老人と海 (光文社古典新訳文庫 Aヘ 1-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752996

感想・レビュー・書評

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  • やっと読みました!
    名前はずっと前から知っていましたが、やっと読みました(笑)
    これこそ、まさに「男のロマン」「ダンディズム」って感じでした。
    読みやすくグイグイ入ってきて、映像がリアルに浮かんできました。
    まさに映画にもってこいの本ですね。
    古典とは思えない新鮮さがあります。
    ぜひぜひ、読んでみてください。❗

  • 大魚に引かれながら身体を痛められながらも、自らの成功がだんだんと無になる様をまざまざと見せられながらも、決して諦めない姿がたまらない



    大魚との戦いのさなかにふと見上げた空に飛行機があって、飛行機から見る景色はどういったものだろうと独りごちる姿にはっとする。
    海や魚との戦いぶりについてはまさに経験豊富で知らぬことなど無く、まるで恋人みたいな理解を示すのに、他の世界に対してはそうではない。
    狭い世界で自分の役割を突き詰めた男の格好良さを表すのになんて秀逸な対比なんだと感動。

    おじいちゃん、かっこよすぎるよ

  • 高2の夏。寡黙な老人と厳しい自然が思い浮かぶような、、浮かばないような、、

  • Amazon Prime無料で読む。

    作家としてはだいぶ落ち目だったヘミングウェイが、老年になって『このままでは終われない』と奮起して書き、高い評価を受けた一作らしい。
    まさに老体をひきずってカジキと苦闘する主人公の漁師の姿と重なるようだ。

    せっかく取った大物カジキも鮫に食われまくり、銛やナイフといった武器も激闘でひとつひとつ無くしていき、最後はほとんど素手で戦う姿が物悲しい。

    そして骨だけくくりつけられている船を見て少年が泣くという展開はけっこうベタで、少年向けの読み物のような感じがする。

    骨は現実に持ち帰った勲章でもあり、それを持ち帰れたのは漁師としての半世紀にわたる経験があったからこそなせる業だ。

    肉は食われても骨がある。
    老いてもまだ何かしらをやれる気骨、土台があるということだ。

    もっとも老人はただカリブ海の島に生まれたから漁師として生きてきただけかもしれないし、向上心や克己心があったかどうかもわからない。

    しかし日々積み重ねることをせず、年だけを取った老人なら、きっと骨すらも得られなかったことだろう。

    せめてレモンか塩がほしい、とぼやきながらシイラをさばいて刺し身で食べるとき、しょうゆも何もつけない生魚の味が伝わってくるようだった。

  • 老人と魚の対決、そして自己との対話。引き込まれる情景描写。色褪せない名著。

  • とてもよかった。昔読んだけれど、年齢を重ねたことでわかる良さのある小説の一つ。

    訳者解説、あとがきもとてもよく、老人は常に一定のトーンで話しているというこの訳がとても私にはしっくりきた。
    若い頃読んだ時は「…で、なんなの」とか思ってしまったものだけど、今読むと老人の、海や魚や鮫を通した自己との対話がとても示唆に富んでいるというか…。じっくりと読む価値のある小説だった。

  • 名作でありながら今まで読んでいなかったことを悔やむ。何度読んでも楽しめる単純明快なドラマで、老人の孤高奮闘が今にも眼前に繰り広げられるように想像できる。原作から加筆されたとあとがきまでしっかり読みたくなる作品は名作ならでは!

  • ひたすらに老人の心境を記している。
    全く飽きないで一気読み。

    テーマはシンプルで深い気がする。

    老人の命
    大きな魚の命
    敵の命
    太陽の命

    毎日、太陽を殺そうとすることになったらどうなるか。いやはや、人間は幸せに生まれついてる、と老人は思った。

  • 負けるとは客観的なものなのかな。

  • 言わずとしれたヘミングウェイの代表作で遺作でもある老人と海。海との対話、モノローグ、ただ海と向き合う老人の姿、プライド、少年との関係、メジャーリーグ。キューバ、ハバナ。美しくかつ力強い小説である。ハードボイルド。
    今キューバにいくことは難しいのは残念なことだけれど、いずれの日にかキューバ、そしてヘミングウェイが暮らしていたフロリダのキーウェストにも行ってみたい。キーウェストはお金持ちの別荘地になっているようだが。
    本書所収の年譜にも「冬はキーウェストで過ごし、夏はモンタナ州で狩猟や狩を楽しむ」という記述があり、往年の大作家という暮らしぶりが羨ましい。

著者プロフィール

Ernest Hemingway
1899年、シカゴ近郊オークパークで生まれる。高校で執筆活動に勤しみ、学内新聞に多くの記事を書き、学内文芸誌には3本の短編小説が掲載された。卒業後に職を得た新聞社を退職し、傷病兵運搬車の運転手として赴いたイタリア戦線で被弾し、肉体だけでなく精神にも深い傷を負って、生の向こうに常に死を意識するようになる。新聞記者として文章鍛錬を受けたため、文体は基本的には単文で短く簡潔なのを特徴とする。希土戦争、スペインでの闘牛見物、アフリカでのサファリ体験、スペイン内戦、第二次世界大戦、彼が好んで出かけたところには絶えず激烈な死があった。長編小説、『日はまた昇る』、『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』といった傑作も、背後に不穏な死の気配が漂っている。彼の才能は、長編より短編小説でこそ発揮されたと評価する向きがある。とくにアフリカとスペイン内戦を舞台にした1930年代に発表した中・短編小説は、死を扱う短編作家として円熟の域にまで達しており、読み応えがある。1945年度のノーベル文学賞の受賞対象になった『老人と海』では死は遠ざけられ、人間の究極的な生き方そのものに焦点が当てられ、ヘミングウェイの作品群のなかでは異色の作品といえる。1961年7月2日、ケチャムの自宅で猟銃による非業の最期を遂げた。

「2023年 『挿し絵入り版 老人と海』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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