独白するユニバーサル横メルカトル

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1249
感想 : 254
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925109

感想・レビュー・書評

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  • 2014年9月23日

  • グロい。

  • グロテスク満載の短編集。まあいつも通りの平山さんなんだけど、最近の短編とは違うキレを楽しむことができる。光文社の出版する単行本を僕は持ってるのだが、なによりおどろおどろしい字のフォントが良い。ちょっと高いかもしんないけど、買うなら単行本だ。

    一本目はタイトルがおもっくそ物語とは関係ない親父ギャグなのだが、童話口調で惑わして優しい狂気をほんのりふわふわ漂わせる筆力は流石。
    二本目は僕が大好きな話『Ωの聖餐』。カニバリズムという、どう考えても普通の生活を送る一般の方は手に取らないであろうものがテーマ。知的なキャラであるΩの、自らの生に飽いた先で乞う願いが実に人間的でおもしろい。
    三本目は悲しい少女とシリアルキラーの奇妙な邂逅譚。ちょっと僕は掴みづらかったのだが、読後謎の爽やかさが訪れる。救いか、絶望か。それは読者が判断するしかない。
    四本目は近未来SF。ちょっと僕は苦手だったなあ。
    五本目もSFっぽい。明らかに『羊たちの沈黙』を意識した舞台設定に、あっと驚くラストがある。パンチが弱いとおもう。
    六本目は異国の王様をぶっ殺して一攫千金を狙う親父と息子の物語。展開に奇抜さは見られないのだが、平山節全開の文体はこの短編集一番。おもしろいというか、楽しめる一作。
    七本目は表題作。喋っちゃう地図が主人公という奇抜さが売りだが、どうしても「このミステリーがすごい!」一位には感じないよなあ。それにこの中でも物凄いインパクト与えるわけでもないし、んーって感じ。
    ラストは拷問を本職にする男と拷問されるドM女の拷問小説。ひたすらエグい方法で拷問しまくる。拷問する男は、そのエグさあまりに精神を安定させたいので、ある方法を実行してるのだが、その癒し方が崩壊せしめられていって物語は狂ってゆく。一番ぐろいので注意。

    やっぱり平山さんはこのエグさが最高だ!

  • (収録作品)C10H14N2(ニコチン)と少年―乞食と老婆/Ωの聖餐/無垢の祈り/オペラントの肖像/卵男/すまじき熱帯/独白するユニバーサル横メルカトル(日本推理作家協会賞(2006/59回))/怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男

  • 気持ちの良い異形さ。
    タイトルのこの言葉そのものの意味のままとは思わなかった。

  • ニコチンって、そういう意味か。
    つか、オメガ!オムレツ食べられへんようになるやろ!
    一番好きな話は『無垢の祈り』ウチはハッピーエンドやと思ってる。
    表題の『独白する~』も斬新で好き。
    『怪物のような顔の女と~』は物凄いグロいけど顔顰める程じゃなかった。力も抜けへんかった。

  • 蜂の話が印象に残った。
    なんかラストがちょっと衝撃だった。

  • 最初に言っておくとグロい表現が結構出てくるので苦手な方や、想像力豊かな人は要注意かも。。

    短編集です。この方の本はこの本が初めてでした。

    中には若干の希望が見えるようなものもありますが、ほとんどは暗く淀んだ感じで終わってしまいます。けれど、変になにもかも落ち着けてしまうよりかは、余韻を残すような話が私は好きなので、ちょっと話の展開が読めないものもなくはなかったですが、全体的に満足できました。個人的に好きなのは「無垢の祈り」で登場する少女の絶望で終わってしまうのかとやきもきしました。。。これだけは、少女の行く末が一番気になりましたので、続きが読みたいところです。

    表紙からもある程度話の予想がつくかもしれません。。。

  • グロい。とにかく残虐非道で食欲も失せる。
    作者の精神状態を疑ってしまう。
    なかなか面白い話もあったけど、グロ過ぎる描写でストーリーそのものが霞んでしまう。
    この人の作品はもう読まない。

  • シュール、グロ満載の短編集。
    合わない人はまったくダメだと思います。
    俺は超楽しめました。
    「無垢の祈り」が大好きです。

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著者プロフィール

1961(昭和36)年、神奈川県川崎市生まれ。法政大学中退。デルモンテ平山名義でZ級ホラー映画のビデオ評論を手がけた後、1993年より本格的に執筆活動を開始。実話怪談のシリーズおよび、短編小説も多数発表。短編『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)により、2006年日本推理作家協会賞を受賞。2010年『ダイナー』(ポプラ文庫)で日本冒険小説協会大賞を受賞。最新刊は『俺が公園でペリカンにした話』(光文社)。

「2023年 『「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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