ハードラック

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 133
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198632441

感想・レビュー・書評

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  • 仁の人生の転落ぶりがキツかった。べつに怠けているわけでもなく、ギャンブルなどにハマっているわけでもなく、ただ身内に対するちょっとした見栄で、引き返せないところまできてしまう。人は堕ちるのは簡単なんだな・・と。ネットカフェで知り合った男には騙され、掲示板で知り合った人にも嵌められ、しかしどう転んでも罪を犯したことには変わらず、辛い展開しか待っていないとはわかっていても、どうなるのかドキドキしっぱなしだった。まぁ、母親も息子を大事に思ってるし、事件を追いかける刑事もいい人なので、そこまで救われないという話ではない。それなりに複雑に事件の全貌が明らかになっていく様はテンポがよく、とても読みやすかった。

  • 専門的なくどい説明もないし、残虐(グロい)表現も少ない
    現代の世情を背景にして純粋にワクワクできる
    スリル満点のストーリー
    万人受けしそうなミステリー作品
    好きだな~
    この作品

    窮地に追い込んだのも窮地を救ってくれるのも闇家業の人間たち
    騙したのは誰?騙されたのは誰なの??

    どんでん返し?って感じじゃないよね
    途中から犯人の人物像も読めちゃうんだけど
    でも、とっても素直に楽しめる
    http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-262.htmlより

  • 情けない、どうしようもない主人公でしたが、
    スリリングなストーリー展開で、
    途中で犯人が分かってからも飽きさせず、
    最後まで一気読みできました。
    振り込め詐欺、派遣切り、ネットカフェ住民とか
    あまり深く考えることもなく過ごせていることが
    いかに幸せか、改めて考えさせられたような気がします。
    搾取する方にならなくてもいい。
    搾取される者にはなりたくない。
    一番興味深かったのは「こういう人、いそうだな」って
    思わされたこと。
    現代の最底辺って、こういう構造になってるのかもしれない。
    もう少し早く母親の愛情に気づいていればなぁと
    思ってしまいましたが…

  • なんだか馳星周と同じ空気を醸し出していた作品だと思った。ちょっとしたきっかけで自分もあのような生活になってしまう可能性があると思うと怖い。私は最初から首謀者は鈴木だと思い込んでいたら、まさかあの人だったとは・・・でもよく思い出して見たら、あ~そうだよね。みたいなオチで少し盛り上がりに欠けていた気がする。あと仁の母親が仁に暴力をふるってたとかなら分かるが、荷物送ってくれたり、出て行った息子のことをかなり心配していたことを見ると、そこまで仁に同情できなかった。そして森下、こわい男だわ・・・

  • 行き場のない想いを被害者側から書く作家さんだと思っていたら
    これはちょっと違った
    後半、先が読めちゃうけど
    この作家さんの新たな一面が読めたので
    今後も楽しみだ

    星は4つに近い3つ

  • #読了。派遣切りを受け、ネットカフェ難民となった相沢仁は、闇サイトで知り合った仲間と強盗を企てる。その犯罪行為の最中、仲間に裏切られ殺人事件の犯人として指名手配を受けることに。独自に犯人を捜そうとするものの。。。先へ先へと読ませるスピード感は良かった。背景を考えると、もう少し前に読んでいればもっと楽しめたかも。

  • ツイてないネットカフェ難民の男が一攫千金を夢見るが、嵌められて強盗殺人犯に、逃亡しつつ真犯人を探す。どんどん主人公が落ちてく様子がリアル。テンポが早く飽きないで最期まで読ませてくれる。ちゃんと読者の気持ちもラストに納得させ終わるのでスッキリ。

  • 相変わらず薬丸さんの書く作品はテンポが良くて一気に引き込まれます。
    仁が転落していくさまはいかにもありそうなんだけど、
    誰もが一度だけ、ちょっとだけと魔が差し、落ちていく可能性がある分、恐ろしい。
    仁が真犯人を見つけるのが先か、殺されてしまうのが先か、警察に捕まるのが先かとドキドキしながら読み進めました。
    逃走中にした母との会話は痛々しい。戻りたいと思った時はもう遅いんですよね。。
    今回はいつもとは違う方面からの話かと思いきや、最後はやっぱりそこにたどり着くんですね。
    そして今回もまた被害者の立場で考えさせられました。
    今までの作品よりは少し軽い感じではありましたが、メッセージはちゃんと伝わりました。

    【人生をやり直したかったのだ。ネットカフェ難民相沢仁は、闇の提示板で募った仲間と軽井沢の金持ちの屋敷に押し入った。だが物色中、仁は何者かに頭を殴られて昏倒。ようやく独り逃げた彼は報道で、屋敷が全焼し、三人の他殺体が発見されたと知る。家人には危害を加えないはずが、おれは仲間にはめられた。三人殺しでは死刑は確実。正体も知らぬ仲間を、仁は自力で見つけねばならなくなった…】

  • 図書館より
    ネットカフェ難民となり、所持金も騙し取られてしまった青年が闇のネット掲示板にいっしょにでかいことをしませんか?と書き込みをし、集まった仲間とともに強盗に挑むが、気絶させられてしまい三人の殺害容疑をかけられることになる。

    今まで読んできた薬丸さんの作品は、犯罪者と被害者の話や贖罪や赦しの話など社会派の重いテーマのものばかりだったのですが、今回は濡れ衣を着せられた男の逃走劇を中心としたエンタメ要素の強い作品でした。

    話の最初に語られるのは、主人公がどうしてネットに書き込むまで追い込まれてしまったのか、ということなのですが、これがとにかくリアル……たしかに今の社会では一度穴に入り込むとよっぽどのことがない限りそこから抜け出せない感じがします。

    そして中盤以降は犯人捜しが中心に。ハラハラさせる展開に薬丸さんの文章の読みやすさも手伝いどんどん読み進めていってしまいます。

    犯人については終盤である程度見当がついてしまったのですが、これまでの作品とテーマは違えどきっちり作品を仕上げてくるあたりはさすが!
    現代社会の闇の怖さもリアルに伝わってきました。

  • 最近作品を多くスパンを空けずに読んだせいか、
    作者からは考えられない、作風になっており驚いた。
    読みやすいし、緊張感も多彩に出ており、
    結構好きな感じ。
    何となく、ヨメた所が少し物足りなさを感じた。
    罪を罪で反すアイロニー感が、何とも言えない。

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著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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