- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784299005304
作品紹介・あらすじ
『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞を受賞した青山美智子の2作目が待望の文庫化。
失恋のショックから立ち直れないミハルは、ふと立ち寄った神社で、お尻に星のマークがついた猫――ミクジから「ニシムキ」と書かれたタラヨウの葉っぱを授かり、「西向き」のマンションを買った少し苦手なおばの家を訪れるが……。中学生の娘と仲良くなりたい父親。なりたいものが分からない大学生……。なんでもない言葉をきっかけに、思い悩む人たちの世界がガラッと変わっていく――。 お告げの意味に気づいたとき、ふわっと心があたたかくなる。7つのやさしい物語です。インスタフォロワー数250万人超のミニチュア写真家・田中達也氏がカバーを手がけています。
感想・レビュー・書評
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連作短編集7篇
悩める人がふと訪れた神社で猫と出会いタラヨウの葉のお告げを手にする。そこから始まる人生の転換の物語。どれもほっこり温かい気持ちになる。プラモデル屋のおじいさんのお話「タネマキ」が良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やっぱり青山美智子さんの作品は、読んで心がほっとあったかくなる。
幸せは手に入れるかどうかじゃなくて、気付けるかどうかなんだろうなと改めて再確認。
1番心に残ったフレーズは、3枚目ポイントの
僕はずっとどこへ行けばいいのかわからないと思っていた。何を選べばいいのか、何を決めればいいのか。先にある終着点を探していた。でも、それよりも前に、もっとわかっていないことがあった。
まず知るべきは、目的地じゃない。
現在地だったんだ。
現在地を知ること。ついつい疎かにしがちだけど、現在地がわかっていないと、地図も読めないし描けない。
大切だなあ。 -
もし今の自分だったら、どんなお告げがあるんだろう。強く願うことは私にもある。その願いが叶うためには、努力できる部分と自分の力だけではどうすることもできない部分がある。そのできる、できないももしかしたら、決めつけてしまっているだけかもしれないけれど。それぞれの主人公がいろいろな人の力を借りて毎日を懸命に生きていく姿が素敵だと思った。きっと何気ない日々だけれど私も懸命に生きていると思っていいのかな、なんて考えた。
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青山美智子さんの本は毎回心がぽっとあったかくなります。いろいろと人生辛いことが一気に起こって、心が壊れてしまいましたが本当に青山美智子さんの本のおかげで取り戻せています。特に「猫のお告げは樹の下で」は、今の自分から見える小さな兆し、希望のようなものにより彩りを加えてくれて、これから明るい未来が待ってるのかもと思えました。
他の本もどんどんと読んでいきたいです。
この本と出逢わせてくれてありがとうございます。 -
ミクジがいなくても、生きていく上でミクジのような存在になってくれる人はいるのでは?と思える作品
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青山美智子さんの作品が好きで、最近読んでますが、その中で一番泣けます。姫野先生が出てきたことも嬉しい。