刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫 た 4-46)

著者 :
  • 光文社
3.88
  • (28)
  • (53)
  • (39)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 417
感想 : 45
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334766443

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 我が家に縁のある方らしいので、どれどれと思い読んでみました。

    70年以上も前の小説ですが、なんでしょう古くささや読みにくさはありませんでした。

    神津さんかっこよすぎ。そして謎とき早すぎ!すげぇ!

    やはり古き良きミステリーはいいですね。
    読者への挑戦とか滾りますね。

  • 恥ずかしながら、高木作品初読みです。読友さんたちがこぞって推薦する名探偵神津恭介。颯爽と現れ美しい推理を披露し…ああ、間違いないです。ついていきます!刺青、バラバラ、密室、双子。美しい耽美な世界が見事に作られているのを感じます。どこかにふわっとクイーンやダインの香りが漂う気がして嬉しいのは欲目かな。今となってはトリックは目新しくはないのかもしれませんが、〇〇の意味がとても良かった。綺麗な本格探偵小説でした。もっと早く読めば良かったです。更に、スカイエマさんの表紙絵が好みで、読後何度も隅々まで眺めました。

  • 機械的密室と心理の密室にネガポジの反転、全部全部きれいに騙された!半分以上過ぎてから登場する名探偵・神津恭介のあっという間の謎解きもあっさりしてて良い
    研三と神津恭介の仲の良さには友情ってどんな時代でも変わらないんだなあと思いました

  • トリックの秀逸さもさることながら、刺青の魅力が伝わってくる一冊。刺青が反社会的なとものとして捉えられてしまってることが残念にかんじます。

  • 最初の百頁くらいは延々と刺青講座。やっとバラバラ死体だ、密室だ…で、探偵登場はやっと半分過ぎてからなんである。密室はあっという間に解決しちゃったけど、確かにその意図は分からんかったわ。ちゃんと騙された〜。
    色々と古めかしい気はするが、刺青周辺の人と医者学者に探偵と警官しか登場しないから、さほど違和感なし。
    ただ、「夜の女」とは言え、彼女にも生活があったわけで、消えたら隣人なり同僚なりが騒ぐんじゃなかろーか。

  • タイトルの「刺青」は「しせい」と読む。
    刺青競艶会で他を圧倒して優勝をさらった絹江の「大蛇丸」。
    研三と早川博士によって見つけられた死体は、密室の浴室で胴体だけが持ち去られたバラバラにされていた。
    流れ出る水道の水で、死体の血はきれいに洗い流されていた。
    やがて絹江の夫である竹蔵が発見され、絹江を殺して自殺したと思われた。
    だが、第三の惨劇が起きる。
    絹江の兄・常太郎が刺青を剥ぎ取られた状態で死体で発見された。
    潜在的にすりこまれた密室にいだくイメージ。
    トリック(密室)よりも、心理的に植え付けられた(ミスリードの)トリックが素晴らしい。
    自雷也(文字は本分のまま)、大蛇丸、綱手姫にまつわる禁忌の三すくみ。
    序盤で提示される大胆なトリックには脱帽した。
    真相への糸口が、さりげなく伏線として描かれているのも本格推理小説としての定義から外れてはいない。
    物語の中で考えつくされた公正な表現。
    例えば斃れていたと殺されていた・・・などの絶妙な表現と、計算された構成に驚いた。
    1948年に書かれたもので、すでに半世紀以上の時が経っている。
    しかし、いまなお異彩を放っていることに驚く。
    新装版は大幅な改稿がされた後のものが収録されている。

  • 明智・金田一と並んで日本三大探偵であるらしい神津恭介の初登場作品。
    世にも見事な大蛇丸の刺青を背負った女が殺され、その胴体だけが持ち去られた。
    次いで女の夫と兄も殺される。
    事件に巻き込まれた松下研三は、偶然再会した神津恭介に事件解決を依頼する。

    神津の登場はかなり後半のほうで、そこまでは陰惨な事件の様子よりも刺青という芸術についてとくとくと聞かされる印象で、絢爛豪華な刺青にあてられて眩暈がしそうでした。
    後に書き直したとはいえ地の文も会話も固さ柔らかさがちょうどよく、高木彬光はやっぱり良いと再確認しました。

  • 最初は文章がタルかったが、慣れれば一気に読めた。

    内容としては食い足りなかったが、時代背景を考えると、十分猟奇的であり、奇抜かなと思える。

    違う作品と読み比べるのもいいか

  • 何を隠そう…というか、別に隠していないのですが、古色蒼然とした"探偵小説"が好きです。(推理小説というより探偵小説という感じが合っているかと)
    しかし、高木彬光氏の作品は不覚にもこれまで『能面殺人事件』しか読んだことがなく、今更ながらにこちらを読みましたが…
    なるほど。日本の探偵小説・推理小説オールタイムベスト投票のような企画で必ず上位に入る作品だけあります。
    今となっては(他の推理小説を読みつけた身としては)トリックの要のところは読めてしまいますが、この、"耽美な"プロットがいい。そしてこの「読者への挑戦状」にはしびれる(笑。大いに楽しみました。

  • 刺青が耽美的であったことは印象に残るのだが、トリックなどは今日となってはさすがに古さを感じずにはいられない。

全45件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1920年9月25日、青森県生まれ。本名・誠一。京都帝国大学工学部冶金科卒業。48年、失業中に書いた「刺青殺人事件」が江戸川乱歩の推薦で出版され作家デビューし、「能面殺人事件」(49-50)で第3回探偵作家クラブ賞長編賞
を受賞する。79年に脳梗塞で倒れるが過酷なリハビリ生活を経て再起、「仮面よ、さらば」(88)や「神津恭介への挑戦」(91)などの長編を発表。作家生活の総決算として「最後の神津恭介」を構想していたが、執筆途中の1995年9月9日に入院先の病院で死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高木彬光の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×