- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309464152
感想・レビュー・書評
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★『ヘベはジャリを殺す』(ブライアン・エヴンソン)ジャリのまぶたを縫い合わせてしまうと……
★『チャメトラ』(ルイス・アルベルト・ウレア)傷口からあふれ出る夢。
★『あざ』(アンナ・カヴァン)別格。
★『どう眠った?』(ポール・グレノン)部屋のように眠るふたりの会話。
★『父、まばたきもせず』(ブライアン・エヴンソン)エヴンソンの異様さは、やはり別格。
★『分身』(リッキー・デュコーネイ)もうひとりになる。
★『オリエンテーション』(ダニエル・オロズコ)文庫版で追加(ジュディ・バドニッツの代わりに)。
★『潜水夫』(ルイス・ロビンソン)鼻の頭に汗を掻く。じんわり嫌な迫力。
★『やあ!やってるかい!』(ジョイス・キャロル・オーツ)アア、殺ッテルサ。
★『ささやき』(レイ・ヴクサヴィッチ)不気味さが最終一行で唐突に背後から肩をつかまれたよう。
★『ケーキ』(ステイシー・レヴィーン)この文体に山下澄人の源流を見た。
★『喜びと哀愁の野球トリビア・クイズ』(ケン・カルファス)本編よりも解説、小人を代打にすることでストライクゾーンを狭めたという挿話にくらくら。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
翻訳家の岸本佐知子が「二度と元の世界には帰れないような気がする」短篇を精選(※河出公式からコピペ)したというアンソロジー。なるほど全体的に不穏で不条理、アンソロのテーマとしては面白い。そして知らない作家さんを手軽に「味見」できるのもこういうアンソロの醍醐味ですね。ただわりと、収録作品の好き嫌いは分かれました。
好きだったのは、安定のアンナ・カヴァン「あざ」、ラテンアメリカぽい極彩色のグロテスクな幻想が強烈なルイス・アルベルト・ウレア「チャメドラ」、超短編ながらファンタスティックでグロテスクでエロティックなリッキー・デュコーネイ「分身」。レイ・ヴクサヴィッチ「ささやき」も面白かったけど、これはちょっとホラー寄りだった気がする。
ブライアン・エヴンソン「ヘベはジャリを殺す」は、好きなのだけど怖い。ステイシー・レヴィーン「ケーキ」までいくと、ただ単にわけがわからない(苦笑)ケン・カルファス「喜びと哀愁の野球トリビア・クイズ」は、野球の描写が面倒で読み飛ばしましたごめんなさい。
※収録作品
ブライアン・エヴンソン「ヘベはジャリを殺す」
ルイス・アルベルト・ウレア「チャメドラ」
アンナ・カヴァン「あざ」
ポール・グレノン「どう眠った?」
ブライアン・エヴンソン「父、まばたきもせず」
リッキー・デュコーネイ「分身」
ダニエル・オロズコ「オリエンテーション」
ルイス・ロビンソン「潜水夫」
ジョイス・キャロル・オーツ「やあ!やってるかい!」
レイ・ヴクサヴィッチ「ささやき」
ステイシー・レヴィーン「ケーキ」
ケン・カルファス「喜びと哀愁の野球トリビア・クイズ」