中途半端な密室 (光文社文庫 ひ 12-6)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334763626

感想・レビュー・書評

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  • 読んでみたかった東川先生作品、やっと読めました。
    体裁は短編集ですが、最初の1編以外は全て同じキャラが
    出てくるちょっとしたシリーズ物で、加えて
    全てが推理クイズのように作品の中でも「安楽椅子探偵」
    として与えられる情報のみで推理していくテイストでした。

    なのでか、何となくゲームブックを読んでるような
    感じで楽しめましたね。

    東川先生といえば「謎解きはディナーのあとで」の
    ヒットもまだ記憶にありますから、他のも読んでみたいです。

  • 文章や言い回しで、まだ未熟なところが見られるが、作者の非凡な才能が随所に見られる。デビュー前からこの仕上がりはさすが。

  • ユーモア要素は少なくて、意外と本格ミステリー。岡山弁も本格的www

  • 東川さん初期の短編を中心に集めた文庫。5話あって、どれも独立して読めるけど、うち4話は探偵が同じ。すっきりとしてどれも読みやすい。個人的には十年の密室・十分の消失が好き。わたしは東川さんの本は光文社のものしか読んでいなくて、ディナーのは知らないんだけども、いままでで一番好きだったのは、交換殺人に向かない夜。読後感が少しそれに似ていた。ユーモアがきいて、さっくりしているけど、しんみりと切なくなる、そんな感じ。とはいえこの人の真骨頂はユーモアミステリなので、その意味で言えば有馬記念の冒険は設定に洒落がきいていてよかった。あー、結局どれもすきだなあ。

  • 短編集。
    安楽椅子探偵もの。
    読みやすい。

  • デビュー作だというけれど、本当に楽しかった。
    サスペンスも結構好きだけれど、もともと人の妬みとか恨みを強く打ち出したような作品が好きじゃないからなのか、すっきりとした作品で好感です。
    東川サン、私好きかも。文庫のものが他にあったら手にしてみようと思いました。

  • 久々に東川篤哉さんのユーモアミステリが恋しくなり、本屋へ。
    以前は見るたびに違和感を覚えた表紙ですが、嵌りだしてからは一目で作者が分かって便利です。

    今回は短編集。
    テニスコートで発見された男の死体。コートには内側からカギがかけられ、周囲には4mの金網。犯人は内側からカギをかけてわざわざ金網を上って逃げた?!
    とある大学生の下に届いた南の国に滞在中の友人からの手紙。そこには彼が巻き込まれた奇妙な殺人事件を解決してくれと書かれていた。パラソルの下の全裸死体の謎を解け!
    など、全5編が収録。

    短編と侮るなかれ、なかなかどうして脳汁が出てきそうな難問ぞろいです。
    どこか間の抜けた空気感の中に、ずどんとガチのミステリー要素を盛り込んでくるので、ひとつひとつの話がわくわくして読めます。
    烏賊川シリーズは実際に事件に巻き込まれて~という展開が多かったですが、これらの話はすべて安楽椅子探偵による推理が光ります。
    ミステリーが好きな方、是非謎解きに挑戦してみて下さい。

  • 東川氏の短篇集です。主に安楽椅子探偵モノ。
    東川氏の短篇集と言うと、長篇にも増して軽快さとコミカルさが絶賛増量中です!みたいなユーモア溢れる話が多いですが、この短篇集も例に漏れずそんな1冊でした。そしてどの話も「おお~(ププッ)」となります。

    元々テンポの良い文体と話の運びが短いページ数でトントン進むので、途中で飽きることなくすいすい読み進められます。短篇集だと、さっと1話読んで休憩できるので、気楽に読めていいですね。

    登場人物は大学生コンビを軸に、やはりちょっととぼけた憎めないキャラクターばかり。個人的には高校生が主人公の鯉ヶ窪学園シリーズよりも、この大学生コンビ(もしくはもう1人の彼を追加して3人組でも)をメインにしたシリーズものがあれば是非読んでみたいなあと思います。

  • 東川篤哉デビュー作を含む短編五作を集めた短編集。   
    全てが安楽椅子探偵形式。 たまたま赴いた先で事件に遭遇するなんてことはない。  
    少ない情報から辻褄を合わせていく様は読んでいて面白い。  
    「なるほど」「そうだったのか」のオンパレードでした。

  • 東川篤哉の初期短編集とのことだったので、興味を惹かれて読んでみました。
    読んでみて、この作者は最初から本当に本格が好きな人だったんだなと改めてよくわかりました。最近のものよりやや淡泊な印象はありますし、ギャグもまだそれほど切れていませんが、魅力的な謎、論理的かつアクロバティックな解決という、本格の本質的な要素はがっちりと守られたものばかりで、とても楽しめました。家1軒を10分間で消してしまう豪快なトリックは、現実味は薄いのかもしれませんが、僕はほんと好きです。

著者プロフィール

1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、2002年、光文社カッパノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」にて『密室の鍵貸します』が有栖川有栖氏に推薦されデビュー。11年『謎解きはディナーのあとで』が第8回本屋大賞第1位に輝き、大ヒットシリーズとなる。「烏賊川市」シリーズ、『館島』、『もう誘拐なんてしない』、「探偵少女アリサの事件簿」シリーズなど著書多数。

「2023年 『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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