- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167659011
作品紹介・あらすじ
警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。
感想・レビュー・書評
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久しぶりに横山秀夫を読みたくなって昔の文庫本の「山」から引き出した。完全に内容を忘れていた。面白かった。2003年2月読了のメモがある。この頃は感想文を直ぐにスマホに入れ込むなんて出来ないから章と章の間の白紙にメモしていた。
感想文の内容は省略するが、どうやらこれが横山秀夫を読み始めた最初らしい。D県警シリーズの最初だった。社会的事件ではなく、県警内部の〈事件〉を扱った短編集である。この後4年間ぐらいで立て続けに横山秀夫が10冊ほど文庫本が出て全部制覇したのを覚えている。
それほど新鮮だった。時の流れを感じる。
小説内では、まだぷかぷかタバコを吸い、家には刑事専用の電話があり、ファックスがメールの代わりになっている。まるで昭和のようだけど、21世紀の文庫本なのである(初出は98年)。4編のうち2編は警察内の出世のために東奔西走して敗れてゆく話。一編は昔気質の元刑事のプライドの話、一編は目に見えない女性差別の話。て、そんな話ではないという人も居られるかもしれないけど、私にはそう読めた。いずれにしても、少し話の構造が当たり前だけど古い。現在、横山秀夫の新作のスピードが落ちているのも、新聞記者時代のネタが尽きてもうネタ元が(死んだり退官して)居なくて描けないことに理由があるのかもしれない。 -
面白かった!
警察ものですが、捜査や犯人や刑事は出ず、人事や管理職など裏方に徹する人たちの物語。
短編集です。
どの物語も最後はどうなるか、ギリギリまで分からず、ついつい先を急いでしまいます。
どの業態もそうですが、仕事の数だけ悩みもやりがいもあるし、人の数だけ駆け引きもある。
そんな人間臭いところに共感しました。
オススメです♪ -
D県警シリーズ第1弾!
組織にあんまり依存しない一匹狼的な刑事が事件を解決する。そういうのが多いけど、このシリーズは違う。
このストーリーのメインは、捜査一課とかの華々しいとこやなくて、秘書課とか、警務課とか管理部門みたいなとこ。
人事に力あるとか、そんな人が主役。
二渡さんが、メインな気がするけど、エース一人にスポットを当てるんではなく、組織の複数の人を対象にしてる。
こんな縦社会&男社会の組織に、忠誠を誓って、墓場までってのでええの?とは思う。
出世とかそんなんに力入れてるけど、これは、普通の会社でも同じ事。
私自身が、出世とかそんなんに縁のない人なんで、大変やなぁとは思うけど、「ふ〜ん…」って感じ。
色々、権謀術数は面白いけど…
警査内部、腐っとるやんけ!上ばかり見て!もっと、国民、市民の為に動いて〜-
こんばんは。
コメントありがとうございます。
お気を悪くされたようで、すみません。
大して警察の事知らずに、オーバーにキツい事書いてしまい...こんばんは。
コメントありがとうございます。
お気を悪くされたようで、すみません。
大して警察の事知らずに、オーバーにキツい事書いてしまいました。
以後、気を付けます。m(_ _)m
すぐに、面白おかしく書こうと思って脱線してしまって…
今後も何かありましたら、コメントよろしくお願いします。m(_ _)m2021/08/23 -
こんばんは。
いや、すみません。
気分害したなんて、とんでもない!
みんな横山秀夫を絶賛する人が多い中で、新鮮な意見を読んで刺激されて、
...こんばんは。
いや、すみません。
気分害したなんて、とんでもない!
みんな横山秀夫を絶賛する人が多い中で、新鮮な意見を読んで刺激されて、
何故みんな絶賛するのか考えて、思いついて、書いたんです。
思いつきに興奮してつい書いてしまいました。すみません。
素敵なレビューありがとうございました♪2021/08/23 -
こんばんは!
ホッとしました。
ありがとうございます!
私、結構、言いたい放題なんで…
実生活でもたまに痛い目に会うので ^^;
個人的...こんばんは!
ホッとしました。
ありがとうございます!
私、結構、言いたい放題なんで…
実生活でもたまに痛い目に会うので ^^;
個人的には、どんな意見でも大歓迎ですので、また、お願いします!2021/08/23
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陰の季節 横山秀夫著
1.横山さんとのあゆみ
クライマーズハイ、64、第3の時効、真相、半落ちという具合に読み進めてきました。
長編小説では、物語の展開がクライマックスまで読めないことの面白さ、短編小説では登場人物の感情そして表情の描写が心地よい余韻へとつながっていました。
2.陰の季節
短編小説です。
読了後の感想は、心地よい余韻、、、というわけではありません。笑。
警察内部、しかも、刑事部門ではない組織を描写せているためでしょうか? 切実な心象を残します。
3.陰の季節。こんな方におすすめ
①横山秀夫さんが好きな方向け
②ミステリー好きだが、どろどろは嫌な方向け。
③ミステリー謎解きは好きだが、多少予想ができる展開が好きな方向け。
#横山秀夫 さん
#読書好きな人とつながりたい
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警察の内側である管理部門の面々を主役とした短編ミステリー。
警察担当記者という過去を持つ作者であるだけに、警察内部の出世競争、人事異動などの内情がかなりリアルに描かれていると思う。
ただそれだけに、これが現実なだけに、奉仕の精神で公正に職務に専念すべき警察が、出世や人事や定年後の天下りごときに真剣に頭を悩ませて命をかけてんじゃねぇよ、もっと高い使命感を持って仕事しろよ(笑)、という気持ちが常に傍らにあった。
横山秀夫は大好きな作家の1人で、作品としては面白く、決して作者が悪い訳ではないのだが、、そして普段から警察官という職業にも尊敬の念しかないのだが。
この作品は外で起きる事件ものが警察小説のスタンダードであった中、警察内部である管理部門(警務、監察など)を舞台として描かれたミステリーであったことから注目を浴びた作品なので、その分野の話に興味のある人には合うのかもしれない。 -
横山秀夫氏のデビュー作。D県警シリーズ第一弾。D県警シリーズの第ニ作を先に読んでしまったが、本作の方が面白かった。警察ミステリーだが、犯人逮捕やアクションシーンは無い。警察管理部門の話である。
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警察ものは久しぶりに読みました。
この「陰の季節」は警察ものですが警察内部の事件?事情を扱っていて、面白かったです。
警察もので人が死なないってなかなか斬新ですよね。それでいて面白い。
陰の季節 ★★★☆☆
地の声 ★★★★☆
黒い線 ★★★☆☆
鞄 ★★★☆☆ -
D県警シリーズは「64」「震度0」を読んでから手に取ったが、こちらを先に読んだ方が良かった。
4つの作品は二渡調査官が絡むが、主役は陰の季節のみだ。ミステリーというより組織で起こるであろう人の問題にスポットを当てている作品である。
事実がわからなかったり妄想で右往左往する様は政治でもどこの企業でも見受けられる残念な事象である。
「陰の季節」は、警察を引退後再就職した尾坂部の人事を二渡調査官が対応していく。意外な動機が待っている。
「地の声」は浜浦署生活安全課長の曾根和男警部が、取締り対象のパブ夢夢のママあゆみと不倫していると密告から始まる。二渡は、元部下の柳と内定を進め密告者を探していく。曽根の天の声に見放された地の声が響く。最後にはなるほどと思えることが待っている。
「黒い線」は婦警の失踪、警部の友子がなぜ平野瑞穂が失踪したのかを調べていく。データばかり集め、意味のない仕事を増やす人はどこにでもいるものだ。そして組織ばかり気にして人を見ないものも。少しスッキリする結末が待っている。
「鞄」は議会対策を題材に警察内部の管理部門を描いている。D県警に対して爆弾発言をすると言う鵜飼議員の鞄の中に原稿があるらしい。最後に4つの作品全てをまとめる言葉が待っている。 -
後の刑事小説の基になったと思える一冊。「震度0」に見える警察機構内部の軋轢と個人の存在意識。「顔」のストーリーの面白さなど、その後の作品の原点を感じた。
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先にFACEを読んでた。4話の短編で所々にニ渡が出てくる。40歳で警視になりクールなニ渡が第一話で、元刑事部長に翻弄され珍しくうろたえる様もありですね。黒い線はFACEの平野瑞穂巡査が無断欠勤してしまうが、原因を作った上司の顔を引っ叩いた先輩婦警の友子に胸のすくおもいでした。
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公務員としての警察官が何を考えているかがよくわかる。
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横山秀夫の警察物は相変わらず良い。
本作(D県警物)は内向きの警察作品という事だが、外回りの警察作品に引け目を取らない面白さがある。
D県警物として読んだのは私は本作が2作目だった。
初めて読んだのは、似顔絵婦警・平野瑞穂が主役の「顔」で、本作に登場した時、ん?と思ったらD県警物だという事を知った。
読了後にD県警物の64を読むつもり。 -
警察小説であるが、刑事が主役ではない。警察官僚小説といったほうが良いだろう。警察組織の管理面を中心にした短編集だ。こういう視点は斬新だ。横山小説の真骨頂であろう。警察ほど官僚的な組織もないと思わせるほど、組織優先の考え方が前面に来る。そういう組織のなかでの個人の心理的葛藤をうまく描いており、その葛藤こそがミステリのネタになっている。うまい!文章も読みやすく、人物に感情移入しやすい。題材の新規性と古典的な心理的葛藤の両面を丁寧に描いており、本当に面白い小説を読んだ気にさせてくれる。
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警察内部のドロっとした所、といった感じ。
刑事物とは違う面白さがあった。 -
面白かった。次は「動機」「64(ロクヨン)」読みます。
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元々いつかは本書を読もうとは思っていたが、今回手に取ったのは、ジャーナリスト三浦英之氏つながり。
『災害特派員』の中で、三浦氏にとって大切な人物のひとりであり、震災で亡くなってしまった、ある現職警察官の方が、「警察の内部事情を明かすといった物に嘘が多い中、横山秀夫氏の『陰の季節』はよく書けている」というようなことをおっしゃり三浦さんに薦めていらした記述があったので。
警察もの小説を色々読んではいるものの、いまだに私は組織や階級やどこのポジションにキャリアが就くなどのことが苦手なので、その部分はちょっと私には難しい。
が、話自体は興味深く読めたし、読みやすかった。 -
久々に再読。ほぼ内容覚えて無かったので、改めて楽しみました。警察ミステリーを、犯罪事件ではなく警察組織をテーマにした良作ですね。そもそも山本周五郎賞を別作品で取られてて、山本周五郎はながい坂では時代劇だったので何故だろう、と思ってはいたのですが大衆文学という整理なんでしょうね。
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心情描写に引き込まれる。『64』を読んだ後に読んだので、つながりを見つけると嬉しくなった。(Audibleで読了)
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はじめての横山秀夫さん
刑事物、面白い -
全編通して暗い...。ただその暗さが人の裏側を描いていることに密接にマッチし、独特の世界観を紡ぎ出している。二渡、新堂などの登場人物の組織内でのし上がろうとするキャリア観はこの時代の為せる技だろう...。
警察を舞台とした違う切り口で語られる物語でいっき読みできます。 -
64を読み始めて警務部警務課人事担当の『エース』二渡さんかっこいいなぁ…と思ってたところに、あら?昔二渡さんのお話読んだかもと…ふと思い出した『陰の季節』
この時はドラマでは上川隆也さんが二渡だったはず。今回64の映画では仲村トオルさんが演じるのよね。どちらも大好きな俳優さんだ。
今回読み返してみて、事件を解決してホシをあげたり人がバンバン死んでいったり、公安対刑事や組織対現場だけが警察小説になるわけじゃないんだと改めて新鮮な気持ちで読んだ。警務課が今回の主役だから、やっぱり人間の内面やずる賢さなどが主体になってしまって、勧善懲悪のすっきり感はほとんどないのだけれど、警察という組織を守っていくためにはやっぱり表で活躍するだけではなく、時に冷酷な判断を下す陰の部分も必要なんだろうね。
二渡さんが奔走するのは短編集の一つ目のお話。他のお話はちょこっと登場するぐらいなんだけれど、でも細身の眼光鋭い二渡さんの姿が現れるだけで緊張感と安心感の真逆な感情がわたしのなかで湧いてくる。やっぱり好きな人物だ。
あと、鑑識課のお話には『顔』のドラマで仲間由紀恵さんが演じてた平野瑞穂が出てきたので、次はそれを読もうかと思ってる。 -
表題作にもなっている『陰の季節』を含む、四作品収録の短編集。D県警シリーズ第一作目。
警察小説といえば、捜査をする刑事にスポットを当てるものが多い。しかし、この作品では管理部門の人間にスポットを当てている。
警察内部で起きた事件や問題を、管理部門の人間が解決するという斬新な作品。
組織の中で生きるという事を生々しく表現していて、読んでいて息苦しさを感じてしまう程。
だけど面白くないかと聞かれれば、間違いなく面白いと答えるだろう。その理由のひとつは、著者の圧倒的な筆力で描かれる“心理描写''にあると思う。
これは是非、読んで確認してもらえたらと思います。
どの作品もテンポよく読めますが、内容は決して軽くないです。むしろ、長編を読んだ時のそれに近い満足感。
読後感は必ずしも良いとは言えません。けれど、読み終わった後に改めてそれぞれのタイトルをみてみると、とても感慨深いものがあります。
警察小説が苦手だった方も、もしかしたら意外と読めてしまうかもしれません。 -
『64』を読み、D県警に興味を持ちました。
今まで横山秀夫先生の本を読んでいなかったことに後悔しました。
「陰の季節」が特に面白かったです。
『64』で得体の知れない怖い人のイメージがあった二渡がですが、実際は、嫁も子供も友人もいて、苦手なこともあると、とても人間臭かったです。
『64』を読み返したくなりました。
他の作品も凄く面白かったです。「黒い線」も好きです! -
どんでん返し的たのしみがあった。しかし警察に務めるのはつらそうとしか。
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しっかりした作り。
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D県警シリーズの第一弾
表題作含む4作品
警察小説ですが管理部門系
いずれの作品もなにか新鮮でした
終盤の謎解きに、そういうことかと!?
おもしろかったです -
警察組織の警務課、秘書課、鑑識課など普段スポットライトをあまり浴びない裏方的部署を取り上げた、切り口の違う4つの短編集。ちょっと展開に無理矢理感があり、そんなにみんな出世に貪欲なの?という疑念もありつつ、ぐいぐい引き込む文章力はさすが横山秀夫。
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1998年第5回松本清張賞受賞作を表題作にしたD県警シリーズ第1弾。
警察ミステリーだが、捜査一課や二課の刑事が鮮やかに事件を解決していくという一般的なミステリーではなく、主になるのは警務課や秘書課などという構図が斬新で面白い。その分、内部事情に入り込むため少し込み入った内容になるので、難しい部分はあるが読みごたえがある。警察内部を舞台にするため、全てに渡って「疑惑」がキーポイントになっているように思える。
全4編収録されているが、同じD県警を舞台にしていながらも主人公が全て異なるので新鮮な感じを受ける。1話目から順に読んでいくことで、「あーこの人、前話では主人公だったな」とか「意外と癖のある人物だったんだ」ということも分かり、見方変われば何とやらといった感覚も楽しめる。 -
警察だって組織。だからこそ会社員みないな泥臭い争いがあるんですね。当たり前だけど、そんな姿はあまり想像していませんでした。純粋なお巡りさんの集まりであって欲しかったです。
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県警採用の出世頭である銀行員顔の人事マン、組織防衛の為なら醜聞の隠蔽工作も辞さない。そんな静かなる野心家の二渡調査官が主役、脇役、陰役となり話を繋ぐ、D県警本部を舞台にした連作集。所謂“警察小説”とは異なり殺人事件の捜査などは一切出て来ない署内小説。こう書くと詰まらなそうだが実は非常に面白い。池井戸潤ファンに特にお勧め。但、銀行や一般企業が舞台の池井戸作に比べると、警察絡みの話だけに人生のほろ苦さをより感じる。D県警シリーズ!読破したい。最近、話題の『64』も同シリーズのようだが、いつ手に入ることやら…。
こちらこそよろしくお願いします。
ダイちゃんさんの本棚を見ていると、誠実な会社員だったんだなあ、ということがよ...
こちらこそよろしくお願いします。
ダイちゃんさんの本棚を見ていると、誠実な会社員だったんだなあ、ということがよくわかります。