潮首岬(しおくびみさき)に郭公(かっこう)の鳴く

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 190
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913144

感想・レビュー・書評

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  • 洞察力に感嘆。

    舞台は函館。
    資産家で有名な岩倉家の、美人で有名な三姉妹。

    その三女が殺されたことを発端に始まる連続殺人。

    被害者、岩倉家をとりまく人間関係、アリバイ確認が大部分を占め時には牛の歩みを思わせるほどじっくり読ませる。
    そして待ちに待った真相、静寂に包まれた探偵役の説明会なるものにはスピード感と緊張感が走る。

    全てを見抜き真相に導いた探偵役の洞察力にはただ感嘆するばかりだ。
    緻密な計画に戦慄が…そして人とはここまで鬼にもなれるものなのか…悲哀が心に渦巻く。

    至るところに横溝作品の雰囲気も味わえる正統派本格ミステリ。

  • 函館を舞台にした横溝正史オマージュ。
    登場人物が方言でしゃべるので北海道人には親しみが持てるが、そうでない人はちょっと辛いかも。
    名家の三人姉妹に一人の美少年、俳句の見立て殺人などはたしかに獄門島チック。しかし愛憎入り混じるドロドロ感はあまりなく、警察の捜査で複雑な人間関係が淡々と明かされるので盛り上がりには欠ける。
    犯人の動機はとても擁護できるものではないが、気持ちはよくわかると思った。
    唐突なイカ踊りとテロの解説(事件には関係ない)には驚いたが、なかなか面白い。

  • 俳句をモチーフにした連続殺人。被害者は美人三姉妹。と、言えば横溝正史作品を思い出すが、現代風にアレンジされていて面白かった。真面目な刑事が一人称なので、警察小説のような感じ。彼が集めた事実をフランス人高校生が解決していくのも斬新。意外な犯人とその動機。新しいけど懐かしい、そんなミステリー小説です。

  • 横溝風

  • え? そこから?! という推理のきっかけ。エラリー・クイーンばりだなあ。特に退屈することもなかったが、情報が多すぎて推理なんてとてもとても(元々しないのだが・・・)。知恵比べしたい方にはおすすめ。

  • 04月-10。2.5点。
    函館の富豪の孫、美人3姉妹。末娘が行方不明になり、海で遺体となり発見される。
    富豪には若い後妻と、末娘と同い年の養子がいて。。。

    探偵役が最後の方に出てきて一気に解決するが、それまでが冗長な文章で、読むのがかなり時間かかった。

  • ダルい

  • 登場人物の把握が大変。

  • かなり緻密に作り込まれた作品といった印象でした。最後に一気に解決されます。自分でも読みながら犯人当てをしたいタイプの方にはとてもおすすめです。

  • 函館を思い起こしながら読んだ。懐かしい地名に惹かれながらいっきに読み進めたが、それがこの物語からなのか、函館という街からなのか判然としない。

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著者プロフィール

平石貴樹(ひらいし・たかき)
1948年函館生まれ。作家、東京大学名誉教授。1983年、「虹のカマクーラ」で第七回すばる文学賞受賞。
著書に『松谷警部と目黒の雨』『松谷警部と三鷹の石』『松谷警部と三ノ輪の鏡』『松谷警部と向島の血』(創元推理文庫)、『アメリカ文学史』(松柏社)、
翻訳にオーエン・ウィスター『ヴァージニアン』(松柏社)、ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』(共訳、岩波文庫)などがある。

「2019年 『一丁目一番地の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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