより戯曲的なイメージ。
    リアリティが有り過ぎず、無さ過ぎず。

    全体的なバランスが良く、
    とにかく読みやすかった。

    小説は読みやすいのが、いちばん。

  • 未解決の殺人事件を担当する一所懸命だけれど空回り気味で上昇志向が強くやや自己中な女性刑事と、その事件で両親と妹を亡くしひとり生き残った女子高生美亜、不注意で我が子を死なせてしまい離婚し退職して代々木公園で暮らす元敏腕刑事の椎葉という全くバラバラの3人が、事件を巡りある種の不思議な信頼関係を築くお話。事件の内容も登場人物の抱える背景もしんどく重いし、椎葉の視点を介して作品全体に諦念が漂っているのに意外にも読後感はスッキリ。途中少々つらくなりましたが最後の事件解決のくだりは謎解きにも無理がなく、しかもテンポ良くトントンと展開するせいかも。読み応えありました。

  •  ホームレス椎葉が、女性刑事に頼まれて一家惨殺事件の謎を解く。

     椎葉の過去とかは、ちょっとネタばれになるのでひかえます。
     最初に、エグイ惨殺事件の描写があって、うっとなるんだけどその後は、樋口有介らしくてよい。やっぱり、樋口有介は「オジサン」を描くのが上手い。「探偵は今夜も憂鬱」の柚木もそうだけど、軽口が、ちゃんと軽口になっててよろしい。普通のオヤジは、軽口が嫌味になってる場合がほとんどなんだよね。
     でもって、へんに説教ぶらないところがなおいい。主人公と他の距離感が、とてもいい。こういう距離感を上手く描くのって、なかなかできるもんじゃないよ。

     とってもよかったです。
     樋口さん、これからもこういうオヤジを書いて欲しいです<切望

     でもって、最後の一言が、すごーーーーーく効いてる。人は前むいて生きていくんだよ、って背中を押してくれるようだ。
     考え見たら、人生から逃げたようなホームレスを使いながら、最後はここに着地したんだから、すごいよな。ウルトラCだ。

  • 代々木公園のホームレスで元刑事の椎葉明郎は、女性刑事、吹石夕子に日当二千円で雇われ、一家惨殺事件の推理に乗り出す。考えるホームレス、椎葉の求めた幸せとは?ハートウォーミングな長篇ミステリ。 (Amazonより)
     世をひねた男といい女コンビの作品が多い樋口有介ですが、今回の主人公は世をひね過ぎてホームレス。なんとまあ。でも女のほうは刑事なので、ちゃんとした(?)警察小説でもあります。推理というよりも地道な捜査によって浮かび上がる真実。終盤の少し強引な展開はアレですが、まあ警察小説なんだし、そんなもんですか。ドロドロした事件やホームレスの過酷さを描いているのですが、読後の後味はそんなに悪くありません。主人公は椎葉明郎。その名前から、「踊る大捜査線」などで有名な2文字違いのあの人のイメージで読んでしまいました。違和感まるでなし。

  • 刑事が単独行動はしないから、ホームレスに仕事を依頼ができるわけないとかいわないの。
    前提が多少違っててもいいじゃん。

    推理が組み違い前後賞的に外れてみたり、今までぜんぜん出てこなかった人がイキナリ犯人だったり、
    多少無理はあるような気がしたけど、それをさっぴいても十分あたしは楽しめた。

    考えるホームレス、と、名付けられた主人公はひねくれた言い回しながら、ときに鋭く、ときに醒めていて、なかなか面白いキャラ設定。

    後半一気に加速するからね、途中で止めようってのはあきらめて。
    開いたら最後まで行った方がいい、この加速度はなかなか、よいです。

    最後がハッピーエンドじゃないという意見もあったけど、そうかなぁ。
    すごく現実的でやさしい、あたしは素敵なエンディングだと思ったけど。



    最後まで読んでタイトルを見返すと、ちょっとしんみり?
    バイバイしちゃうの?
    いやいや沖縄に、ブルーのまぶしい色にて展開希望。

  •  ミステリーです。
     内容は殺人事件を女刑事と浮浪者の元刑事が解決する
    というもの。
     椎葉さんカッコよすぎです。

  • 元刑事、そして今はホームレスの椎葉。椎葉はホームレスですが臭くありません!(笑)樋口センセが書くとホームレスだってハードボイルド!何故かカッコイイ♪臭いだって感じない(いいのだ、それで)樋口有介という作家がちょと気になる人にはおすすめの1冊です。

  • 和製「ロング・グッドバイ」みたいな。

    「たった一度ぐらい…」
    「一度ぐらいの失敗なら、起きあがって、飛び直せばいいか」
    「椎葉さんなら、飛び直せます」
    「なんの話だ」
    「べつに…、ただの、言葉のあやですよ」

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著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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