- Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167812027
感想・レビュー・書評
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著者は「リンカーン・ライム」シリーズ等で人気を博したアメリカ人作家。
本書はこの人気シリーズ第7作に登場した"歩く嘘発見器"・キャサリン・ダンス捜査官を主人公にしたスピンオフ作品です。
#尚、本書をシリーズ第1作目とした新シリーズが始まっており、シリーズ第3作目までの刊行が決まっています。またシリーズ2作は既に邦訳もされているとの事。
寡聞にしてこれまで「リンカーン・ライム」シリーズの存在も(もしかしたら名前はちらっと聞いた事はあったかも知れませんが)著者の事も記憶にありませんでした。
しかし、wikipediaによると「リンカーン・ライム」シリーズ第1作「ボーン・コレクター」は、デンゼル・ワシントン、アンジェリーナ・ジョリーの出演で映画化もされた程の人気作。
本書も終盤にドンデン返しの連発(後書きの解説によれば、終盤のドンデン返しの連発は著者の十八番らしい)が決まるなど、恐らく著者の他の人気作に引けを取らないであろう出来栄えでした。
さて、前置きはこの位にしてあらすじを簡単にご紹介。
主人公・キャサリン・ダンスはカリフォルニア州全域で犯罪捜査を行うカリフォルニア州捜査局の捜査官。
彼女には人間の仕草などからその人のストレス兆候を見ぬく技能があり、その技能を用いた尋問テクニックにより、様々な犯罪を解決へと導いてきたキャリアがある。
そして、そのキャリアを買われてある事件の捜査において、服役中の元カルト集団のリーダーへの尋問を行うが、そのリーダー、ダニエル・ペルが尋問の為移送された警察施設内からの脱走に成功。
そして、そのまま逃亡するかと思いきや、何らかの意図により周辺地域への潜伏を開始する。
何度もぎりぎりの所でダンスたちの追跡から逃れる事に成功するペル。
実は彼には周囲の人間を自分の思い通りにコントロールする能力があり、事態はそれぞれに特殊な能力を持ったダンスとペルの知能戦の様相を呈し始める。
未だ逃亡せず周辺にとどまっているペルの意図は?
彼が収監される切っ掛けとなった8年前の殺人事件の真相は?
そして、事態をコントロールしている人間は誰か?
これらに加えて、夫を交通事故でなくしたダンスのプライベート模様等がストーリーに色を添えています。
また、肥満大国アメリカの現状を連想させる記述があるなど、上下巻セットと文量は多いですが、アメリカ国内向けに書かれた娯楽大作と言った感じです。
#著者が日本人作家ならば、東野圭吾さんみたいに著書がドラマ化や映画化などされていたかも知れませんね。
#実際、ボーン・コレクターは映画化された訳ですし。
この様な感じなので、普段、余り読書をしない方でも楽しめるのではないでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
捜査官キャサリン ダンスが収監されたカルト集団リーダーのペルを尋問し直後に脱獄。カルト集団の元メンバー、唯一の生き残りの少女、応援のFBI捜査官、リンカーンライム、様々な人物が交錯してスピーディに回り始めます。当然どんでん返しも。次回作も読みたいっ。
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さすがディーヴァー。
じっくりと伏線を張り、終盤に二転三転させて驚かす。
さすがです。 -
ダンスのお母さんが気になると思ってたら、あとがきの一言でやっぱり!ってなった!
早く次が読みたい! -
カルト集団のリーダーで、一家惨殺事件を起こした男が脱獄した。
追うのは、尋問とキネシクス(ボディランゲージ分析)の専門家、キャサリン・ダンス。
リンカーンライムシリーズからのスピンオフの1作目。
ディーヴァーはすごい。
最初の留置場での尋問から始まって、追い詰めたり逃げたり、そしてどんでん返しと、息をつく間もない展開だった。
最高に、エキサイティングな作品といえるだろう。
と、同時に思った。
テレビドラマ化を考えてるのだろうかと。
非常に資格的なのだ。
ま、それが妨げになっているわけじゃないけど、リンカーンライムシリーズが、彼の安楽椅子探偵的な部分のせいか非視覚的だと感じるから、余計そう感じるのかもしれない。
また、「ボーンコレクター」以降が映画化されないところを思うと、ライムシリーズは映像化したくないけど、その代わり映像化しやすいこのシリーズを作りだしたんじゃないかとさえ思うのである。
と、本編からずれた感想になっているが…。
とにかく、人の弱さと、それにつけいる者の狡猾さを見せつけられる作品だった。
面白かった。 -
すごくおもしろかったーー。リンカーン・ライムシリーズももちろん大好きだけど、同じくらい、いや、もしかしたら、より好きかもしれない、このキャサリン・ダンスシリーズ。
尋問で、人のボディランゲージやどんな言葉を使うかを観察することで嘘を見抜いたりするっていうのがまずすごく興味深かった。
人によっては、余計なこと、ととるのかもしれないけど、謎解き以外に、家庭とか子どもとか日常生活とか恋愛とか仕事とか生き方、みたいなこともたくさん書かれている気がして。ジェフリー・ディヴァーって男性なのに、プロフェッショナルな女性を描いて、その恋愛や悩みまで違和感なく描けるのがすごいなあとか思ったり。あと、被害者や加害者となる女性たちについてもよく描いてあって、なかで最終的に成長したり、強くなったりする人がいるところがうれしい感じだったり。
お得意のどんでん返しももちろんあって、いやー、ぜんぜん感づかなかったよー。
このシリーズ、続いているので本当に楽しみ。 -
ジェフリー・ディヴァー得意のどんでん返しはそれほどでもないが、十分楽しめる作品だ。
キャサリン・ダンスの主役としての魅力もミス・マープル以上にはある。 -
耐性が出来ていたはずが、また著者の手の中でコロコロと転がらせて頂きました。
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さすがディーヴァー