ある人殺しの物語 香水 (文春文庫 シ 16-1)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661380

感想・レビュー・書評

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  • 殺人の話なのだか、とても美しい表現の数々に感嘆の連続であった。
    匂いの世界を言葉で表現する難解さをいとも簡単な打ち破っている。
    原文と去ることながら、役者の能力の高さも間違いないだろう。
    世界の醜さと可憐さを詩人のように綴ってくれた。
    難しい事をやってのけると、こうも素晴らしさが強調されるのだ。

  • 途中から面白くなる。あらすじで面白そうなストーリーと期待したが、期待に応えうる内容。

  • あらすじを読んで読みたくなった本。洋書を読むのはすごく久しぶり。ドイツ文學界最大のベストセラーらしい。匂いに関して超人的な能力を持つ男が主人公。距離的に離れていても匂いをかぎ分け人を魅力する香水を作ることができる男。その男の匂いを求めて放浪する様はあり得ないと思いつつも美しい女の子から香りたつ匂いってあるかもしれないと作中の美少女たちを想像した。ラスト主人公が自分にふりかけた香水は何?匂いで人を思うように操れることもあるかも?と思ってしまった作品。面白かった。

  • 昔に読んだ。面白かったなぁ。
    臭覚!香り!
    耽美的
    大好きな1冊。

  • 描写が美しい。読んでいるだけで香りが内側から感じる。

  • 嗅覚に取り憑かれた男性の物語。

    主人公は、嗅覚で全てのものを認識するので、暗闇や壁の向こうのものも見えずとも認識できる。

    人は視覚や聴覚で事物を認識していると思っていたが、嗅覚も侮れない感覚器官だなと感じた。

  • 匂いのない無個性な男であるときは、彼の人間性に何の親しみももてないように描かれている。しかし、人間の体臭を放つ香水を手にしたあとの、(覚醒とも思われる)変貌ぶりを読むと、匂いというのがいかに、この作品に置いて重要であるかが伝わってくる。古典のような単純な構成ではあるが、匂いの描写が緻密で、とても面白い小説であった。

  • 異様に優れた嗅覚を持つ男、グルヌイユが理想の香りを追い求めるがあまりに殺人を繰り返す。
    最初から最後まで、噎せ返るような匂いに溢れている。

  • 面白かったです。映画を先に観てしまったけれど原作のこちらも凄かった…削られてるエピソードあったんだな。。
    天才的な嗅覚を持ってて香りで何もかも知る事ができるけど、自分自身には匂いが無い…それをグルヌイユが思い知るシーンが何度かあって、それも至高の香りを求めることへ拍車をかけたのかなと思いました。
    確かに、見たくないものは目を瞑れば見えなくなるし、聞きたくないことは耳を塞げば聞こえなくなる。でも臭いを完全に遮断する事は難しくて、良い匂いも悪い臭いもダイレクトに心に影響を及ぼしてくる。そう思うと臭いを掌握することで人を支配できるというのは強ちトンデモでもないのかも。
    「神はこの程度の香り」みたいなグルヌイユの思考にハッとしました。
    でも映画でも原作でも、ラストにグルヌイユが食べられるのが分からないです。キリスト教には聖体拝領があったりするから、聖なる高貴なもの=取り入れたい体内に、という考えで捉えるのかな?と思っているのですが正しいのかわからなくてもやもや。(キリスト教徒の人にこの辺の教えを請うていますが無教会派だった為カトリックは詳しくないようで、まだ答えがない為後々追記しにくるかも)

  • 今まで読んだ本の中でも最も奇想天外な小説のひとつ。生まれつき類まれな嗅覚を備えた男の物語。彼が興味を持っているのは女性の体ではなく匂いのみ。そして理想の匂いを求めて次々と殺人を犯す。結末は意外な展開に… フランスを舞台にした小説でありながら、ドイツ人作家が書いているのも面白い。

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