- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334035662
感想・レビュー・書評
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288-N
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ハプスブルク家の〜に続けて読了。同じ時代を違う視点から見ることで歴史に立体感が出て余計に面白かった。
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貴族が自領を離れヴェルサイユへ引っ越すことを参勤交代に例えるなど、解説が分かりやすい。
それにしても、フランス革命時にルイ16世がパリ市民に被せられた帽子が古代ローマ時代の解放奴隷の帽子に由来していたとは。
事件のことも古代ローマの風習も知っていたが、この本でこれらが初めて結び付き「そういうことか!」 と膝を打った。
敵意を持った市民が国王に帽子を被せられるほど接近できるなんて絶体絶命であり、市民はもはや少しも国王を崇敬していないのだな。としか思っていなかった。
しかし市民が解放奴隷の帽子を国王に被せるということは、すなわち王権神授されたとされる国王を平民(市民)の手によりその身分(特権)から解放して(取り上げて)やるぞ。という皮肉が込められていたのではないだろうか。
国王の味わった屈辱感は相当なものだっただろうと新たに思った。 -
面白かった。ハプスブルク、ロマノフ、イギリス王家の三冊とともにもう何周かすると理解がずっと深まるのだろう。まだまだだな。
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名画で読み解くシリーズあるある
・画家死にがち
・ギロチン出てきがち
・近親婚しがち -
中野京子さんの語り口が絵画の人物を実在の人物に近づけてくれます。太陽王ルイ14世の肖像画はチャールズ一世の狩場の肖像画と同じ構図だけれども、解説の後に改めて見ると、隅々を意識したルイ14世のポージングが見てとれて、この時代、美脚は男性のものという事実も興味深く、この時代の男性貴族がカツラをつけてバレエのレッスンを受けてた様を想像し、この人たちもかつて本当に生きて存在していたんだと不思議な実感を伴って絵を見ることができました。ポンパドール夫人が文句なしに美しい。
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勉強になる
何しろ医者たちがこぞって(水中で毒素が体内に侵入すると主張)、誰が年に数回程度しか風呂に入らない。おまけに下着の洗濯の回数も極端に少なかったので、浴びるほど香水をふりかけねば体臭を消せない
先代からの赤字に加えてアメリカ独立戦争援助などで資金繰りに悩んだルイ16世が、特権階級への課税を目論んで頓挫したのは、貴族達が頑強に反対したためだ。それどころか彼らはこれをきっかけに逆襲し、王権を制限すべく三部会の召集を要請、16世に認めさせた。ところがここから案に相違して、貴族は主導権をブルジョワジーに奪われてしまう。
こうして貴族の反抗から出発した小さな雪だるまが、坂を転がるにつれ大ブルジョワジーに飲み込まれ、そこへ法律家や商人、自由業者といった小ブルジョワジーが加勢し、ついには凶作に飢えた庶民や農民までもが一緒くたになって膨れ上がり、雪崩と化して王政を葬り去ったのだ。 -
ハプスブルク家に次いで、隣り合いいがみ合い、マリー・アントワネットによって繋がったフランス王家、ブルボン。
芸術の国の王家らしく、肖像画も、関わる革命の絵ですらも、残る絵画は美しい。
ハプスブルク家よりも短く、どうしても繋がりのある部分(特にルイ16世からナポレオン)に知っている部分は片寄ってしまっていたが、かいつまんでではあるものの、他の時代を知れたので良かった。
王家の争いは、どうしてこうも卑しく、ときに愛に溢れ、人間的なのであろうか。