- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334925109
感想・レビュー・書評
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全体的にグロとナンセンスをばらまいた短編集。「粘膜シリーズ」からの流れで読んだがあちらの方がユーモアがあって良かったか。表題作は地図がしゃべるという突拍子もない設定だが奇妙な物語あたり実写化できそうな内容であった。
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人間の尊厳がグチャグチャになった物語を摂取して元気になろうとジャンキーみたいな思考回路で手に取ってしまったが、素直に凹んだ。ギャグ漫画みたいに明るく狂ってないんだもの。文章も理知的というか、お洒落で。狂気の中に普通のヒト的感情が垣間見えると落ち込むからやめてほしい。
でも不快感はないので不思議だ。こういうものを時々、読みたくなる…
「Ωの聖餐」と「無垢の祈り」はこれ、ハッピーエンドでは?と思ってしまったから恐ろしい世界観。でもこの2つが好きだったな。 -
平山夢明 著『独白するユニバーサル横メルカトル』光文社
キツい・・・これはキツいけど、噂に違わぬ傑作短篇集でした。
中盤に収録されている『オペラントの肖像』『卵男』はいずれも映画『ブレードランナー』『マイノリティ・レポート』アニメ『サイコパス』などに通じるSFサイコ・サスペンスで、『すまじき熱帯』はまんま『地獄の黙示録』を借景したブラック(ユーモア?)スプラッタ作品。内容のエグさに反比例する喉越しの良さと痛快さがある不思議な作風です。
『セブン』、そしてなぜか映画版『オールド・ボーイ』の風味が鼻の奥にツンと来る『Ωの聖餐』は紛れもない傑作です。本書のナンバー1でした。
ジャブにちんこネタ突っ込んでくる光文社の神経もどうかしている巻頭の『C10H14N2(ニコチン)と少年』は、読み口の不快感を説明するのにどうしようもなく自分の青臭さと向き合わないといけない置きどころに困る一編でした。
ぶっ飛んだ設定が神がかってる表題作の『独白するユニバーサル横メルカトル』。これは凄い。変態作家の面目躍如。誰が書けるよ、この設定・・・。
読んでる間に2~3回失神しかけた『怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男』。これは名作長編『DINER』へと続く重要作です。
そして残るは『無垢の祈り』・・・実は本作を手にとったのはこの短編が映像化されていると知ったからなのですが、先に原作を読んで、【絶対に実写版は観ない】と心に決めました。
読み終えてから2週間弱してようやく感想をかける壮絶読書体験でした。 -
短編二話目で最後まで読むのを断念決断。
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読んでる最中とにかく「これ読み終わったら優しい物語を読もう‥‥」となってた
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グロと暴力とに覆われた短編集。暴力もここまで開けっぴろげに描かれると、痛々しさや緊張感はありながらも一種清々しさすら覚えてしまいます。文章が知的で、単なる嗜虐趣味に陥っていないのも大きいかもしれませんが、ヒトの暗いサガですね。
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かなりかなりグロテスクだけど私はそんなに抵抗なかった。冨樫義博と荒木飛呂彦のダークグロ知的世界観の折衷という印象。『Ωの聖餐』と『怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男』がお気に入り。
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私にはあわなかった。うーん。
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ミステリーというよりホラー!?
2007年のこのミス第1位。でもミステリーというより全体的にホラー色が強い印象。特に最終話はキツかったー。タイトル作はやはり中でも突出した出来栄え。短編と侮るなかれ。でも刺激が強いので、好き嫌いは分かれるだろうな。