白光 (光文社文庫 れ 3-6)

著者 :
  • 光文社
3.33
  • (32)
  • (90)
  • (134)
  • (34)
  • (11)
本棚登録 : 891
感想 : 123
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334744649

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 少女を殺したのは誰なのか。
    家族の独白形式で進んでいくけど、皆言ってることが違うから最後まで翻弄された。

  • 面白かったのですが、複雑で・・・え?え?え?・・・??

    ・・・で、だから何なん!?みたいな感じでした~~~w
    暗くて、コワくて、スッキリしなくて、どよーんとなりました。。。

  • その真相を信じてはいけない。
    「あの子を殺さないとこの家は大変なことになる」
    「少女殺し」の背景にある、あまりに切ない真実。
    連城ミステリーの真骨頂。

    ある平凡な一家の主婦にすぎなかった。夫がいて、娘がいる。
    ある夏の暑い日に、妹が幼い姪を預けに来るまでは。

    その日歯科医院から帰ってくると姪は何者かに殺害され、庭に埋められてしまっていた。
    真犯人は、ほとんど呆けてしまっている祖父なのか。
    家族は次々に独白する。そして次々に明らかにされる新事実。

    冒頭からエンジン全開で結末までフルスロットル!無駄な文章がなくところどころの比喩はとても美しかった。
    繰り返される新事実に少し辟易するものの、結末の"真犯人"は予測できなかった。
    一流のフー&ホワットダニットだと思います。

    ミステリ  :☆☆☆☆☆
    ストーリー :☆☆☆☆
    人物    :☆☆☆☆
    文章    :☆☆☆☆☆

  • すごい読むのを楽しみにしてた作品。

    聡子の妹である幸子の娘である直子がフウゼンカズラの木の下で死体となって見つかった。

    話が二転三転するけれど、結局は落ち着くとこに落ち着いた感じで終わってしまった。

    唯一驚いたのは、聡子の娘が←名前ど忘れした、も事件に関わっていたこと。憎み合いは怖いね。

  •  妹から姪を預かった聡子は苛立っていた。カルチャーセンターに行くと言っていたが、それは嘘に違いない。妹は浮気をしているのだ。片棒をかつぐような真似はしたくないと思いつつ、またしても断ることができなかった聡子は、少しの間なら大丈夫だろうと姪とボケが始まっている舅を家に残し、自分の娘を歯医者に連れて行った。しかし帰ってきた聡子を待っていたのは、姪の変わり果てた姿だった。庭のノウゼンカズラの木の下に埋められていた姪は、一体誰に殺されたのか?

     章によって語り手が違うのだが、誰もが少女を殺す動機をもっており、皆が怪しげな行動をとっている。大きな嘘をつくわけでもないのに、独白ごとに新たな真実が見えてきて、実は連鎖によって少女が死に至ったことが明かされる。その中に子供まで入っていたのには驚いたし、それによってさらに物語は悲惨さが増すのだが、読み物としてはとてもうまく、感心させられた。

  • 二、三ヶ所震える場面があった。まだまだ何かあるぞと先が気になって、手が止まらなかった。
    しかし、しっちゃかめっちゃかに終わったなぁ。
    色んな要素がありすぎて、また基本のトリックが不安定で「これについてはどうでもいい。あれもどうでもいい。」と考える内に、ほとんどどうでもよかった気になり、面白かったかどうかもよくわからなくなってしまった。

  •  読み始めるなりページを捲る手が止まらなくなって一気読みした……(が、むごい話だった。小さな子が大人たちのエゴの犠牲になる筋なので、その手の話は読みたくないという方は要注意)
     これは現代版「藪の中」だなと思った。人は自分の見たいものしか見ない……。

  • 最初は不自然に思えるそれぞれにとっての事実・真実が少しずつ繋がり…読み進むにつれて解けてくる謎。最後は少し不完全燃焼感あり、かな。

  • とある夏の日。姪である直子をあずかって、彼女と舅を残し歯医者に行って帰ってくると・・・・直子は何者かに殺害され、庭に埋められていた。

    フーダニット的なミステリではなく、なんていうか、登場人物の心の裡を一人ずつ少しずつスポットをあてていって・・・という。二転三転する物語の真実がなかなかに面白い。それぞれの犯行動機を独白している中、一体だれが直子を殺したのか?

    なんとなく直子を台風の目のようにして、登場人物の思惑がいろいろとうずまいているというか。みんな思うところはそりゃあるんだろうけど、結局のところ投影されている直子は本当の意味での被害者だよなあ、と。いろいろ言ったところで彼女に罪はないわけだろうし。ちょっとしたボタンの掛け違え的なことも積み重なると・・・ということでしょうか。なんとも哀しい・・・

    と思って読んだら最後で・・・うーん。

  • 『告白』『独白』を多用した傑作。
    主観で語られる内容が、真実とは限らない…とても面白い!

    少女は何故死ななければならなかったのか?

    最後の真相には、だいどんでんが待っている。再読

全123件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

連城三紀彦
一九四八年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。七八年に『変調二人羽織』で「幻影城」新人賞に入選しデビュー。八一年『戻り川心中』で日本推理作家協会賞、八四年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞を受賞。九六年には『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。二〇一三年十月死去。一四年、日本ミステリー文学大賞特別賞を受賞。

「2022年 『黒真珠 恋愛推理レアコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

連城三紀彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×