正しい乙女になるために それいぬ (文春文庫PLUS 50-4)
- 文藝春秋 (2001年3月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167660123
感想・レビュー・書評
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1番印象に残ったのは「乙女と性欲」というエッセイで、
「腐女子はBLが好き」と普通は言うはずのところを「乙女はホモセクシュアルが好き」と最高のネガポジ転換をしている所が印象に残りました!
ホモは乙女の永遠のテーマとも言い切っているのにも、
腐乙女の私は自信を持ちました。
この本を書いたのが、男性だと言うのが信じられません。
腐女子は男女の恋愛に、自分なんて入らないからBLに逃げていると宣う男女共に読ませたいですね。
キリスト教式の葬式で死にたいから日曜礼拝に行くという考えも面白いし、宗教はミーハー心で興味を持ってもいいんだと思いました。
あと、「ボロは着てても心のロリータ」というエッセイに今NHKでやっている特オタOLが主人公のドラマを感じました。
中原淳一や、竹久夢二の様な美意識を持った方が今日活躍している事に日本の未来を感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
乙女のバイブルの名に間違いなし。
甘いだけの乙女節とも、労働本位でも、下世話でもない、激辛でひたすら理想を追い求める意思を数頁で次々と次々と繰り出す著者を他に知らない。 -
今思い返せば恥ずかしいですが、高校生の時分、この本は私のバイブルでした。
あの時代にしかない不安定な自我、突出した過剰意識、ナルシシスティックな被害者意識に、無意味にがっちりとそびえ立つ選民思想。そういったものを否定することなく、ひとりぼっちにさせるでなく、かと言ってあまりに過激な方向に走らせることなく、「乙女」というキーワードで胸をきゅんきゅん言わせられる女子たちの心を鷲掴みにする文体に内容。
正直に言えば、今これを読んでもにやにやすることはあれ、激しく頷くようなことはないのだけれど、でも、嶽本野ばらのこの本は、あの時代の私には必要だったんじゃないかと。
トム・ソーヤーも十五少年漂流記もゲッターロボもひとりで冒険が出来ない。でも、女の子はそんなにやわじゃない。乙女は気高く孤高なもの。こんな言葉に、たくさん勇気をもらった気がします。
中学生女子で、学校生活に怯えている方はぜひ。 -
好きな作家でもエッセイは嫌い、ということがよくあるけど嶽本野ばらはエッセイの方が好きかも
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中学生の時に読んで、なんか特別な一冊。
思春期ど真ん中で読んだ本だからか。 -
この乙女っぷり。
ここまで仰々しいいと、痛ましさより痛快さ。
突き抜けて孤高な少女、近くでみると避けそうだけど
心の底では憧れてしまう羨ましさもある。
でも、著者は男性なのですね(笑) -
乙女になったり、意地悪になったり、各章で魅せる文章の違い
が最高!
京都の鍋焼きうどん食べにいっちゃった。 -
元彼からもらって、ずっと読み続けているもの。野ばらおじさまの中で、一番まともなこと書いてる気がするし、普通にバイブル。
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なんていうか、いろいろ影響された本。
野ばらのいうことには納得する部分も多ければ、納得しない部分もたくさんあるけれど。
でも、吉屋信子さんとか夢二とかそのあたりの世界と出会うことが出来たのは、野ばらの本を読んでたからなんだろうなーとか浸ってみましたよ