独白するユニバーサル横メルカトル

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1249
感想 : 254
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925109

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーという触れ込みで手に取ったので、はじめの1~2篇で「ん?」となった。ネットで感想を見ると「エロい」「グロい」と評判だったようで……確かにその通りだ。人を選ぶ作風。続きを読むか迷ったが、とにかく最後まで読んでみることにした。表題作が読みにくくてやめようかと思ったが、途中から気にならなくなった。ラスト1篇がいい!

  • 奇妙なそして奇跡的な壊れ方。人面疽のようなぐちゃぐちゃで見せかけの良心。真の無意識では放棄が行われそしてアポトーシスがブレークアウトする。まさしく異形(偉業)。

  • 最初はとっても気持ち悪いのだけれど、だんだんと癖になっていく感じが…。推理作家大賞獲ったのもうなずけます。グロイのに爽やかサッパリしている。ハッピーエンドの話もあり、素敵な短篇集でした。

  • ものすごく評価されてるけど、面白くなかった。

    この短編集を通しての最高傑作は、「独白するユニバーサル横メルカトル」 小説として、ではなく、このタイトルが秀逸。普段は作品の受賞歴とか気にしないんだけど、このタイトルにやられてしまったせいで、受賞歴あるし、なにやら色々と評価されてるし、で、期待しすぎたんでしょうね。

    お話として面白かったのは、「Ωの聖餐」くらいかな。
    基本、純文学を目指した厨二病をグロで隠したような雰囲気。


    そろそろ「このミス」は名前を変えるべき。

  • 著者インタビューもあわせて読むと楽しいですhttp://goo.gl/fuUc4 いろいろと思惑がw

  • 「このミス」のベスト1?ランキングも変わったものでミステリーというよりグロテスクホラー。暗鬱な中に確かに次元の違う魅力があることは各々の短編に張られた圧倒的な筆力で分かります。
    相当に読む人を選ぶはずなのですが、市井の評価は大絶賛一色のようで、これはもうそういう時代なのだということにやや嘆息します。

  • 平山さん二冊目

    この本が代表作っぽいです

    怖い短編集
    表題の『独白する〜』は地図の擬人化もので、どこなくコメディタッチ
    でおもしろかったです

    他に
    『Ωの聖餐』
    人の脳を食べてそのあらゆる知識を自分に吸収する男の話
    『卵男』
    羊たちの沈黙風味

    が好きでしたね
    いたい描写とかが嫌いな人には向きません

  • 久々こんなグロイの読んだ。でもグロイだけじゃなく、狂気の中に漂う静謐さも感じるインパクトもの凄い短編集。

    基本はホラー。しかも描写は相当きつく半端ない。これだけキツイの読んだのは綾辻行人の殺人鬼依頼か。このジャンルが苦手な人は避けたほうがいいけれど、そうでもない人は一読の価値有り。

    残酷な描写だけがウリの安っぽいホラー小説ではなく、一人称で延々語られる登場人物の精神描写や独白のクオリティが高く、ここらへん、ある意味三島由紀夫や太宰治のような純文学の趣さえあると思う。

    表題の「独白するユニバーサル横メルカトル」はこのミス大賞とっただけあって、何にも似てないオリジナリティが突出した作品でこれだけでも読む価値あるかと。もう一点、「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」ももの凄い作品。

    読後感が正直かなり悪い本なので取扱注意だけれど、結構な年月忘れることのできないインパクトが残ってしまった珍しい小説でした。

  • かなり前に購入していたにも関わらず、読まずに放置していた1冊。
    作者の初短編集であり、2007年の「このミス」1位作品です。
    この表紙からも何となくイメージできますが、内容はひどく”グロ”かったり、”残虐”だったりします。
    暴力・殺人・拷問そして下ネタ。そういった作風についていけるかどうかがポイント。

    正直、個人的には嫌悪感を与えるような描写を好みません。
    だから最終話は残忍な拷問シーンが続き、ちょっと苦手でした。
    でも、思ったほど全体的にグロテスクな感じがしなかったのは、
    所々に興味深い作品があったからでしょう。

    「ニコチンと少年」はどこか寓話的なニュアンスが香る、残酷な話。
    心やさしい少年が、いきなり残忍な行動をとる豹変振りが印象的です。
    表題作「独白するユニバーサル横メルカトル」は地図を擬人化した面白い作品でした。
    主人のために一途に尽くす地図の末路。人皮が登場したり、相変わらず気分が悪くなりそうですが、
    話の構成が今まで読んだことのない内容で、面白かったです。
    道案内をする地図の喜びって、今じゃカーナビやケータイが主流なわけで、
    勝手にちょっと可愛そうと同情したり。

    機会があれば他の作品も読んでみたいと思いますが、
    その気持ちは決して積極的なものではないということを、最後に記しておきます。

    本当に「このミス」1位なのか、不思議でなりません。
    ★★☆☆

  • 吐き気がするくらいグロテスクなのに、読み進めていくうちに恍惚としていく奇妙な魅力のある作品。もちろん、傍観者として。
    「無垢な祈り」は読むのが辛いくらいでした。一番印象に残っています。
    Ωの聖餐、オペラントの肖像の美しいものと醜いものが入り混じるような世界観に夢中になってページを捲りました。短編集ですがどの作品も独特な雰囲気と後に引きずる不快感と興奮、緊張が秀逸です。
    いくつか読んだ著者の作品の中で一番良作だと個人的に思うので星5にしました。

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著者プロフィール

1961(昭和36)年、神奈川県川崎市生まれ。法政大学中退。デルモンテ平山名義でZ級ホラー映画のビデオ評論を手がけた後、1993年より本格的に執筆活動を開始。実話怪談のシリーズおよび、短編小説も多数発表。短編『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)により、2006年日本推理作家協会賞を受賞。2010年『ダイナー』(ポプラ文庫)で日本冒険小説協会大賞を受賞。最新刊は『俺が公園でペリカンにした話』(光文社)。

「2023年 『「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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