- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167913649
作品紹介・あらすじ
希望が死んだ夜みたいに真っ暗なこの国で――面白い作家が、凄い作家になる瞬間がある。本書を読んだとき、天祢涼は凄い作家になったと、感嘆した。――細谷正充(文芸評論家)彼女を死に至らしめたのは社会なのではないか?社会派×青春×ミステリーの見事な融合。本書に出合えてよかった。――ベル(文学 YouTuber)神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。何故、のぞみは殺されたのか? 二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がって――。現代社会が抱える闇を描いた、社会派青春ミステリー。解説・細谷正充
感想・レビュー・書評
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セリフが臭め
真犯人も意外性なし、動機も弱い -
タイトルが読み終えた後、ずしんと来ました。
個々の事情があるのに、安易にアフリカの子供を例に出す大人にはなりたくないなと感じました。
「でも、正しいことが正義とはかぎらないんだ。」
「母にだけ苦労をかけて、自分は努力する余裕があったのだ。」 -
天袮涼さんの作品とは初めての出会いでした。読み手を惹きつける展開や結論のまとめは読み応えがありました。解説の言葉を借りると、上手いから凄い作家になった転機の一冊なのですね。
幼い子供たちが犠牲になる卑劣な事件が続いた時期がありました。天袮さんはそんな社会の雰囲気を敏感に感じて考えてくれたのでしょうか。背景は様々ながら色々を諦めねばならない登場人物たち。貧困との戦い。抜け出したい渇望と阻むプライドが幼子に消せない傷を作る。悲しい結末を冤罪から救った"想像"が侮蔑から賞賛に変わる時、残された者の責任を明るくする。 -
意外な伏線、タイトル回収だったけど結末は微妙に腑に落ちなかった。
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真相が一筋縄ではいかなくて、最後に驚いた。
少女たちの覚悟が力強くて、自分の能天気さを思い知らされる。
そして、貧困という社会問題についてもっと深刻に向き合わなければならないと感じる。 -
タイトルの意味が刺さる内容だった。子供のときには分からない、大人になると分かる、たくさんあるけど、分かるほど社会・世論・周りの目で不自由になって自ら分からないでいた時分と矛盾したことばっかりやるようになる。理想と現実を突きつけられる。大人になるにつれて、希望に疎くなって自ら絶望を引き込んでいる。
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かなり良かったです。
あまり期待せずに読みました。青春ミステリみたいな、軽い感じかな?と。いい意味で裏切られました。テーマが貧困なので、面白い小説とは言ってはいけないのかもしれませんが。少女たちの、その年代だからこその焦燥感、無力感も胸に迫るものがありましたし、ミステリとしても引き込まれ一気読みでした。
おすすめです。