- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334744649
感想・レビュー・書評
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二転三転、どころか次々に状況が変化し、真相が入れ替わっていく。語り手によって真相が変化する(ように見える)のは芥川龍之介『薮の中』風。
おもしろかった。声を大にしては言えないような、こうした人間の負の部分に焦点を当てた話は好き。 -
一人の女の子の死を巡って3つの家族の形が浮き彫りになる悲しくて救いようがないお話。
全員に動機があって、全員が自分を犯人に仕立てあげようと考えたり逃れようと救いを求めたり。憎んだり愛したり。
1つも本当の愛はなかったし誰も救われなかったけれど。
何より1人の小さな命が失われたことに誰も心から悲しまないのが恐怖。
人生は簡単で、運命は勇気を出して新しい一歩を踏み出した物にいつも優しい
歳をとれば、人には過去しかなくなっていく
だからその時までに過去になる今を素敵に過ごしたいとわたしは思うよ。
伊坂さんがおすすめしてたけど読んで良かった。 -
各所でおすすめされていたのを知り読んでみた。
が、本当に救いのない話だった。殺された女の子が不憫でならない。
どこまで読んでも犯人がすっきりしない。
すべての登場人物が犯人でもおかしくない。
読んでいて苦しい。
惹きこまれたが、おもしろい話ではない。
評価が難しい作品だと思う。 -
ドロドロした人間模様。 心の闇。 理不尽な殺人。
そんな小説が読みたくて、この本を選んだ。
「真犯人は一体誰なのか!?」
登場人物全員がそれぞれの「独白」という形式で語られ
真相が二転三転していく。
だから一体 誰が犯人なのよーーーー!
憎悪や嫉妬、我儘、家族の崩壊...
自ら望んで読んだが、読後はどんよりした気分に。
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内容(「BOOK」データベースより)
ごく普通のありきたりな家庭。夫がいて娘がいて、いたって平凡な日常―のはずだった。
しかし、ある暑い夏の日、まだ幼い姪が自宅で何者かに殺害され庭に埋められてしまう。
この殺人事件をきっかけに、次々に明らかになっていく家族の崩壊、衝撃の事実。
殺害動機は家族全員に存在していた。真犯人はいったい誰なのか?
連城ミステリーの最高傑作がここに。 -
連城作品、初めてでした。
長男に勧められて読んでみることに…。
登場人物がそれぞれの心情を告白する方法で表現されていました。
読者としては、二転三転する告白に騙されながら、どんどんはまってしまいます。
ちょっと重い内容ですが、他の作品も読んでみたくなりました。 -
一つの事件が様々な視点から語られる、その人物だけ知る事実と己の感情。人の負の部分が強く描かれ、その余りの強さにそこに輝きを感じてしまいそうになった。
重圧な一冊。
ストーリーも一貫された空気と纏まった展開で素晴らしくよく出来たミステリーのように感じました。
個人的な話ですが、京極夏彦の描く作品(「死ねばいいのに」を描いた際の京極)とよく似ていて、若干の仏教めいた臭いをスパイスに交えるとこのような結末(少女)に辿り着くのだろうか…感じました。京極の方がポップですが。 -
白光
怖い。やっぱり怖い。連城氏は人の心理を倫理に捕らわれず真っ正面から見ているように思います。「恋文」のように切なく悲しくも書けるし、この作品のように現実と本人から見たことの差まで描くこともできる。だんだん人間不信にまでなりそうな恐怖。けど、それぞれの行動理由はひどく切実だし、必要なことだったりするんです。自分が登場人物の誰であっても、きっと他の行動なんてとれない。それがどんなに辛い結果を生むとしても…。家庭内の事件で絶望までも書ききる。二転三転する状況以上に、それぞれの「罪」の重さに引き込まれた作品でした。 -
独白。。。
語る本人だけが信じる事実。
騙る本人だけが知る真実。
ある家族を襲う一つの事件と独白の果てに見える真実。
まばゆい白光の向こうにあるものの正体とは?
連城三紀彦が魅せる幻惑の超大作、お楽しみください。
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事件に絡む人物たちの壊述によって二転三転する真実。 壊述ゆえに、思考の軌跡が細かに綴られる。それにしても、救いがない…。読んでて、苦しい。